- Amazon.co.jp ・電子書籍 (264ページ)
感想・レビュー・書評
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パリで働いている日本人のインタビュー集。
日本とちがう日常生活にいらだったり、それを超えてどうでもよくなったら自分のペースを大事にできるようになったり。あとがきで「誰かの参考になる話やサクセスストーリーを聞きたいわけではないんです」とインタビュアーに言っているように、個々人の体験談・人生談という感じ。職業だったり、境遇だったり、万人受けしにくい感じの、でも実際にパリでメシを食ってる日本人たちなのがいい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
パリを舞台にあらゆる物事に挑戦する日本人へのインタビューをもとに書かれたエッセイ。
芸術のパリに憧れ、夢を追って生き生きと活躍する人たちが描かれる。
三ツ星レストランの厨房で働く女性、
芸術家の集まるアトリエに住み、絵で生計を立てる女性、
日常を切り取るカメラマンの男性、
パリの中心地に漫画喫茶を開いた男性、
オートクチュールの紳士服テーラーで働く女性、
パリコレなどの一線で活躍するスタイリストの男性、
ハイパーヨーヨーを芸術の域へ高めた男性、
パリの国連事務所でバリバリ働く女性、
フランスに日本発の鍼灸を広めた男性、
パリの一等地に花屋を開く男性。
パリは決して万人に住みよい街ではないし、外国人がフランスで仕事を得るためには、煩雑な手続きを経たうえで、さらにとんでもない倍率をくぐり抜けなければいけない。しかし、そこには世界のトップレベルの芸術性があり、夢を追う人々が集う。パリは人を魅了してやまないものが確かにある。
人生のなかでたまたまパリの魅力に触れ、パリへ赴く機会を得て、そこに夢を掴む手がかりを得るだけでも奇跡的なことだと思うが、そこからさらに夢を掴み、パリで「メシを食う」=生きていく人はとても強い人だと思う。