応天の門 1巻 (バンチコミックス) [Kindle]

著者 :
  • 新潮社
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感想・レビュー・書評

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  • ちょっと気になったのは挨拶の仕方で、市井の人は中国式の挨拶をしていたのでしょうか。うーん。
    藤原が力で日本の富も力も得ようと跋扈する時代、筆と正義で歩く菅原道真と、史実でも一二を争うめちゃモテイケメンなれど処世術と魅力で大切なものを守り歩く在原業平という賢さ2大巨頭が、物怪、妖で解決されそうな難事件を冷静に勇気をもって解決してゆく推理ドラマIn日本史。私の読書はまだまだ途中ですが。
    道真イコール天神様はあまりに東風吹かば〜 が有名ですが
    海ならず たたへる水の底までに きよき心は月ぞてらさむ
    【現代語訳】
    月は、海の水の底まで照らすように、清らかな私の心も照らし出してくれるだろう。
    心だに誠の道にかなひなばいのらずとても神やまもらむ など、句は道真の人と正義を信じる実直さを残していて漫画の彼を私には彷彿とさせます。
    帝の子を産み藤原の道具にされるべく屋敷に幽閉されている高子姫を処世術を駆使して己が才も想いも隠して守る少将業平もまたイメージ通り。ふたりの関係性を見ていてちょっとアニメ一休さんと新右衛門さんとの関係も思い出しました。帝の血筋はこの場合一休さんではなく新右衛門さんですけど。
    ふたりを取り巻く登場人物もまたみんな事情がありながらも懸命に生きていて魅力的です。まだ続いています。平安の御代でも帝から実質権力を奪って思い通りにしようと暗殺や暗躍ばかりの応天の門の内。善良なだけでは生き残れないのはいつの世も同じなら、強かさと実直さ、ふたつとも持ちたい。そうして良きものを少しでも多く守れたら歴史を継いでいるとも言えるでしょうか

  • 平安時代のお役人(検非違使や、陰陽師等)も激務をこなしていたんだな。

  • 在原業平と菅原道真の探偵コンビが事件を解決。キャラがたってて面白いわ。

  • 5巻まで読了。Kindleにて。
    追いかけたい歴史漫画を増やしたくて。
    クールで生意気な文学少年、菅原道真のところに、チャラい在原業平やそのほかの人が厄介ごとも持ち込んで、道真がイヤイヤ解決する話。自室で書物を読むことが一番幸せな道真は知識も豊富で。それでも、知っているだけでは意味がないこと、知識は使わなければならないのだということに気付く。世は藤原が着々と権力を握っている。不正がまかり通る政治の世界を垣間見て憤りを感じる道真。誰かとつるんだり助けたりすることで、帝に仕える父に迷惑がかからないか?少しずつ政に関わりつつある道真が悩む姿が可愛らしい。主人公をまだ宮仕えしていない秀才くんにしたのが面白い。夢枕獏の「陰陽師シリーズ」のように、数話完結で進むのかと思いきや、ちゃんと大きい流れでも動くらしい。
    続きが楽しみです。

  • 何気に手に取った応天の門。かつての自分であれば時代が時代で、題材も題材で、敬遠していたであろう作品。年をとり世の中の仕組みだったり、人の思いであったりをかじり、様々な知恵をつけたら見方が変わった。阿吽や呪術廻戦などの他作品と出会ったことも大きい。名前ぐらいはかろうじて知っている過去の偉人たち。創作とはいえ史実に基づき、時にミステリ仕立ての謎解きエピソードを盛り込み、政という名の下に権力を争うおっさんたちの思惑にページをめくる手が止まらない。

  • これは面白いです!
    平安ミステリーといった感。
    三白眼の道真と業平2大スターの共演と、藤原一族。
    時代背景についても細かな解説あり、創作だけど時代に浸れる。一気読み決定です!

  • 大河ドラマ「平清盛」ファンとして、(なんだか読みやすいな…)とすいすい読み進めてたら考証に本郷和人先生が出てきてついウフフって笑ってしまいました。
    一種のホームズ&ワトソンもので、怨霊や祟りの仕業とされる事件を若き日の菅原道真が在原業平と共に解決してまわるのだけど、そんな主人公その人が日本有数の怨霊と恐れられる結末が避け難いのを想えば、青春がうららかに描かれるほどこの先どうなってしまうんだろうと思わせる描写でもあります。

  • 宝塚歌劇で舞台化されるということで、予習のために読み始める。電子書籍で漫画を読むのははじめて。登場人物たちの相関関係や役職名など、わからないことが多いけれども、それを調べながら読み進めるのもまたたのしい。

  • 検非違使を束ねる在原業平と早熟の天才 菅原道真のコンビが、平安京で起った事件を、推理し、解決するなかで、大きな物語が進んでいくという連作短編集です。タイトルにある「応天門の変」がクライマックスでしょうか?晴明・博雅を彷彿させる「陰陽師」のテイストがありますね。絵が綺麗なのと菅原道真の小生意気なキャラが面白く、次巻に進みたいと思います。

  • キンドルがやたらとこの漫画をおすすめしてくるので、気になったので読んでみると、シャーロックを彷彿とさせるとても面白い漫画だった。

    読むまでは表紙の少年は宮さまか誰かかと思っていたら、菅原道真公だった。

    実際に菅原道真と在原業平に交流があったのかは、長岡天満宮https://nagaokatenmangu.or.jp/がそう主張しているだけで、他の文献では確認されていないらしい。
    おそらく神社に箔をつけるために、伝説的な有名人たちのエピソードを作ったんだろう。
    それはともかく、この漫画は面白い。長岡天満宮にも行ってみたい。長岡ってどこ?京都?狛犬はあるのかな?

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著者プロフィール

はいばら やく
漫画家。東京都在住。女性。
元々は同人作家として和泉八雲名義で活動。2006年に「コミックZERO-SUM」にて『とかげ』でデビュー。2017年、在原業平と菅原道真が怪奇事件の謎を解き明かそうとするクライム・サスペンス作『応天の門』で第20回文化庁メディア芸術祭マンガ部門新人賞を受賞し、これが代表作となる。

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