悪人 スタンダード・エディション [DVD]

監督 : 李相日 
出演 : 妻夫木 聡  深津絵里  岡田将生  満島ひかり  樹木希林  柄本 明 
  • 東宝
3.62
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感想 : 588
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988104065643

感想・レビュー・書評

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  • この地方の閉塞感、地方在住者だからこそすんごくよくわかります。
    殺された人間、殺した人間、その親、身内、周りの人、経緯、あらゆる視点の人間の生きざまや考えが交錯して各々のやり切れない心情が風景と共に緻密に描かれていました。
    妻夫木君の「目の前が海だともうどこにも行けないと感じる」という一言と灯台から臨んだ切り立った崖と海のシーンが印象的でした。
    また、人間は生い立ちも選べないというのをまざまざと見せつけられました。どうにもできない環境と生まれが人を捻じ曲げたのかなあと。

    出演者たちの迫真の演技に目が離せなくなりました。個人的に好きなシーンはケイゴがモンキーレンチでガラスの装飾品を叩き割ったところ。

  • 序盤から人間の嫌な部分を露骨に披露。暗い雰囲気が果てしなく、引きずったままエンディング。
    深津絵里の救われなさが辛い。鬼過ぎる。
    迫真の演技には引き込まれたけど、それゆえに田舎の閉塞感が伝わってきすぎて、2人がくっつくことは仕方ないと感じてしまった。
    それにしても、出会い系ってそんな出会えるんだな。

  • 駄作。殺す/殺される双方の当事者、家族に事情や立場があるわけで、その埋められなさを持って「悪人」とはなんぞやって相対するって。。。わざわざやらんでもあたりまえすぎへん?キネ旬1位やからいやな予感はしとったんやけど、やっぱなー。考えさせる風味シネマだった。被害者をビッチキャラにして、天秤のバランス取るやり口も何だかなぁやし、大学生を犯人よりなんかあかんやつみたいにしてんのもアホかおもう。当事者でもなく、親父の行き場のない気持ちの吐口になった彼が一番可愛そうやろ!被害に絡んだとはいえ、二十歳すぎた男女の痴話喧嘩で、「何でおろしたんだー!」って、完全にやつあたりだよな。きもちはわかるが、大学生は親父に生き様を全否定されるほどひどいことはやってないわな。良くある痴話喧嘩の範疇のゲスさで、犯罪でもなんでもない。犯人や深津の空虚感?それ、増幅して意味あるんかいいな。そこかてあんまうまくやれてるとはおもわん。其々の立場を丁寧に提示しているとこはいいが、テーマがつまらんし、駆り立てる切迫感に説得力もないし、駄作と評するしかない。

  • 長いわりに展開が唐突な印象。イカの目のアップからの回想が良くも悪くも強烈だったんで、検索かけてみたらロケ地「いか本家」の情報がずらり…

  • 内容の割に長い。考えさせられる作品ではあるが、映画にするにはちと無理がある気がする。

  • 重い話題で進展が遅い。物語の筋はわかっているけど、なんかイライラしてしまう作品。前半部分までそんな印象だった。
    後半、犯人と恋に落ちていた深津絵里から、悪人とは何かみたいな問いかけみたいなものがあり、ギリギリ星4つ届かずかなーって感じ。

  • やっと観ました!
    怒りを観てからこちらを。
    8年も前の作品だなんて、、これが公開されていた頃の記憶が、妙に新鮮に残ってる。
    なんだか色々と考える。

    柄本明、樹木希林の演技が凄い。
    特にこのセリフは印象的。

    「あんた、大切な人はおるね?
    その人の幸せな様子を思うだけで、自分までうれしくなってくるような人たい。

    おらん人間が多すぎるよ。

    今の世の中大切な人もおらん人間が多すぎったい。大切な人がおらん人間は、なんでもできると思い込む。自分には失うもんがなかっち、それで自分が強うなった気になっとる。

    失うものもなければ欲しいものもない。だけんやろ、自分を余裕のある人間っち思い込んで、失ったり、欲しがったり一喜一憂する人間を、馬鹿にした目で眺めとる。

    そうじゃなかとよ。本当はそれじゃ駄目とよ。」

  • 鬱屈とした日常の中で小さな苦しみがどんどん積み重ねられてて、それを基盤として、人間のいやな部分がどんどん育つ。
    閉塞的な田舎の空気がつらかった。
    誰も彼もみんな虚しさにずっと付きまとわれて身動きとれない!って感じ。
    悪はみんなの中にあり、日常の中にあり、本当に人間ってきもちわるい。


    原作既読なんだけど、忠実に作られていると感じる一方で原作を読んだ時の印象と解釈が違うように感じた。
    私が変わったのかもしれないし、どっちが正しいというわけでもないけど。

    ●ユーイチ:原作では悪い人間ではないという印象が強かった。むしろ被害者では?というくらい。可哀想な人
    →とは言いつつも浅はかで衝動的に自分の鬱屈とした部分を表出させてしまうダメな人間。周りのせいではなく本人の不安定さが引き起こしたことで、所詮悪人。
    ●ミツヨ:離れた後も変わらずユーイチを信じ、愛している。ミツヨの中に真実がある。誰も信じてくれないけど。→ユーイチを愛しているというより、日常から離れさせてくれる存在としてユーイチを必要しているのでありむしろ自己愛の方が強い。なんだか少しくだらない。
    ●ヨシノ:ただただ軽率で人を傷つけても何とも思わない酷い女→特殊な悪人というよりただ若く浅はかなだけの普通の人。襲われたって言ってやる、というのも好きな男にズタズタにされた自分のプライドを守り尊厳を保つための無理矢理絞り出すような悪意だったんだな。と満島ひかりの演技から感じた。


    ユーイチがくれたスカーフを巻いて詐欺師のところに乗り込むばあちゃん、
    バスの運転手さん、
    スパナを持って そうやって人を嗤って生きていけ、と言い放つ被害者の父、
    が わざわざ映像で観直すだけの価値があった。
    圧巻。
    もはや樹木希林と柄本明の映画ということでも良いかと。
    でも岡田将生とかもみんな良い演技で説得力があった。

    今の時代、大切な人がいない人が本当に多いのだとしたら、
    その大切な人がいることは立ち直れないくらい傷つくようなリスクを孕みながらも非常に尊いことであるし、
    自分にとって大切な人を大切に思うことは、
    誰がなんと言おうと罪ではないのだろう。

  • ◆この作品のオドロキ
    ●深津絵里の容姿がいまとほぼ変わっていないという違和感。(羨ましい)
    ●今では考えられない(現在2018年)満島ひかりの役柄。出世したよねえ…

    物語について
    ◆灯台の話。
    いきなり出てきたからびびった。
    ユウイチとミツヨがそういう話をメールでしていたシーンが少しでもあればよかったなあ。。。
    いきなり灯台とか出てきたし。
    大変いいモチーフではあるけど。

    ◆最後二人で観る灯台からの朝日
    いやだから灯台ってモチーフがとってつけたようになってる気がして…
    なんでユウイチは灯台なのか?
    そういうエピソードは物語中にあったけどいまいち頭に残らなかった…私だけか…

    ◆ずっと国道沿いの光代。が印象的だ。
    あと、クソ田舎の金髪も。
    考えたらこの作品都会とかけ離れた場所を舞台、つまりクソ田舎とすることで生々しくなってる。ものすごく意味のある設定舞台。

  • どの人も不愉快だなぁ。そんな世界を黙って愛し生きるおばあちゃんの存在が尊い。

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