「北京女性」24人の肖像 [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 「ふしぎな中国」を読んでたら同じ著者がこの本を紹介していたので興味が湧き。24人の人生に、中国が経てきた文化大革命、改革解放、天安門事件、社会主義市場経済、急速な経済発展、急速なテクノロジーの進化が刻み込まれてる。彫刻家、翻訳家、マンガ雑誌社社長、ワインバー経営、高級娼婦、ジャーナリスト、宝飾品販売、カリスマ美容師、スーパー家政婦、ピアニスト、ファッションデザイナー、スポーツ写真家などなど職業もさまざま。最初の向京氏はインタビューも挟むが、あとはインタビューをもとにしたライフヒストリーが語られる。好きになったもの、得意なこと、たまたま出会ったものを手にして、ジェットコースターのような転変を重ねながら成功していく様にひきこまれた。これだけの人生を目の当たりにさせてもらうことの稀有さ。天安門前後で、精神主義から物質主義になったという彫刻家。天安門事件からサンフランシスコに逃れて鄧小平研究に熱を上げた翻訳家…なぜ自分たちは鄧小平に負けたのか、鄧小平は中国をどう変えようとしているのか、と。ドラマティックだったのは、イスタンブールの銀行で一目惚れした青年と北京で暮らしだし、外資系ホテルでめきめきと仕事の腕をあげていった女性。日本のマンガ好きが高じて日本留学し、フランス人男性とつきあいワインにハマりマンガへの情熱がなくなり、北京で二人でワインバー開いて成功した女性かな。気になるのは彼女たちのその後。何人かは10年後のインターネットでは探せなくて。今どうなっているのかも知りたいと思った。

  • おもしろかった。
    近藤大介は、女性の肖像画をうまく描く才能がある。
    コールガールから、家政婦、ピアニスト そして 彫刻家まで。
    幅広いジャンルをうまく 網羅しながら エネルギッシュさを伝える。
    さりげなく、ホンネを聞き出しているところが すばらしい。
    中国という国で、一人の女性の生まれた環境から、
    その生い立ち、そして セレンディピティ。
    このセレンディピティも、努力しているからあるような描き方がいい。
    いわゆる チャイニーズ ドリームの実現。
    未来にむけて、敢然と立ち向かう 女性群像を描ききる。
    それぞれが 夢を持っている。そして、その夢を実現しようとする。
    中国人を見ていると 男性より女性の方が活き活きしている。
    男よりも女性ががんばっているのだ。
    この本を読みながら、中国にいるとこういうタイプの女性は 多い感じがした。
    ただし、登場する人は、かなり 才能があることは 確かだが。
    その、余韻。読み終わった時に、なぜか がんばれ
    と 呼びかけたくなる。
    これは、続けて、続編を出してほしい。

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著者プロフィール

1965年生まれ。埼玉県出身。東京大学卒業。国際情報学修士。講談社入社後、中国、朝鮮半島を中心とする東アジア取材をライフワークとする。講談社(北京)文化有限公司副社長を経て、現在、『週刊現代』編集次長(特別編集委員)。Webメディア『現代ビジネス』コラムニスト。『現代ビジネス』に連載中の「北京のランダム・ウォーカー」は日本で最も読まれる中国関連ニュースとして知られる。2008年より明治大学講師(東アジア論)も兼任。2019年に『ファーウェイと米中5G戦争』(講談社+α新書)で岡倉天心記念賞を受賞。他に『アジア燃ゆ』(MdN新書)『パックス・チャイナ 中華帝国の野望』『ファクトで読む米中新冷戦とアフター・コロナ』(以上、講談社現代新書)など著書多数。

「2023年 『日本人が知らない!中国・ロシアの秘めた野望』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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