- Amazon.co.jp ・電子書籍 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041304310
感想・レビュー・書評
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有名な彫師が不審死を遂げ、未亡人が金田一耕助に相談を持ち掛ける。
彫師は「友人に刺青を彫ってほしい」という
奇妙な女の依頼に応じて出かけ、
後日、亡くなったというのだが……。
背格好の似た二人の同じ身体部位に同様の刺青を施せば、
一方を殺害した他方が、
自らが殺害されたものと警察の目を欺いて逃亡し、
身を隠すことが可能だと考える。
但し、それには相手の「顔」を抹消し、
独特のデザインの刺青のみを
アイデンティフィケーションとしなければならない。
かくして、世にもおぞましい死体が発見されるという展開。
しかし、彫師は名人の意地にかけて傲岸不遜な依頼人の裏を掻き、
二人の女の区別がつくよう、細工を施していた――。
これだけでもドキドキゾクゾク面白いのだが、
相手を騙す気でいた女もまた欺かれていたという、
驚きの結末。
……いや、読んでいる途中で不審な点に気がつき、
犯人がわかってしまうのですが、それでも充分面白いです。
本作は東京と湘南が事件現場なので、
金田一耕助の相棒は等々力警部。
犯人の目を眩ますために、こっちだってやってやるぜ!
とばかり(?)変装してコソコソ動く金田一&警部、お茶目(萌)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ミステリー定番の首なし死体もので、似たタイプの二人の「スペートの女王」が登場するのがミソ。横溝作品らしいエロの要素も盛り込んだ佳作といえる。トリックも重要だが、金田一と等々力警部が登場するだけで楽しく読ませてくれる。