火曜クラブ (クリスティー文庫) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 本当ーに久しぶりすぎて、再読とさえ言えない
    けど、久々のマープルおばあさんモノ
    なかなか面白く読めた
    以前読んだ時はたぶん学生だったっけ
    くどい、また同じ言い回しだ!
    なんて思ってたな(笑)

  • 全13篇で構成されるミス・マープルものだけを集めた唯一の短編集です。以前創元推理文庫で読んだことがありますが、今回はAmazonのオーディブルで早川のクリスティ文庫を聴きました。早川の『火曜クラブ』は米題に沿ったもので、創元の方は英題に沿って『ミス・マープルと13の謎』です。13篇のうち12篇は『黒後家蜘蛛の会』のように小規模の集まりで推理を披露し合う安楽椅子探偵の形ですが、+1である最後の『溺死』だけは単独の短編で現在進行形の事件が語られます。

    前半の6話はミス・マープルの家で開かれる「火曜クラブ」を舞台にした連作です。書名と同タイトルの「火曜クラブ」はミス・マープルが登場する最初の作品で『牧師館の殺人』よりも前に雑誌に発表されています。

    火曜クラブのメンバーは元スコットランドヤード警視総監のヘンリー・クリザリング(サー・ヘンリー)、マープルの甥で作家、火曜クラブの主催者であるレイモンド・ウェスト、教区牧師のペンダー博士、女性画家のジョイス・ランプリエール、弁護士のペサリックにミス・マープルの6名です。ジョイスが当初露骨にマープルは員数外として無視しようとするのですが、マープルの推理に触れて徐々にリスペクトの思いに変わっていくのが面白いです。

    同じ日に一挙に6話が語られたのではなく、ジョイスの提案では毎週火曜日に集まる形式だったようですが、そのあたりは説明されていませんので曖昧になっています。

    前半6話は以下の通りです。

    火曜クラブ
    アスタルテの祠
    金塊事件
    歩道の血痕
    動機対機会
    聖ペテロの指のあと

    どのお話も面白いのですが、私は「歩道の血痕」と「動機対機会」がお気に入りです。

    後半の7話は後に『書斎の死体』で自宅に死体を投げ込まれるという災難に遭うことになるアーサーとドリーのバントリー大佐の家に泊まりに来たサー・ヘンリーが、火曜クラブでその推理力を高く買ったミス・マープルを客の一人に推薦する「バントリー家の晩餐会」の6篇と、パントリー家に泊まるサー・ヘンリーを訪ねてきたマープルに依頼されサー・ヘンリーが捜査を行う1篇で構成されます。パントリー家とマープルの交流の嚆矢となります。

    青いゼラニウム
    二人の老嬢
    四人の容疑者
    クリスマスの悲劇
    毒草
    バンガロー事件
    溺死

    いずれも傑作揃いですが、特におすすめは「青いゼラニウム」と「四人の容疑者」、それに「溺死」です。

  • 短編集、予想以上にぎっしりエピソードが詰まってて読み応えある。最初の火曜クラブで進むのかなと思ったら人と場所が変わり、最後には談話ですらなくなる。安楽椅子探偵って初めて読んだんだけど、多様に視点や流れを変えてて飽きない。「バンガロー事件」とかオチで声出た。そうくるか!と。最後の話も安楽椅子探偵の枠を超えず斬新な設定で新鮮だった。クリスティの文章は展開が丁寧過ぎて少し長く感じる節はあるものの、その分情景がちゃんと浮かんでくる。短編だと登場人物が変わるから毎回覚えるのが難で、苦手意識はあるが面白かった!

  • ミス・マープルの連作短編集です。彼女のデビューはこちらのようです。前半は牧師館の事件以前のようですね。「このおばあさん、実はスゴイんです」を毎週の謎解きの会【歌謡倶楽部】ゴホン、失礼【火曜クラブ】で積み上げていきます。各話の流れは、まさに、お約束展開です。そして、メンバーがキャラ立ちしてきた後半では、ミステリも尻上がりに良くなってきます。これぞ、推理合戦です。サー・ヘンリーに一目置かれたミス・マープルは、その後、警察に変に顔が利くようになるのでした。(1932年)

  •  ご存知ミス・マープルものの短編集。ジョーン・ヒクソン主演のBBCのドラマを見たら読みたくなって再読。出版は長篇『書斎の死体』より後だが、内容的にはこちらのほうが早い時期の話になっている。
     客たちが「過去の迷宮入り事件」について語りあう中で品の良い老嬢が思いもよらない糸口から謎を鮮やかに解いてしまう痛快さ。しかし、人間心理の深奥を垣間見て時折身震いしてしまう。
     次はマープル物の長篇第一作目の『牧師館の殺人』を再読したい。

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