- Amazon.co.jp ・電子書籍 (327ページ)
感想・レビュー・書評
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短編3作収録
悪魔の降誕祭
女怪
霧の山荘
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短編3つ収録。
ストーリーはまずまずだが、シリーズを読み続けているひとにとっては、金田一耕助のキャラクターを楽しめる話であった。
表題作の悪魔の降誕祭では、等々力警部が耕助はいつも犯人を死なせてしまう〜的な冗談を言っていて、作品中で言っちゃうのね!と思ったが、あのラスト。
実はいつもわざとか?!
耕助は実は犯罪者を相当憎んでいて、いつも死に追いやるよう仕向けているのかもしれない…なんて影を感じてしまった。
2つ目の女怪は先生こと横溝正史とのやり取りもいいが、惚れた女にキョどる探偵。
大失恋であった。 -
【悪魔の降誕祭】
表題作だが、いまいち残念な作品。事件の舞台に広がりがなく、躍動感に欠けているせいか、非常に印象が薄い。過去に読了していたことを忘れていたほど。犯人は意外だが、無理やり感が否めない。
【女怪】
登場人物が少なく、事件の舞台も大掛かりではないが、短編ならではの切れ味がある切ない作品。金田一の恋愛譚が絡んでいるが、とってつけたようなわざとらしさを感じさせないところが、さすが横溝翁の筆力か。一読地味だが、過去に2回もドラマ化されている。
【霧の山荘】
死体消失&アリバイトリックを軸にした、本格的色彩を強く感じさせる作品。根本的に犯行動機に問題はある(無意味な犯罪)が、概ね楽しんで読める。これもドラマ作品あり。