ヤバい経済学〔増補改訂版〕―悪ガキ教授が世の裏側を探検する [Kindle]

  • 東洋経済新報社
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感想・レビュー・書評

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  • 名前に「やばい」がついている本を見ると、ただマーケティングがうまいだけの中身のない本ではないかと警戒してしまうが、ヤバい経済学は違う。
    本書は、日々の出来事や謎が話題の中心だ。スポーツ、選挙、犯罪、車、子供の成績、人種差別などの具体的な話題における小さな疑問に対して、経済的なツールを使って応えていく。人間がインセンティブシステムにのっとって行動することを前提に、疑問を解き明かす。
    特に印象に残った話は、日本の相撲界での八百長、学校の先生の不正、アメリカでの中絶禁止による犯罪率の増加の話で、公開されているデータを解析していくことで、こんな面白くて不都合なことが見えてくるのかと驚いた。著者は人と違う情報を得ているからすごいのではなく、同じ情報をみて人とは違うことを考えられるからすごいのだ。

  • 高校生の時に読んだ気がする
    例がいちいち面白い
    世界を支配するのはインセンティブ
    ということはインセンティブをうまく使うことができれば、自分や人をうまく動かすことができる

  • ヤバい社会学というギャングのエスノグラフィーを書いた本の部分が引用されているということで紹介されていたので読んだ。
     教育のことに関していえばSATとの関連で成績と何が関連するのかということが回帰分析の結果からの解釈で書かれていた。ヘッドスタート計画が関係ないという関連では残念であった。
     この部分だけでも教育学部の学生は読む価値がある。

  • 【全般】
    ・世の中には、物事の因果が大きく取り違えられていることが多々ある。
    【各論】
    ・KKKは自作暗号で仲間内でコミュニケーションをとって、外部の人間を恐れさせたが、会話内容はなんてことない意味のないことであった。⇒人はわからないものを過大解釈し、怖がる。
    ・テレビや新聞は毎日コンテンツを埋めなければいけないので、人騒がせなことをしたり顔でしゃべれるひとは大歓迎。
    ・子育てにおいて、特に子供の学業成績について重要なのは、親が子供に何をするのかではなく、親がどういう人間であるかだ。
    ・名は、子供の行く末を表すのではなく、映すもの。名づけに親の価値感・経済環境・白人黒人が反映されている。

  • まず、学者とライターのコンビっていいなぁと感じた。あのブログの雰囲気からしてレヴィットさんも文章書ける人だとは思うけど、とても読みやすいしドラマチックだった(それが批判対象にもなっているらしいけど…)。データをうまく利用して考える、などをテーマにした(一貫したテーマはないと本書では述べられているが)本は興味深い結論と、派生で考えられる事象が多く出てきて楽しめる。続編なども読もう。

  • 「経済学」と聞くと、何となく襟を正して身構えないといけない内容だと感じるが、本書は何の一貫性もテーマもなく、ただ著者が気になった事を無邪気に解きほぐしてくれるエンターテイメントに満ちた本であった。

    「中絶の合法化による犯罪率の低下」
    「学校の先生と相撲力士の共通点」
    「ヤクの売人はなぜ親と住んでるのか」
    「完璧な子育てとは」
    いかにもおもしろそうな内容が満載。全く経済学と関係してなさそうなところが尚更おもしろい。

    「道徳は世の中がどうあってほしいかを表す。経済学は世の中が実際どうなのかを表す」という主張は、経済学の本質表す一言だと感じた。

    良くも悪くも、人間は経済的・社会的・道徳的インセンティブによって行動する。
    この3つの切り口から事象を考察することで、多くの事象が説明できる。
    稼ぎたい・尊敬されたい・よく有りたい。
    人間の逃れられない性質をよく理解する事ができた。

  • - めちゃくちゃ面白くスイスイ読める。行動経済学的な話。一本筋の通った論の展開というより、色々やってみている感じの本だ。
    - ***
    - インセンティブは現代の日常の礎である。そして、インセンティブを理解することが──おうおうにして壊してしまうことにもなるけれど──凶悪犯罪からスポーツの八百長、出会い系サイトまで、どんな問題もほとんど解決できる鍵になる。
    - インセンティブの味付けは基本的に三つある。経済的、社会的、そして道徳的の三つだ。

  • 目的:シンプルに面白そうだった
    仮説:一風変わった視点で、お金の回り方を説明する
    要約:
    本書は一つのテーマについて書かれているのではなく、実際の社会をさまざまな角度から切り込んで解釈しようとしている本である。その中で、いくつか印象に残った話を紹介する。

    一つ目はインセンティブである。
    人の行動を考えるときは、その人が得られるインセンティブを考える。インセンティブには以下の3つがある。
    ・経済的インセンティブ(例:報酬、罰金)
    ・社会的インセンティブ(例:名誉、恥ずかしい)
    ・道徳的インセンティブ(例:親切、万引は良くないこと)
    新たなインセンティブを与えると、それまでのインセンティブがなくなることもある。本書では、保育園の迎えに遅れる保護者に罰金を与えるように経済的インセンティブを与えると、それまで保護者が持っていた「遅れることは良くないことである」という道徳インセンティブがなくなった、という話を紹介している。

    二つ目はアメリカの犯罪数の減少にまつわる不思議な因果関係である。
    1990年代にアメリカの犯罪者は大幅に減った。その原因は、20~30年ほど前にアメリカで中絶を許したことだと著者は述べている。中絶をしたい女性は、何らかの原因で子供を育てることができない環境にある。もし中絶を法律で禁止していたら、その環境が育たなければいけない子供がでてきて、そういった子供は非行を起こす可能性がそうでない子と比べて大きいことがデータで示されている。
    もともと、犯罪の数をへらすために中絶を許容したわけではないが、こういう因果関係が出てくることもあるらしい

    三つ目は、子供の成長への親の影響度の話である
    親が子供にしてあげられることは限られる。親が子供のために「何をしたか」よりも、その親が「どういう人か」ということの方が、より子供に影響を与える。(本書外の)ある研究では、子供のアイデンティティの半分は親からの影響が占めるが、それは遺伝込みである。残りの半分は周りの環境・友達付き合いが占めるらしい。

    本書にかかれている話は、「読むと確かにそうだろうな」、「単純なことじゃないか」と感じる。しかし、それらは、それまでは一般常識ではなかったことであり、それを考えつくことはとても困難だと感じた。

    Act:何か考える時にはさまざまな視点で考えられるように心がける。具体的には、ソクラテス式問答法を活用する。

  • これを読んでないあなたは「ヤバい」

  • グロービスのビジネスアナリティクスの授業で、おすすめしてもらった本。フライヤーにて。
    書いてある内容が、どうか?ではなく、データ分析の考え方や視点がとても勉強になった。
    イシュー、仮説を元にデータを分析すること。
    数字を見たら、イシューと仮説を意識するようになった

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著者プロフィール

スティーヴン・J・ダブナー
ジャーナリスト
作家として表彰を受け、ジャーナリストとしても活動し、ラジオやテレビに出演する。最初の職業――あと一歩でロックスター――を辞め、物書きになる。以来、コロンビア大学で国語を教え、『ニューヨーク・タイムズ』紙で働き、『ヤバい経済学』シリーズ以外にも著書がある。


「2016年 『ヤバすぎる経済学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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