源氏物語 09 葵 [Kindle]

  • 2012年9月13日発売
4.20
  • (8)
  • (4)
  • (2)
  • (0)
  • (1)
本棚登録 : 45
感想 : 9
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (48ページ)

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 光源氏21歳。父桐壺帝の退位。朱雀帝の即位。東宮は後の冷泉帝。
    これまでは、光源氏が、六条辺りへとお出掛けになって、恋を仕掛けていましたが、六条御息所が、自分に傾きはじめると、避ける様になります。
    そんな折、葵祭の車の所争いで、葵の上(光源氏の正妻、妊娠中)の一行の牛車に屈辱的な行為を受けます。今も昔も、人気者を見る為の場所確保は、重要なんですね。葵の上が、お出かけをぐずぐずしていたので、遅くなってしまい、良い場所がもうなくて、無理矢理入り込んだのが、六条御息所の牛車のところだったんです。車は壊れるし、後方に押しやられるし、酷い話ですが、正妻側がお強いんですね。御息所は、心を蝕まれ、葵の上に生霊として取り憑いてしまいます。
    “なげきわび 空に乱るる 我が魂を 結びとどめよ したがひのつま”は、御息所の もののけとしての和歌。乙一並みの構成ではないでしょうか。
    葵の上の出産時、多くの験者のよる祈祷を受けながらも、生霊は調伏せず、ついに亡くなってしまいます。この時の子が、夕霧です。
    光源氏はもののけを御息所と悟り、愛は消えてしまいました。原因は、彼の冷たさにあったのですが、二人の愛した女性を失うことになりました。

  • 正妻葵の上が子供を産んですぐ亡くなり、なぜもっと生前に目をかけてやれなかったのかと悲しんだのもつかの間。

    14歳になった紫の上の発育ぶりに我慢できなくなって、喪が明けないうちに同衾してしまう。
    数え年だとしたら、満年齢で13歳ってことですね。
    そういえば14歳の女子中学生は恋愛対象だと発言してクビになった50歳の国会議員がいたな。
    平安時代に生まれたら良かったね、お疲れさま……

    わりと有名な御息所と葵の上の車争いの場面もこの巻で出てきた。

  • え、ちょっと待って六条にいるいつも不機嫌な美人は奥さんじゃなくて愛人ってことですか。それに葵たんという本物の奥さんが妊娠してるっつうのに紫ちゃんを未成年なのに掠取監禁してるんですか。葵たんと六条の人とで駐車場トラブルがあって、葵たんは六条の人に恨みを買ってしまってなんと早産してしまったがそれだけじゃなくて呪い殺されたみたいなことか。酷すぎる。で四十九日が終わるとすぐに紫ちゃんを手込めにして嫌われたのにそんなに嫌ったら僕ちゃんかわいそうでしょ、とか言ってる。KZが極まってきたな。

  • 源氏物語 第9帖

    光源氏の正室葵の上メインの回だけど、いろんなことが盛りだくさん。
    桐壺帝がリタイアして、光源氏愛しの藤壺とのんびり老後ライフを楽しもうとしている。光源氏の兄は朱雀帝となり、例の藤壺の子が東宮となる。
    光源氏はその東宮の後見人に指名される…いいのか?!
    あの六条御息所の娘は伊勢神宮の斎宮に選ばれる。


    そして、光源氏の正室(葵の上)の妊娠が分かる。妊娠中の情緒不安定、体調不良はめっちゃ分かる。葵の上の不快さ、千年後の今も伝わるよ。

    そんな中お祭りで牛車渋滞中、葵の上と六条御息所の家来たちが乱闘騒ぎを起こす。
    それは六条御息所にとって、光くんは結局私を多くの愛人の中の一人としか思ってないのね、と気付かされる事件だった。
    このお祭りは京都の葵祭。
    あの伝統行事も今年はコロナ騒動で規模縮小、行列は中止されていたのよね…

    葵の上の体調不良はひどくなり、男児(後の夕霧)を出産するも亡くなる。その時、六条御息所に似た物の怪を光源氏は見てしまう。

    葵の上ともようやく分かり合えるようになった矢先のことだったのに亡くなってしまう。悲嘆に暮れた光源氏は女性たちとの関係を見直そうかと考え始める。前回の六の君、朧月夜との再婚話も出てきたけれど、紫の上を後添えにと決める。
    …まあ、夕霧くんが新東宮に似てるから怪しまれないかと言ってる辺り自己中なところもあるんだけどね。完璧な光源氏ではないということで。その人間味、いいじゃない〜

    紫の上が正式に光源氏の奥さんとなり、新ベビーのその後などまだまだ気になる所がたくさん。生霊となってしまう六条御息所もどうなるのだろう。本人も辛いよな。ということで、やっぱり続きが読みたくなるよね。

  • 源氏まじサイテー。でも別にサイテーであることと魅力的であることは特に矛盾しないのよねっていうのもわかる気がするだけになんか疲れる巻だった。この機微が1000年前というのは考えてみるとすさまじい

  • 葵上と六条御息所の因縁、そして葵上の死と御息所の生霊の関係と、今後源氏の人生にずっと影響を及ぼす出来事がおこった。
    その中でも夕霧が誕生した事は救いになったが、葵上を亡くした悲しみが完全に癒える前に若紫と結婚…若紫の裏切られたという思いと、突然の出来事に戸惑う気持ちに同情してしまう。
    何だか源氏に関わる女性がことごとく悩まされ、悲しんでいる様にしか思えない。
    源氏は源氏で思う事がたくさんあるのだろうが、源氏が追えば、それに比例して苦しむ女性が出てしまう所が、何とも切ない。

  • 葵上が亡くなって悲しむ源氏にホロリときたと思ったら…涙の乾く暇なく若紫に手を出している源氏が解らないです。

  • 葵の上、かわいそうすぎる。
    紫の上もかわいそうすぎる。

全9件中 1 - 9件を表示

著者プロフィール

平安時代の作家、歌人。一条天皇の中宮、彰子に仕えながら、1007~1008年頃に『源氏物語』を完成されたとされる。他の作品として『紫式部日記』『紫式部集』などが残っている。

「2018年 『源氏物語 姫君、若紫の語るお話』 で使われていた紹介文から引用しています。」

紫式部の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×