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感想・レビュー・書評
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何の因果か、このクソ忙しい時に私本太平記(2013年に著作権が切れており、青空文庫)を読み始めてしまった。新平家に続く吉川英治晩年の大長編で全13巻、読み終われるかなあ。第1巻「あしかが帖」は尊氏(高氏)若かりし時の京都遍歴から、鎌倉幕府の腐敗具合、二年の蟄居を経て藤夜叉との再会と家臣右馬之助との別れまでを描く。まさに吉川英治円熟の筆致でまったく飽きさせない。
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太平記を舞台にした物語。主人公は若き日の足利高氏です。その彼が、勉強のために隠れて京へ来て、それが後日大騒動となって、その途中で自身の道に密かに目覚めるも、それをひっそりと隠しながらまで。一人の若者の立上りを感じさせる感動する内容になっています。執権北条家の問題も、後年の小説手法の習いになったのではないかと思わせられるような正統な書き方で、それだけ読みやすかったです。
この一人の若者から出発し、どのようにして壮大な物語が紡がれるのか。楽しみに感じながら読み終えました。 -
長くなりそうなので一冊毎に★評価を。
時代を感じるというか、物語・登場人物の関係が非常にシンプル。だから読みやすいというか、骨太な大河ドラマを本で読んでる感じ。
実は前からこの作品読みたかったんです、足利高氏ってなかなかお目にかかれないし。この作品が書かれた背景はよく分からないんだけれども、色んな意味で結構チャレンジングな題材をチョイスしている気もしていたし。
それにしても吉川英治作品がタダで、かつ思いついたら読めますか、凄い時代ですな、ほんと。