- Amazon.co.jp ・雑誌 (488ページ)
- / ISBN・EAN: 4910078210217
感想・レビュー・書評
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金原ひとみ「腹を空かせた勇者ども」が面白かった。
親と子の趣味や思想が決定的に合わない感じが、すごくリアルに、フェアに描かれてると思う。
分かり合えなさを据えたまま関係性を続けること。
折り合い。
それを孤独と思い込まない冷静さ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ディストピアものの映画が好きなので特集に惹かれて図書館で手に取った。
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社会や両親に対しての怒りや苛立ちが収まらないときに、この樋口さんの破壊的な文章(散文)を読むとかなりスッキリする。特に酒なんかを飲むんじゃじゃなくて、メンソール入りCBDを吸いながら読むと完全にメンタルが回復する。
(個人の感想です)(就活生にオススメ。がんばろうね。)
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桜庭一樹氏の「東京ディストピア日記」がすごかった。自分も体験しているコロナ禍の生活なのに、こうやって作品として外から読んでいると、少しずつ変わっていき不穏な空気が満ちていく様子はまさにディストピア。
周りの空気も、自分自身もどんどん殺伐としていき、徐々に低いところに滑り落ちていくような、なんだかわからないもやもやした気分が見事に言語化されていて、作家ってすごいなと改めて思った。
コロナ禍の記録としても、そこに呑まれそうな自分自身への戒めとしても、ずっととっておきたい。 -
『ウェンディ、才能という名前で生まれてきたかった?』(瀬戸夏子)のみ読了。スリリングな読書体験だった。
文章を読んでいて、なんとなく侍をイメージしてしまった。斬るか、斬られるか、それとも切腹するか。
切れ味鋭い文章を書く方だけれど、それを自分に向けたときどうなるか、というのがやはり気になってしまった(カポーティが自らをどう書いたかについては言及あるけれど)。本編はやや無防備な印象の終わり方なので、斬るかどうかは読者に委ねているように思えた。 -
「誰にも奪われたくない」アイドルに曲を提供してる兼業作曲家とアイドルグループのメンバー、作曲家の職場の同僚。なかなかにどす黒い。
「エラー」「誰にも奪われたくない」と同じような業界裏側的などす黒さ、おもしろさはあるんやけど、それ以上のものが無いのよね。「おもろい以外いらんねん」にはあったんやけど。
「腹をすかせた勇者ども」「感染防止策をとった上でコロナにかかってしまうのは運、感染者を責めるのは間違い」一般論としてはそうやねんけど、なかなかそう割り切られへんケースってあるよね、とええとこ突いてきてる。母親のキャラはちょっとやり過ぎとは思うけど、中学生の至らなさ、アホさが上手い。さすが若くして芥川賞とっただけのことはある、と思ったけどもうアラフォーなのね。
「オキシジェン」ディストピアSFってことになるのかな。作中作も本編自体も膨らませたらおもしろくなりそう、もっと読みたいと思わせる引きあり。
「分断されていく世界で」今号で一番印象強かったのはコレ。とはいえ「ババヤガ」とか「おもろい以外」と比べると弱いかなぁ。まぁ比べる対象ではないんやけど。同時代史というか、同じニュースを見てたはずやのに覚えがないニュースがあったり。
「天国という名の猫を探して悪魔と出会う話」空気感というか「オキシジェン」とかぶる印象。ディストピア、病原体SFとでもいうか。
「ただしみ」ライブカメラって目のつけどころはオモロいけどそれだけかな…いや、文章が読みづらいとか話が破綻してるとかはないんやけど。
「身体と精神改造のための闇のブックガイド」オモロい。時間とカネがあれば読みたい本いっぱい。
「いとこ」「何も起こらなさそうで、ちょっと何か起こりそうで、でも何も起こらない」日常を切り取って来るコントにありそうなシチュエーションをシチュエーションだけごそっと切り出してきてる感じはお笑いの人っぽい。「ただしみ」と同じで「他の畑の人が書いたにしては本業の人と遜色ないけど、それ以上にアタマ一つ抜けてるかと言うと…
「アーミーオブクィア」オモロい。もっと長く読みたい。SF戦記モノとして長編にしても読みごたえありそう。 -
児玉雨子著「誰にも奪われたくない」読了。お馴染みの作詞家のため真っ先に読んだ。兼業作曲家の主人公とアイドル女子との交流。握手会が神社か懺悔室という会話が面白い。若い頃はこんな感じで人との距離も色々難しかったなと思い出す。
山下紘加著「エラー」。大食い番組のクイーンである主人公の闘い方が圧倒的。数年前に大食いイベントできれいに食べていたのを生で拝見したことのあるもえあずを思い出した。