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感想・レビュー・書評
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突然のメール、2年も前の応募結果が届いたところからはじまる。
そして上司に訴えたのが、仕事をください。
組織の体質、福利厚生、人事の仕組み…。
漠然としたイメージでしかなかった国連を、ごく一部とはいえ、ちらりのぞかせてもらったような気になる。
何より当たり前だが、本当に様々なルーツを持つバラエティ豊かな仲間たち。それぞれの個性が魅力的で、狭い世界しか知らない私にはちょっとうらやましくもある。
提案されたタイトルの「夢を食う」
やがて自分自身を見つめ直す彼女にとっては、まさにといったところか詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
それなりに面白かったけど人に勧めるほどではない
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国連で採用されてから退職を決めるに至ったまでの体験談。
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ある国連機関のパリ本部で5年半勤めた著者の体験を基にしたエッセイ。役所などからの派遣でなく、一般公募で始まったところに通常なら並々ならないものを感じるのだが、全編通じて感じるのは行き当たりバッタリ感! そこに独特のユーモアがスパイスになって何とも言えない明るい雰囲気が漂う。妙に理屈っぽく考えて先行き悩んでしまっている人には大いに勧めたい。しかし、国連の、日本の役所以上にお役所なところは意外に思いつつも納得感もあり。働きたいか?と言われると微妙だなぁ。アジアの坩堝でキリキリ舞いしている方が性に合ってるかも。
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国連で働くことになった女性の、奮闘記・・・?
機密が多いので、お仕事の内容はよくわからないのですが、(しかたがない)
海外で実際に生活することになった時の様子とか、興味深く読みました。 -
思った以上にお役所的で思った以上に奇怪な職場という印象
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エイヤとアメリカの大学院に行きそのまま就職、日本に帰ってきてコンサルで激務。そんな中で、ふと軽い気持ちで出してみた国連の採用に受かりパリへ。国連のお仕事、採用の仕組み、国によって拠出金や人口の割合で割り当て人数が決まっていて、同国人の枠がすでに一杯ならどんなに優秀でも採用されず、予算は2年縛りで柔軟に使えないので、火を吹きそうな部署に人が割り当てられず、暇な部署に人がいても助けられないという硬直性。組織をよくしようと、もっとリサイクルを!という活動に携わるも様々な壁にぶち当り。そして、中で働く様々な国籍の個性的な職員たち。もっとも日本の小さな都市に住んでるとそう思うだけで、川内さんも書いてるように、彼らは彼らの国の常識にしたがって行動してるだけかもしれないのだ。また、サキーナというレンズを通したパリやイタリアが居心地が悪い、という話にもつながる側面があり。そしてパリ生活もなかなかに大変。部屋は少なく、高く、設備も様々で大家や銀行、役所との交渉、交渉、格闘。パリで知り合った魅力的な人々、アーティストたち。その辺はインタビューしてデビュー作にまとまってるとのことでそちらを読んでみたい(「パリでメシを食う」)。印象的なのはやはり、世界一周の旅人。一緒にフランスの田舎にいっていいなあと思ってたのが、思わず戻ってきてくれて、「そして、旅人は、恋人になった」と。あと、目に止まったシーンを。「リッスン(聞いて)。出張なんかどうでもいいんだよ。人生では家族のことのほうが仕事よりもよっぽど大切だ」「もし、きみが、幸運にも、青年時代にパリに住んだとすれば、きみが残りの人生をどこで過ごそうとも、それはきみについてまわる。なぜならパリは移動祝祭日だからだ」「国連組織のミッションは、「人類の心の中に平和を築くこと」である。しかし、国連で働くこと自体は、果たして職員の心の平和に貢献しているのか」