夜のささやき 闇のざわめき : ~英米古典怪奇談集Ⅰ~ [Kindle]

  • BOOKS桜鈴堂
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感想・レビュー・書評

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  • 初めて読む話が多かったけど、その中でも好きだなと思ったのは「迷子の幽霊」。それから、何回か読んでいるけどやっぱり好きだなと思ったのは
    「キャンタービル屋敷の幽霊」と「絵画師シャルケン」の二つ。

  • モンタギュー・ロウズ・ジェイムズ「消えた心臓」。因果応報ってあまり好きな概念ではないのだけど、これは因果応報だねぇ。そして、すっきりしたというか、よかったねという思い。

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    ジョゼフ・シェリダン・レ・ファニュ「絵画師シャルケン」。タイトルの「絵画師」にどれほどの意味があるのだろうと、ぼんやりと思いながら読み進めていたところ、きれいにまとまった。あちらとこちらとが重なるところに当然のようにあった恐怖と悲劇は、最近ではむしろ珍しいようにすら感じる。

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    W. S. ギルバート「夜風唸れば:歌劇『ラディゴアあるいは魔女の呪い』より」。怖いというよりも、賑やかで楽しそう。幽霊たちの話なのに。

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    アンブローズ・ビアス「月下の道」。ビアス流「藪の中」っぽい印象もあるけど、きちんと謎解きになっているように思うので、「藪の中」でもない。おそろしくもさみしい話。

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    エドムンド・ミッチェル「湖上の幻影」。これはなんとなくよい話。

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    ウィリアム・ワイマーク・ジェイコブズ「三人姉妹」。問題はお金だったのかそうでなかったのか。

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    オスカー・ワイルド「キャンタービル屋敷の幽霊」。驚くことに、コメディだった。けれども、ラストに近づくにつれて神妙な気分になり、なんとなく厳かな気持ちで読み終えた。結局、死者の尊厳に対する祈りのようなものがどうしてもあるのかなと思う。

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    マディソン・J・カウェイン「影の森」。死は美と恐怖とを一時に運んでくるものと、なぜ描かれがちなのか。現世から永久に逃げられる甘美な場所であり、二度と現世に戻ることができない一方通行の彼の地。

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    エドワード・フレデリック・ベンスン「庭師」。怖っ! そこで入れって言っちゃいけないですよ、とか、いろいろつっこみを入れつつ…… マーガレット、強いなぁ。

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    モンタギュー・ロウズ・ジェイムズ「銅版画」。絵のなかの時間が云々という話は、他でも見たことがあるので、当時人気の設定だったのかもしれない。読みもって、ぞわぞわした。一読、作者の名前には見覚えがないなぁと思った自分の阿呆。M. R. ジェイムズですね……

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    イーディス・ネズビット「影」。この書籍を手に取った目当ての作品。どこかしら綺麗な話のようでもあり、人の闇を映した話でもあるのだろう。怖いというよりも、背筋がぞわぞわとする話だった。映像的には、「妖怪人間ベム」のオープニングを思い出したり。

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    アーサー・グレイ「永遠倶楽部」。学内誌発表作というのが面白いし、こうして現在、日本語に訳されたものが読めるというのも面白いなと思う。本電子書籍の発行は 2013 年。

  • 怪綺談というのは、全て幽霊の話。無論フィクションではあるが、かなり怖い内容。少し違和感を覚えるのは、あちらの人々は余り幽霊を怖がらないのか、ということ。結構みな冷静なように感じる。

  • これは意外な掘り出し物。電子書籍ならではの、短編集といえましょうか。
    正直無料だったから落としただけだったんだけど、どのお話も面白くて面白くて、あっという間に読んでしまった。やっぱりワイルドのお話は絶品。最後あの幽霊がかわいくてかわいくて、大好きになっちゃう。
    それから女の子が家に住んでるお話も、すごい怖かったんだけど、何だか切なくてやりきれなくて。
    怪奇だけど、良い怪奇小説ばかりで素晴らしかった。こういう電子書籍をぜひぜひどんどん出して行ってほしいです。第2弾を出すなら、ぜひディケンズの信号手も。

  • 英米古典怪奇談集。
    「幽霊」をテーマにしたアンソロジーです。
    どの話も幻想的で、諸々の描写がとても美しい。

    オスカー・ワイルドの「キャンタービル屋敷の幽霊」がコミカルで楽しかったです。
    アメリカ人一家に怯える英国人幽霊w
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    ■ 永遠倶楽部/A・グレイ
    ■ 影/E・ネズビット
    ■ 銅版画/M・R・ジェイムズ
    ■ 庭師/E・F・ベンスン

    ■ Interlude1
       ……影の森/マディソン・J・カウェイン
    ■ キャンタービル屋敷の幽霊/O・ワイルド
    ■ 三人姉妹/W・W・ジェイコブズ
    ■ 湖上の幻影/E・ミッチェル
    ■ 月下の道/A・ビアス

    ■ Interlude2
       ……夜風唸れば (歌劇『ラディゴアあるいは魔女の呪い』より)/W・S・ギルバート
    ■ 絵画師シャルケン/J・S・レ・ファニュ
    ■ 消えた心臓/M・R・ジェイムズ
    ■ 死人の森/A・ブラックウッド
    ■ 迷子の幽霊/M・E・ウィルキンズ=フリーマン

  • Kindleストアで無料期間中に購入。
    英米古典怪奇読集、『幽霊』がテーマの14編。

    無料だったので手に取りましたが、思った以上に楽しめました。
    オスカー・ワイルドとか、名前は知ってても、一度も読んだことが無いような人の作品もあって良いです。

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