知ろうとすること。(新潮文庫) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 本を読んで改めて情報を全て鵜呑みにしてしまうのはよくないなと思った。
    テレビや新聞など、大きな組織が発信しているものが全てではない。
    個人の発信だからこそ言える事もある。
    事実は事実でそのまま受け止める事、そこから冷静に判断することがとても大切だと思った。
    自分たちの体の中に、138億年前の水素が入っているというところに、とても胸が熱くなった。
    私たちを含む色んな物質に含まれる水素が、
    138億年前からぐるぐると巡り巡って、リサイクルされ続けながら現在に至り、
    そしてこれからもそうしながら、受け継がれて行くんだと思うと、
    全てが繋がっているんだなと感動した。
    世の中のもの全て、構成しているものの中に同じものを持っていると思うと、
    また見える世界が変わってくる。
    色んな事実をもとに、自分たちも深く知ろうとする姿勢がとても大切だなと思った。

  •  東日本大震災とそれに続く福島第一原子力発電所の事故は、放射能汚染という恐怖を多くの人に抱かせた。残念ながら無責任に不安を煽る人々も多く、現場に近い地域に住む人達を混乱させたり、差別を生む原因にもなっていた。

     そんな中で、Twitter等のSNSを使って正確な情報を伝えようとする専門家の方々も現れ、ある意味で救いとなっていた。東大教授で原子物理学者の早野龍五氏もその一人だった。彼は結局ネット上で発言するだけではなく実体を伴う多くの活動に従事することとなった。本書ではその早野氏と、コピーライターやエッセイストなどの肩書を持つ糸井重里氏との対談という形を取って、当時を振り返っている。

     もともと両者の交流は主にTwitter上だったが、それは公開の場であり、誰でも彼らをフォローしてリアルタイムでその発言を読むことができた。私自身も少なからず読んでいたので、本書で触れられているエピソードのいくつかには「そう言えばそんなことあったな」と思い出しながら読み進めた。

     逆に言えば、本書を読んで初めて知る新事実といったものはあまりなかった。断続的、断片的に届くTwitter上の発言とその背景にあった出来事を整理して再構築したものを再確認したといった読後感だった。

  • 一気に読み切った。 理系的なものの見方、理系以外からのものの見方。 研究そのものもすごく大事なんだけど、やっぱりアウトリーチ的なものの重要性も感じた1冊。 早野さんのついて少し調べただけで賛否両両論があり、なにが正しくて何が間違っていて、何がわからないのかということを知るためには、受け身ではだめだということを改めて認識させられました。 情報が溢れかえる現代だからこそ、取捨選択をきちんとできる大人になっていきたい。

  • 気になっていた本。
    Kindle版になったので読了。
    あの震災、そしてあの事故からの混乱に乗じていまだに湧き続けるデマの数々。
    そういうのにはほとほと嫌気がさしていたが、知識のない僕にはなかなか本当かデマかを判断できなかったりする。
    この本のように専門家がわかりやすく、正しいデータをもとに伝えてくれるのはありがたいなと。
    放射能は怖くないわけではないけど、闇雲に怖いわけでもない。
    きちんとデータを集めて調査をすれば、今のこの地域では特に怖くはないんだよと理解することが出来る。
    知るということは大事だ。

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