きつねのはなし(新潮文庫) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 再読。
    森見登美彦作品には具体的な地名が細かいところまで書かれてるのがいい。場面の想像がしやすい。
    4作の中では「果実の中の龍」が好き。先輩が自分のことを、祖父の話だと前置きをして嘘を語る場面は素晴らしい。

  • 京都を舞台にした、不思議な話4つが入っている。きつねの話というよりは、きつねに化かされているような話ばかり。きつねの面や不思議なケモノ、骨董屋の芳蓮堂など共通して登場するモチーフもあるが、それぞれの話は独立していている。京都という土地には、こういうことがあるのかもしれないと、なぜか納得してしまう、そういう本だった。ホラーっぽいけど、読後感は悪くないのでおすすめ。

  • 年末年始で一息に読み終えました。どろどろとした、得体の知れない重い空気に絡めとられていく感覚を味わう。とても好みでした。

  • へこんでるときに忘れたくて読んだら、この本の内容のじりじり迫りくる怖さにのみこまれた。現実は忘れたけど、ちがう、そうじゃない感。

    短編同士をさりげなく大胆に(?)繋げていく感じがザ・森見登美彦!!って感じがして好きです。
    あと、人が何に気持ち悪く感じるかわかってて書いてますよねえ!?!?ってなりながら読んでました。『夜行』でも思ったけど、掌で転がされて困っちゃうわ。でも好きです。だから好きです。笑

    4つの短編の中でも、『魔』の表現がすごく印象的で圧倒的だった(当社比)。

    ー「夕立が近づいてくる気配を私は好んだ。黒雲が大きな獣のように夏空を走って、乾いた街路が沈んでゆくように翳ると、果実のような甘い匂いがあたりを満たす。最初の一滴はまだ落ちない。そんなときに街中を歩いていると、わくわくと身体が震えるような気がした。」

    この書き出しに震えた。好きです。怖かったです。

著者プロフィール

1979年、奈良県生まれ。京都大学大学院農学研究科修士課程修了。2003年『太陽の塔』で日本ファンタジーノベル大賞を受賞しデビュー。07年『夜は短し歩けよ乙女』で山本周五郎賞を受賞。同作品は、本屋大賞2位にも選ばれる。著書に『きつねのはなし』『有頂天家族』など。

「2022年 『四畳半タイムマシンブルース』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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