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感想・レビュー・書評
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太宰治の未完の最終作。
いよいよこれからというところで話が終わってしまうのは本当に残念。また、こんなテーマでも小説になるんだという驚きと文学作品の無限の可能性に驚きもある。
けれども内容的にはなんとまあ。。。 -
久しぶりの青空文庫。未完の作もどこか憎めない主人公が酒を飲んではどうしようもなく迷いつつ生きる喜劇だった。太宰作品の主人公はどことなくある友人に似てるので、生きてるかなあと懐かしくなる。
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定期的に太宰を読みたくなる、その衝動で購入した一冊。多くの話は、酒と金と女でどうにもならない男がでてきて、それに困りながら付き添う健気な女がワンセット。ただ男は、自分が嫌いになるほどに弱さに気付いていて、心理描写を見ると心には繊細な思いやりがある。そこが著者そのものであるその男がモテる理由なように感じた。また、一応仕事にも信念(あと才能)があること、本心を吐露するときには優しい口調で話すこと、、などなど文章のさらさらした綺麗さも相まって、少し自分とも重ねてみたりもして、心にぐっとくるものを感じてハマってしまう。
ほとんど私小説なところが太宰治本人にもファンが付く理由だと思うし、自分もその一人だと思う。なにもまとまらない感想文しか書けないのが申し訳ないけれど、また他作も読んでいきたい。グッド・バイがいいところで終わってしまったのが残念で仕方ない。 -
未完かよ!
というわけで、まぁ有名なのかもしれないけど、知らずに読んでて最後に未完と来ると、無理やり打ち切られたジャンプ漫画のような失望がやってくる。
しかもこれがなかなか面白そうな展開で、でもちょっと少女漫画にでもなりそうな感じでもあるんだけど、まぁ夢を見させていただきました、ってところかな。 -
伊坂幸太郎さんの「バイバイブラックバード」を読んでみたいな、と思ったのがきっかけで。太宰の「グッド・バイ」が根っこにあると聞いたので、再読。
今時は電子書籍で無料で読める。時代が変わりました。
短編一個なんであっという間ですが。
昔、太宰治は舐めるようにほとんど読みました。
「眉山」「朝」みたいな短編から
「人間失格」だとかまで、好きなものはいっぱいあります。
「グッドバイ」はあまり印象に残っていなかったのですが、
10代に読んだものをこの歳で読み直すのも面白いものですね。
なんとも爽やかで覚めていてユーモアたっぷりで、
諦念と、平たい意味でのヒトの営みへの愛情を感じました。
でもまあ、未完なんで。最後まで読みたかったですねえ。
あと、やっぱり文章うまいですね。脱帽。
備忘録に記すと話の感じは、
女にモテモテの、お金もある編集者の男性がいて、
コレがなぜだか色々面倒になり、複数の愛人たちと別れたい。
でも奇妙な優しさやスタイルに拘るので、酷いことはしたくない。
そこで、これまた奇天烈な美人だけど下品な運び屋闇屋の女と結託して、
その女が妻であるという設定で女たちを訪問して諦めさせようとする。
一人目が美容師でうまくいって、
ところがどうにもこのじゃじゃ馬にペースを握られてプライドが面白くない。
恋愛関係に持ち込もうとするがけんつくをくらう。
どうにもしょうがないまま二人目へ向かうところで、未完。
一人目と分かれる間際に、手切れ金を手渡して「グッドバイ」とキザに言うんですね。
なんとも諧謔味。そしてどーでもいいことだから切ないですね。 -
伊坂幸太郎さんの『バイバイ・ブラックバード』を再読した後にこれを読んだ。
(グッド・バイを完成してほしいとの依頼からできたストーリーで、別の伊坂流ストーリーだけど、主人公の星野くん=田島イメージ、繭美=キヌ子イメージ、強いところや乱暴気味な口調。繭美の方がすごいけど。あとは、たくさんの女性とつきあっていたので、お別れしにいくという点が同じ。だけど、展開は違う)
この小説は、面白くなってきてるのに、未完だなんて。
しかもすごく短くて、残念!田島、キヌ子コンビがどうなっていくのか見たかったです。
愛人10人?けしからん!!そんなにいたら、存在を忘れる!
愛人10人?けしからん!!そんなにいたら、存在を忘れる!