デービッド・アトキンソン 新・所得倍増論―潜在能力を活かせない「日本病」の正体と処方箋 デービッド・アトキンソン 「新日本論」シリーズ [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 日本はまだまだ潜在能力を発揮していないことには賛同する。大好きな日本だからこそする愛のムチだ。やればできる子たちばかりなのに。もっと力を合わせればみんなで幸せになりそうな気もするのだけど。
    (続きはブログで)
    https://syousanokioku.at.webry.info/201906/article_2.html

  • 論点は良い 「人口動向」→「経済動向」
    日本は人口増加時代のシステムを墨守
    売上確保 ダンピング・賃金抑制・売上減の悪循環
    撤退も再編もできない ずるずる生産性低下

    1.生産性をテーマに 切り口が斬新 Dataが基本
    ①農業の生産性P134
    ②サービス業の生産性P136
    ⇒どちらも初めて見る分析!
    2.バブル後遺症
    経費削減を優先→投資の抑制→生産性の低迷→30年停滞

  • これだけの内容ならもっとページ数が少なくても良いような感じ。同じことの繰り返しが多い。主張にも同意できないことが多い。

  • 【要旨】
    ・30年にわたる経済の低迷は日本の生産性の低さに原因がある
    ・戦後から大きく経済成長できたのは、日本型資本主義がうまく機能していたからではなく、単に人口が増えていたから
    ・しかし、日本人自身(特に中年以上の世代)がそのことを正しく理解していないために、改革に対する強いアレルギーを示す
    ・経済成長していたときには生産性が低くてもそれをはるかに上回る人口増加の恩恵があった
    ・そのために、生産性を向上させようという努力を企業の経営者が怠ってきた
    ・生産性を改善させるためには女性の活躍できる環境の整備や給与の増加が必要となる
    ・しかし、経営者側に生産性を改善するインセンティブが小さいために、利益を内部留保へ回してしまう
    ・経営者に生産性の改善を迫るためには「外圧」が必要
    ・政治からのアプローチで、企業へ時価総額を上げるよう圧力をかけなければ生産性は改善しない
    ・まだ最大限活用されていない女性のポテンシャルを引き出せる環境を作ることができれば、生産性改善の余地がある

    【所感】
    非常に面白い議論であった。
    いかに日本の生産性が低いかをデータで示し、その原因が何かを様々な観点から分析する著者の熱意に脱帽。
    経営者に生産性改善のインセンティブが少ないというのは納得できる。ただ、政府もある程度は大企業によって支えられている側面もあるだろうから、圧力をかけようと言ってもそんな簡単にできるものなのかはわからない。
    女性が活躍できれば、という話も面白かった。確かに、日本ではいまだに男尊女卑的な慣習があり、共働きが増えている現代においてもまだ昭和の専業主婦優遇政策を維持している。変化を嫌う高齢者に票田を握られている以上、政府もそう簡単にいろいろと動いてくれるとはあまり期待できない。
    生まれたときから景気が悪い若者の意識はまた異なる、という話も納得感があった。確かに、自分も政治に期待せず、自力で自分の人生をどうにかしようというマインドセットだし、昨今はそういう旨の発信をするインフルエンサーが若者の人気を集めがちだ。
    「このままだと二流国家になる」と警鐘を鳴らす本書、生産性改善のための提案も理にかなったものは多いと思うけれど、必ずしも正論で人は動かない。
    ましてやロジックより感情・雰囲気で物事を決める日本人(と著者自身がそう評している)。
    日本は島国で単一民族国家だから、日本人が自分たちを客観視するのが難しいという側面もあるんだろうなあ。
    これをどうにかするには移民(特に、専門性の高い職)を増やしたり、海外で武者修行する日本人の数を増やす必要があるんだろうけど、どうもそれとは逆の方向に日本社会は進んでいるみたい(自戒をこめて)。

  • 内容は良いものであったが同作者が後に書いた『日本人の勝算』とかぶる部分が多かった。
    本書の最新版が『日本人の勝算』という位置づけなのだろうか。
    この本より最近の情勢を反映している『日本人の勝算』をおすすめする。

  • タイトルと内容がアンマッチな気がするけど、統計データが豊富でうれしい。データって都合のよい切り口だけで見てちゃダメと思い知らされます。メディアでは「日本はここがすごい」的な内容ばっかりでナルシスなのがイヤと思っている人は、とても楽しめる本なのでは、と。

  • 著者の指摘について、
    1.日本は生産性が低い
    2.過去の日本の経済成長は人口ボーナスの結果
    という2点は同意。というより10年以上も前に履修した大学の授業で取り上げられていた。なので「生産性を上げる必要がある」という提言にはもろ手を挙げて賛成である。
    この手の話では議論の作法には構造的な問題があると感じていて、マスコミや(トピックを専門としていない)大学の教授でも「コメンテーター」という名の有識者もどきが論点の明瞭化の邪魔になっている。筆者が本書の中で逸話として取り上げている相手もこのような手合いなのであろう。
    筆者の問題提起には価値がある半面、「投資家」が「経営者」に圧力をかけることで生産性が向上するという主張に対しては首をかしげたくなる。というのも、ずいぶん前から日本の株式市場の主役は外国人投資家であり、彼らは株価を通して日本企業と経営者に圧力をかけているからだ。
    なぜ、圧力をかけられた経営者が生産性を向上できないかについて、筆者にはさらなる分析を期待したい。
    あ、日本人のマニュアル癖はよくわかります。マニュアルに従うこと自体は悪いことではないが、日本人って実は「マニュアルを作成する=標準化する」ことが苦手なんですよね。業務の本質を理解して、それをマニュアル化(標準化)できない人には、マニュアルを改善、更新することができないため硬直化する。

  • はじめに
    第1章 日本はほとんど「潜在能力」を発揮できていない
    第2章 「追いつき追い越せ幻想」にとらわれてしまった日本経済
    第3章 「失われた20年」の恐ろしさ
    第4章 戦後の成長要因は「生産性」か「人口」か
    第5章 日本の生産性が低いのはなぜか
    第6章 日本人は「自信」をなくしたのか
    第7章 日本型資本主義は人口激増時代の「副産物」に過ぎない
    第8章 日本型資本主義の大転換期
    第9章 日本の「潜在能力」をフルに活用するには
    おわりに

  • オーストラリアから来てた人に、日本は食事が安くて美味しいって言いますよね?と言ったら、日本は人件費が安いですからね。オーストラリアの最低賃金は日本の1.5倍ですからそんなに安く提供できません。と言われてびっくり。
    日本は人件費が高いと思いこんでいたら、なんと、最低賃金が先進国中最低だったんですね。。。
    日本はいつの間にか"安い国"になってたんだ。。。

    何とかしないと。。。

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著者プロフィール

デービッド・アトキンソン
小西美術工藝社社長
1965年イギリス生まれ。日本在住33年。オックスフォード大学「日本学」専攻。裏千家茶名「宗真」拝受。
1992年ゴールドマン・サックス入社。金融調査室長として日本の不良債権の実態を暴くレポートを発表し、注目を集める。2006年に共同出資者となるが、マネーゲームを達観するに至り2007年に退社。2009年創立300年余りの国宝・重要文化財の補修を手掛ける小西美術工藝社に入社、2011年同社会長兼社長に就任。2017年から日本政府観光局特別顧問、2020年から政府の「成長戦略会議」委員などを歴任。
『日本人の勝算』『デービッド・アトキンソン 新・観光立国論』(山本七平賞、不動産協会賞受賞)『新・生産性立国論』(いずれも東洋経済新報社)など著書多数。2016年に『財界』「経営者賞」、2017年に「日英協会賞」受賞。

「2023年 『給料の上げ方 日本人みんなで豊かになる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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