パリでメシを食う。 (幻冬舎文庫) [Kindle]

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  • パリで働いている日本人のインタビュー集。
    日本とちがう日常生活にいらだったり、それを超えてどうでもよくなったら自分のペースを大事にできるようになったり。あとがきで「誰かの参考になる話やサクセスストーリーを聞きたいわけではないんです」とインタビュアーに言っているように、個々人の体験談・人生談という感じ。職業だったり、境遇だったり、万人受けしにくい感じの、でも実際にパリでメシを食ってる日本人たちなのがいい。

  •  パリを舞台にあらゆる物事に挑戦する日本人へのインタビューをもとに書かれたエッセイ。
     芸術のパリに憧れ、夢を追って生き生きと活躍する人たちが描かれる。

     三ツ星レストランの厨房で働く女性、
     芸術家の集まるアトリエに住み、絵で生計を立てる女性、
     日常を切り取るカメラマンの男性、
     パリの中心地に漫画喫茶を開いた男性、
     オートクチュールの紳士服テーラーで働く女性、
     パリコレなどの一線で活躍するスタイリストの男性、
     ハイパーヨーヨーを芸術の域へ高めた男性、
     パリの国連事務所でバリバリ働く女性、
     フランスに日本発の鍼灸を広めた男性、
     パリの一等地に花屋を開く男性。

     パリは決して万人に住みよい街ではないし、外国人がフランスで仕事を得るためには、煩雑な手続きを経たうえで、さらにとんでもない倍率をくぐり抜けなければいけない。しかし、そこには世界のトップレベルの芸術性があり、夢を追う人々が集う。パリは人を魅了してやまないものが確かにある。
     人生のなかでたまたまパリの魅力に触れ、パリへ赴く機会を得て、そこに夢を掴む手がかりを得るだけでも奇跡的なことだと思うが、そこからさらに夢を掴み、パリで「メシを食う」=生きていく人はとても強い人だと思う。

著者プロフィール

川内 有緒/ノンフィクション作家。1972年、東京都生まれ。日本大学藝術学部卒業後、米国ジョージタウン大学で修士号を取得。米国企業、日本のシンクタンク、仏の国連機関などに勤務後、ライターに転身。『空をゆく巨人』(集英社)で第16回開高健ノンフィクション賞を受賞。著書に『パリでメシを食う。』(幻冬舎)、『パリの国連で夢を食う。』(同)、『晴れたら空に骨まいて』(ポプラ社/講談社文庫)など。https://www.ariokawauchi.com

「2020年 『バウルを探して〈完全版〉』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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