ヴィンセントが教えてくれたこと [DVD]

監督 : セオドア・メルフィ 
出演 : ビル・マーレイ  メリッサ・マッカーシー  ナオミ・ワッツ  クリス・オダウド  テレンス・ハワード  ジェイデン・リーベラー 
  • ポニーキャニオン
3.81
  • (20)
  • (68)
  • (41)
  • (2)
  • (0)
本棚登録 : 248
感想 : 41
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988013511286

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 心が晴れるニュースも番組もなく、出かけること儘ならず。
    鬱々する日常にピッタリのコメディでした。観ていなかった映画に気軽にアクセスできるアマゾンプライスに救われる日々。

    人嫌いの嫌われ者。人とうまくやっていけず、悪態ばかりつき、周囲からも距離ができる。
    気難しく何にでも毒づき、タバコや酒におぼれ、ギャンブルで借金まみれのダメな男ヴィンをビル・マーレイが演じます。

    ヴィンは隣家に引っ越ししてきた男の子オリヴァーとの関わり、表面に見える人格だけではなく、彼のこれまでの道のりや家族との関りが薄皮を剥ぐように次第に露わになっていきます。
    その様を涙なしには観られません。

    隣家の男児オリヴァーにしても、決して子どもらしい子どもではなく、むしろ年齢の割に物事を達観している、冷めた雰囲気。
    この2人の化学反応がたまりません。

    冒頭、オリヴァーがお母さんに読み聞かせる絵本は、シェル・シルヴァスタイン作
    『大きな木』”The Giving Tree”。お母さんの痛点を刺激してしまうしかけにクスリと。

    妊婦のロシア人売春婦ダカ役のナオミ・ワッツは髪の毛の色、メイク方法、服装のチョイス、そして何よりもロシア語なまりの英語が上手。巧く捉えていて、ここも何度も苦笑。

    欧米の映画もテレビ番組も人種毎の特徴や英語のなまりをネタにすることが多く、人種ネタもアメリカンジョーク。

    「この人はこういう人」と人格を限定してしまいがちだけれど、人との関係を深堀すれば(オリヴァーのスピーチではdig deeperと)、人間だから欠点も沢山あるけれど、聖人にもなれると。人は複層的で複合的で多面体な存在だから奥深い。

    転校したばかりのオリヴァーをいじめた級友の一人が、ドラマ"This is us"でランダルの子役の子ナイルズ・フィッチ君でした!

    今は業界からも社会からも追放され収監されたワインスタインの制作会社というのも時代の流れを感じました。
    笑って泣けるコメディ映画、よかった!

  • 話ができすぎている。オリヴァーは賢すぎるしユーモアのセンスもあって、最後のプレゼンなんてとても10歳そこらが作ったとは思えない完成度とプレゼンスキル。なので現実味がない。
    でもいいんです。問題ない。なぜなら良い話だから。結局みんなハッピー。いがみ合いも憎しみも金のいざこざも、ヴィンセントの適当さが緩衝材のように働いて、団結と絆につながっていく。ありえないくらいの出来た話だけど、ハッピーエンドは全てを許す。ビル・マーレイのクソジジイっぷりも良い。
    最後、ヴィンセントが歌うボブディランの曲もいい。見てよかったです。

  • (Amazonより)
    【ひねくれジジイといじめられっ子の少年が、最高の相棒になる! ! 】

    アルコールとギャンブルに溺れるちょい悪オヤジのヴィンセントは、ひょんなことからお隣に引っ越して来た、いじめられっ子オリバーの面倒を見ることになる。
    小学生相手に容赦なく毒舌を連発し、行きつけのバーや競馬場にも連れ歩き、ヴィンセントはオリバーに注文の仕方、オッズの計算方法、いじめっ子の鼻のへし折り方など、一見ろくでもないことを教え込んでいく。
    最初は最悪だと思っていたオリバーだが、ある日ヴィンセントが介護施設に立ち寄り、認知症の妻に愛おしげに接する様子を目の当たりにする。
    気難しい老人と気弱な少年の間にはいつしか奇妙な友情が芽生え、2人のささやかな冒険の日々が始まった―――。




    ヴィンセントのように一見、ひねくれジジイのようだけど本当は心底悪い人ではない、と世の中の人のことを思いたいけれど 現実にはどうかなぁ...やっぱり悪い人はいるよねぇ...と思ってしまいます。
    ラストにはオリバーをいじめていた子とも仲良くなり みんなで食事をしている場面が微笑ましくて 世の中もこうなればいいのになぁと思いながら観ていました。

  • 父と母の離婚が決まり、母マギーと共に一軒家に引っ越してきたオリヴァーは酒飲みで悪態ジジイの隣人ヴィンセントに出会う。小柄な彼は学校でもさっそくいじめられるが、仕事で忙しい母の代わりに放課後ベビーシッターを嫌々してくれることになったヴィンセントに喧嘩の仕方を教わり、いじめっ子ロバートをやっつけ、やがて同じような境遇から仲良しの友達になる。借金取りや娼婦、銀行の残高、競馬、とにかくお金がないのは、実は結婚40年の最愛の妻サンディの高級老人ホーム費用がかさむから。ある日、支払いがこれ以上滞るとサンディを置いておけないと施設の職員に最後通牒を突きつけられ、オリヴァーが競馬で当てた大金に手を出し、金策に走ろうとするが、ヴィンセントは脳卒中で倒れてしまい、その間に妻が亡くなってしまう。
    両親の親権裁判で、オリヴァーはヴィンセントが連れ回した場所や娼婦のことなど、母たちに話していなかったことがばれて、ヴィンセントと一緒に過ごせなくなる。

    妻を亡くし、捨てた荷物を見て、オリヴァーはビンセントがごまかして否定したベトナム戦争に参加していたことを知る。
    彼は、学校の身近な聖人を見つけるという宿題のため、様々な人に会いにいき、話を聞き出す。
    ヴィンセントはベトナムの激戦区で敵に包囲される中、2人の将校を助けた功によって勲章をもらっていたし、表面に見える人となりと実際は一緒じゃない、オリヴァーはヴィンセントに聖人のメダルを送る。

    若い頃のビル・マーレイは始終、苦虫を噛み潰したような顔で神経質で気難しい、気取り屋の勘違い野郎、と思わせる役が多かった気がする。ラブコメディとかでもそうだから、醸し出される雰囲気が単に苦手だっただけかもしれないけど。
    でも今作ではほんとうにおじいちゃんになってしまって、ジジイって呼び方の方が似合う役だけれど、触れ合うのが少年だからか、とても微笑ましく、人の歴史を感じられる良い映画だった。久しぶりに映画で泣いたかも。
    あと、ギルモア・ガールズのスーキー役の人が母親マギー役で、彼女も良かった。                                                                 

  • ビル・マーレイ演じるヴィンセントは、ギャンブルに酒にハマって、借金漬けで売春婦のダカにも金を払えない、はちゃめちゃな爺さん。不機嫌でかわいい猫のフリックスと暮らす。
    そんなヴィンセントのお隣に引っ越してきたシングルマザーと、息子オリヴァーの不思議な交流。
    仕事で忙しいオリヴァー母に、急遽オリヴァーの子守を頼まれ、車で連れ回し、喧嘩を教え、競馬やバーに連れていき、売春婦ダカとも会わせる。
    ひ弱で引っ込みがちなオリヴァーだけど、喧嘩でいじめっ子をKOした後は、だんだん学校の同級生とも仲良くなる。

    原題は「St. Vincent」
    オリヴァーは学校で聖人についての授業を受け、「身近な聖人」について発表する課題が与えられる。一見聖人とが程遠いヴィンセントを、オリヴァーは「身近な聖人」に選ぶ。
    はちゃめちゃで生活は崩壊しかけているヴィンセントは、ベトナム戦争では勲章を受け、認知症の妻を死の間際まで愛し続けた。そして、きっとオリヴァーにとっては、一番わけわかんない年頃で両親が離れてしまったあとの、父親代りなんだろう。

    エンディングではヴィンセントがボブ・ディランの「Shelter from the storm」を外れた調子で唄う。ディランの率直な歌詞は、聖人とは人間に他ならない、というオリヴァーの言葉をもう一度思い返す。
    「ヴィンセントが教えてくれたこと」はなんだろう。率直に正直に生きること、なんでしょうか。
    別にハッピーエンドというほどでもなく、アメリカの決して大都会じゃない寂れた風景と、結構シビアな社会で成長していく少年の、印象深い映画。ビル・マーレイが脳卒中で倒れてからフリックスを撫でるシーンはとても和む。ヴィンセント、近くにいたらちょっと嫌だけど、なんとなく憎めない聖人です。

  • ラストに泣けた…。
    100パーセント善人なんてきっといないよね。
    オリバーはそういうことも分かってる子なんだろうなぁ。ヴィンセントも。

  • 良いだけの人はいないし、悪いだけの人もいない
    みんな両面持っているし、信じてもらえたらうれしい

    それだけのことなんだけど、こんな小さな子が気づくんだなぁ

  • 泣くわ笑うわ、満足です。

    ☆5つにはならないけど
    きちんとした存在感

  • ラストで涙してしまいました。
    ヴィンセントは悪じいさんなんだけど、オリヴァーに対する少しの愛情が見え隠れして、どうしても嫌いになれなかった。
    そこで、あのラストだったので案の定泣いてしまいました。
    登場人物みんないい人で、観ていて優しい気持ちになれました。

  • 名画座で鑑賞。本日の目玉。
    嫁と娘の強いお勧めにより観てきました。
    お勧め通り良かったですね。
    ハチャメチャなベビーシッター振りながら愛情も仄かに匂う。さり気なく少年を守り、さり気なく大人の世界を見せる。自分勝手な処もあるが、(少年の当たり馬券を使ってしまうなんて最低!)青白い少年に喧嘩の仕方も教える。今は認知症である妻を誰よりも愛していて介護施設に通い詰める。
    その人柄か、妊娠したヌードダンサーも彼の傍から離れない。(しかも彼の子ではない!)あまりのハチャメチャ振りに少年の養育権を争っている元父親との裁判で負ける要因になってしまうがそれでもマイペースのヴィンセント。最初は迷惑ジジイだと思っていたオリバーはどんどんヴィンセントに惹かれていく。
    ヴィンセントの出鱈目振りをこれでもかと見せておいて、最後にオリバーに聖人として表彰される。向こうの学校にはこの様な授業が一般的なのしょうか。
    極めて自然な描写でオリバーはヴィンセント周辺を調べ上げ、ストリッパーのお姉さんも巻き込んで聖人発表の場に連れてきてしまう。
    そこでヴィンセントがベトナム帰還兵であり勲章も貰ったことがあること、少年に大人の世界を垣間見せてくれたこと、妻を如何に愛し如何に献身的であった事が語られ、PTAが見守るなか聖人として表彰される。ここでもう滂沱の涙です。最初から聖人の授業の描写があり、交互にヴィンセントの日常を見せる。とても聖人君子とは思えないジジイが最後には皆に聖人と讃えられる。描写のギャップがとても面白い。そこが感動のポイントでも有るのだけれど。いい映画でした。

  • 嗚咽するほど泣いた。ヴィンセントだけでなく、出てくる人みんな結局いい人。

  • いけすかない爺さんと少年との心の交流。ラスト、少年のスピーチはモノの見方を教えてくれる。

    嫌われ者であっても、実はいいところがたくさんある。それを見つけられるかどうかだけの問題だ。

    この爺さんは、人に好かれようとしていないところがよい。自分の仁義を外さなければ、人からどう見られようと構わないのだ。

    同情してもらおうとか、哀れを買おうという態度が微塵もない。自分の課した制約条件の中で、飄々と生きている。

    別に聖人として表彰されなくても、周りから認められなくても気にしない。彼はタフガイなのだ。

  • アメリカ/2014年/セオドア・メルフィ監督/ビル・マーレイ出演
    口座はすでにマイナス、店のものをちょろまかし、競馬で散財するというダメおやじが隣に来たシングルマザー親子のシッターを始めたことで、交流が始まるという、ミエミエの展開で、ケンカの仕方を教えたので、いじめっ子を倒せたり、そのことでいじめっ子と仲良くなったりどこかで見たような話ばかり。ただそれをマイペースのビル・マーレイがすることでリアリティが増す。エンディングは古いウォークマンでボブ・ディランの歌声をたどたどしく歌うとこがずっと映ってる。どうでもいいシーンだけどビル・マーレイだと彼らしくてインフルエンサーになれる。
    けど気になるのは、親権の裁判はどうなったんだろう。裁判に勝つというシーンがありましたかね。それにビル・マーレイがからむとよかったのだが。

  • 不良老人と少年の心の交流。
    清々しくなれるいい映画だよ。

  • こういうじじいが出てくる映画に弱い。
    オチはわかりきってるのにきっちり泣いてしまった。

  • かなりの不良老人と転校生でモヤシっ子の男の子の交流物語。
    基本、ねこを飼っている人に悪い人はいない。
    男の子がめちゃくちゃかわいくて、息子が欲しくなる作品。

    人との交流からはお互い学ぶことが多く、心を豊かにしてくれる。
    やはり引きこもりはダメですね。

  • 泣かせる映画だな

  • ★★★
    酒、ギャンブル好きなじいさんの隣に引っ越ししてきた少年の面倒を爺さんがみる。
    ギャンブル教えたり悪態ついたりするが最後は感動系

  • ありきたりな感動物っぽいな〜と見始め、ありきたりに感動した。よかった。

  • 引越しでいじめられ始めた主人公が、不良じじいにあって、いろんなことを知り、状況を改善していく。
    実はじじいは悪い奴じゃないってのは、定番ではあるが、最後の聖人のあたりは涙をこらえきれなかった。

  • こじらせ老人と少年ものって鉄板。

  • 不良ジジイとシングルマザーの家庭の少年の友情の物語。

    ジジイの生活は荒み、やることはめちゃくちゃだ。しかし、少年と接するときは、優しさが垣間見られる。
    ジジイは教育に悪いことを散々教えるが、少年の純粋な好奇心と、ジジイの優しさを受け取る素直さが微笑ましい。

    ラストの少年の学校でのプレゼンは、ジジイの人生への最大の賛辞であり、存在への肯定だ。
    本作は、ジジイの再生の物語と言えるかもしれない。

    気楽に笑いながら楽しめ、最後は感動もある、質の良い娯楽映画。

  • ろくでもないじいさんに見えるし実際そうだけど、妻を心から愛してるとか、腹ボテ売春婦の居場所になっている本当は寂しい今を生きてるじいさん。
    オリバーといる時のいきいきとした表情は素敵だと思ったし、介護施設の職員にも本当は優しい人だと気付かれてたり、心根の良さが見えて結果的に周りに人が集まるラストで心温まった。

  • 偏屈な老人と子どもの交流ってありがちな話だなぁと思ったら、想定よりちょっと上を行く良い話でした。

    ビル・マーレイ演じる主人公は少年の学校の授業で「身近な聖人」として表彰されるという展開がうまいなぁと思うのですが、それも、ベトナム戦争の英雄であり、アルツハイマー病の妻を介護したり、身重のストリッパーの世話を焼いたりというエピソードをさらりとうまく描けているからでしょう。

    ナオミ・ワッツ演じるストリッパーや、メリッサ・マッカーシー演じる少年の母親も、見かけや言動に反して情に厚かったりして、あたたかい気持ちになります。

  • 最高でした、、、
    何より、ヴィンセントという人間の愛おしさ。
    子どもの聡明さもあってか、ヴィンセントの知性もあってか、あ〜、化学反応がおきたのだなと。
    勘違いされる人っているけれど、その仕上がりにも必ず背景があり、表面的なその人でジャッジしないようにありたいと思ったのであった。
    いや〜〜ちょっぴりほろりしつつ、とても後味の良い作品でした。

  • いつも悪態をついている偏屈なヴィンセントの家の隣に母子が越してくる。
    成り行きで子供のシッターを頼まれ嫌々ながら引き受けるけど、全く愛情がない訳じゃなく、喧嘩の仕方や大人の世界を見せてくれる。

    聖人についての授業が最初から出てくるから自然につながるし、最後の発表の場では涙が出た。

  • のんだくれで賭け事好きな金欠親父が隣家の少年のシッターとして人生の師となる。身近にいる聖人として少年にたたえられるが、彼も隣家もさまざまな生きにくさの中で暮らしているのがリアル。

  • 子供の真っ直ぐな目は、その人の本心を見ますね。

    大人の無理解や常識を軽く飛び越える力が子供にはあるのでしょう。

    あと、ビルマーレイのヨレた演技がすごく良かったです。

  • ビル・マーレイ、年とったなぁ。でも若い時より今の方が好きだわ。いい加減で嫌われ者のヴィンセント。でも人に知られてない部分こそが本当の彼。子役のジェイデン君も良かった。

  •  身を崩してその日暮らしの老人宅の隣にシングルマザーの親子が越してきた。なりゆきから母親は老人にベビーシッターを頼むことになる。

     身を崩してる人達にもそれなりの人生とつながりがある。最後の宿題で老人の人生を聖人として語る少年という展開はうまいなぁ。

     ビル・マーレイーはやはりいい。もうじいさんなんだなぁ。。。

全41件中 1 - 30件を表示
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×