新八犬伝 起 (角川文庫) [Kindle]

著者 :
  • KADOKAWA
4.00
  • (1)
  • (0)
  • (1)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 2
感想 : 1
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (251ページ)

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 2018/12/7読了。
    甥っ子が「八犬伝を読みたい」と言い出したらしく、それなら八犬伝で卒論を書いたおじさんに子供向けの良いやつを選んでもらおうということになったそうで、そんなミッションが回ってきた。張り切って探し始めたところ、いま刊行されている各社の子供向けのダイジェストがあまりにひどいので絶望した(アニメ風な絵がついているのはまあ仕方ないにしても)。あんなのを甥に読ませたら、甥は馬鹿にされたと感じるか、八犬伝はつまらない話だと思うだろう。
    そこで思い出したのがこれ。元が仏教儒教の概念てんこ盛りでエログロもたっぷりの大長編なわけだから、あれを子供が読める長さに縮めようとすると、どうしたって違う話にしなければならない。なるべく元の面白さのエッセンスを保っている翻案ということになると、馬琴好きの界隈では伝説的な本書の出番だろう。
    おじさんの蔵書の中から、数年前に復刊ドットコムから出た復刻版を進呈することにした。それを底本にした文庫版も角川から出ているが、ルビがかなり省かれている。で、おじさんはその文庫版のさらに電子版でいま読んでいるというわけ。
    NHK人形劇のシナリオのノベライズということで話の展開のテンポが良い。省略された設定やエピソード、逆に追加された新キャラやストーリーなどは数あれど、原作の大枠と面白さをうまく残して生かしている。甥は楽しんでくれるだろうか。少なくともおじさんはいま楽しんで読んでいる。

全1件中 1 - 1件を表示

著者プロフィール

1959年のNHK『ピエロが泣いた』でテレビのシナリオ作家としてデビュー。1971年、筒井康隆の『時をかける少女』を原作の少年ドラマシリーズ第一作『タイム・トラベラー』が好評を博す。その後、オリジナル続編を執筆し、自身で『続・時をかける少女』として小説化。ついで1973年、NHK人形劇『新八犬伝』のシナリオを担当、これが大ヒットとなる。1977年にはNHK時代ドラマ『鳴門秘帖』、1979年人形劇『プリンプリン物語』のシナリオを担当、『ラーマーヤナ』。SF的発想と独自の楽屋落ちに才腕を揮ったが、58歳で死去。

「2017年 『新八犬伝 結』 で使われていた紹介文から引用しています。」

石山透の作品

最近本棚に登録した人

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×