スペードの女王 「金田一耕助」シリーズ (角川文庫) [Kindle]

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  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041304310

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  • 有名な彫師が不審死を遂げ、未亡人が金田一耕助に相談を持ち掛ける。
    彫師は「友人に刺青を彫ってほしい」という
    奇妙な女の依頼に応じて出かけ、
    後日、亡くなったというのだが……。

    背格好の似た二人の同じ身体部位に同様の刺青を施せば、
    一方を殺害した他方が、
    自らが殺害されたものと警察の目を欺いて逃亡し、
    身を隠すことが可能だと考える。
    但し、それには相手の「顔」を抹消し、
    独特のデザインの刺青のみを
    アイデンティフィケーションとしなければならない。
    かくして、世にもおぞましい死体が発見されるという展開。
    しかし、彫師は名人の意地にかけて傲岸不遜な依頼人の裏を掻き、
    二人の女の区別がつくよう、細工を施していた――。

    これだけでもドキドキゾクゾク面白いのだが、
    相手を騙す気でいた女もまた欺かれていたという、
    驚きの結末。
    ……いや、読んでいる途中で不審な点に気がつき、
    犯人がわかってしまうのですが、それでも充分面白いです。
    本作は東京と湘南が事件現場なので、
    金田一耕助の相棒は等々力警部。
    犯人の目を眩ますために、こっちだってやってやるぜ!
    とばかり(?)変装してコソコソ動く金田一&警部、お茶目(萌)

  • ミステリー定番の首なし死体もので、似たタイプの二人の「スペートの女王」が登場するのがミソ。横溝作品らしいエロの要素も盛り込んだ佳作といえる。トリックも重要だが、金田一と等々力警部が登場するだけで楽しく読ませてくれる。

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著者プロフィール

1902 年5 月25 日、兵庫県生まれ。本名・正史(まさし)。
1921 年に「恐ろしき四月馬鹿」でデビュー。大阪薬学専門学
校卒業後は実家で薬剤師として働いていたが、江戸川乱歩の
呼びかけに応じて上京、博文館へ入社して編集者となる。32
年より専業作家となり、一時的な休筆期間はあるものの、晩
年まで旺盛な執筆活動を展開した。48 年、金田一耕助探偵譚
の第一作「本陣殺人事件」(46)で第1 回探偵作家クラブ賞長
編賞を受賞。1981 年12 月28 日、結腸ガンのため国立病院医
療センターで死去。

「2022年 『赤屋敷殺人事件』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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