島はぼくらと [Kindle]

著者 :
  • 講談社
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感想・レビュー・書評

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  • 1つの島を舞台に4人の高校生を描いた話。爽やかな青春モノかと思いきや、島特有の閉ざされた社会での人間関係が丁寧に描かれてリアルだった気がする。辻村さんらしい、優しくて、温かくて、ちょっぴり切ない物語。
    『スロウハイツの神様』の赤羽環が登場するので、それよりも先に読んでしまった事だけが悔やまれる。

  • 久し振りに泣いてしまった。
    辻村さんの作品はどれも大好きなのだけれど、中でも一番大好きな『スロウハイツの神様』に出てくる赤羽環が、後半に登場しててビックリしました。
    なんかもう、上手く言えないけれど本当に良かった。
    友達や家族との絆、言葉にしないけれど感じる事がいっぱい詰まっている感じがしました。
    まだまだ彼らの事を知りたいのに、その後どうなったの?と聞いてみたいのに・・・同じ島民になった気分でそんな風に思わせてくれる、とても素敵な作品でした。
    手放しでオススメ。

  • 辻村深月をもう1,2冊読んでみたいな、と思っていたところ、ちょうど目黒考二がこの『島はぼくらと』を大絶賛していたので、読んでみた。案の定、夜を徹っして読了。

    目黒考二が「うまい」と評する通り、これは、上手い。この前に読んだ「ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ」も、まあよく書けていて面白い話だとは思ったが、ところどころに著者のわざとらしさが垣間見えて、若書きの印象を拭えなかった。しかし、『島はぼくらと』は「小説」だ。人生の貴重な 2時間なり 3時間なりを費すに足るエンターテイメントだ。細やかな伏線が、逐一回収されるのも小気味良い。

    結婚と出産が依然として辻村深月の重要なテーマの一つであることには違いはないが、しかし、それは瀬戸内海に浮かぶ冴島の暮らしのごく微かな一部に過ぎない。メインのモチーフである「コミュニティ・デサイナー」と I ターンを積極的に受け入れる島の村起こしは、非常に興味深い社会問題を提起しているし、個性豊かに描かれる 4人の主人公は、若く、強く、ひたむきだ。もう一度生まれ変わって、冴島で高校生活を送りたい。

著者プロフィール

1980年山梨県生まれ。2004年『冷たい校舎の時は止まる』で第31回メフィスト賞を受賞しデビュー。11年『ツナグ』で第32回吉川英治文学新人賞、12年『鍵のない夢を見る』で第147回直木三十五賞、18年『かがみの孤城』で第15回本屋大賞を受賞。『ふちなしのかがみ』『きのうの影ふみ』『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』『本日は大安なり』『オーダーメイド殺人クラブ』『噛みあわない会話と、ある過去について』『傲慢と善良』『琥珀の夏』『闇祓』『レジェンドアニメ!』など著書多数。

「2023年 『この夏の星を見る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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