はじめての哲学的思考 (ちくまプリマー新書) [Kindle]

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  • 筑摩書房
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感想・レビュー・書評

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  • 『生きるとは何か?』のような、答えの出ない問いを延々と考え続け、語り合う、それが哲学なのかなと思っていたがそうではなかった。哲学的思考とは何か、分からないことも多いけど、何が哲学的「でない」か、は少し理解できたように思う。

    特に一般化のワナ、事実から当為を導いてはならない、など「やってはいけない」ことについては、哲学的かどうか、とは関係なく、普段やりがちなことなので気をつけよう。

  • 哲学の本質を理解できた、と思う。哲学の楽しさも。
    仕事でビジネス上の問題を考える時に身役立てられそう。

  • 若人向けなのでわかりやすかった

  • 痛みを否定すべからず
    Free star
    粋の字 TATTOO HEARTS
    Hunter hunter 第3の道 残酷な空想

  • よかった。私が友だちとやりたいことだなあと思った

  • 哲学って難しそうですが、意外と日常で使える考え方なのかもしれません。

    具体的な哲学的思考のポイントも書かれていて、日常に溢れている情報や主張を鵜呑みにせず距離感を考えることにも使えそうだと感じました。

  • 哲学好きの人にも、哲学初心者にもどちらにも得るところの多い良書である。
    そして「欲望相関性の原理」によって、哲学の問いは非常にシンプルに出来るということ、一般的に人気のあるロールズの正義論も偽問題によって混乱しており、むしろ欲望相関性の原理によってこそ、正しい対話が出来るということが非常にすっきり書かれています。
    とてもスッキリするし、超ディベート(共通了解思考型対話)の方法論も載っているという素晴らしすぎる一冊です。

  • 書いてある内容が複雑すぎて、直ぐにはこの本に書いてあることは実践するのは難しそう。ワークブック風に一項目ごとに実践することを書いておけばまだわかりやすかったかな? でも、時期を置いて読み返して理解していこうとは思っている。

  • 要所要所に哲学者の考えを挟みながら、著者が「僕たちは」と分かりやすく言葉で哲学の考え方を説いている新しいスタイルの哲学入門書と言えるのではないでしょうか。
    今まで何冊か哲学入門的な本を読んできましたが挫折した僕でも一定の理解に辿り着けたように思います。

  • ●哲学=もとごとの本質を捉える営み。絶対的真理(e.g.教育はどうあるべきか?)など無い中で、できるだけ誰もが納得することのできる”共通了解”を見出す活動。

    ●事実の世界
     科学が明らかにするもの。物を離せば落下する、DNAは二重螺旋構造、人は恋を
     する時に脳の腹側被蓋野が活性化しているなど。

    ●意味の世界:哲学が探究するのは、真善美を始めとする意味の世界。”善い”とは?
     人間は如何に生きるべきか、など。
     --->意味の世界は真実の世界に先行する。”なぜ人は死ぬのか?”という問いから
       生前死後の物質変化の特定などの考えが生じる。天体観測も星の”美しさ”
       ”神秘性”から始まったもの。
    --->僕らは意味の世界、を生きている。
    --->そしてその意味付けは我々の”欲望”・”関心”が発端となっている。

    ●信念とは欲望の別名である
    ●なぜ人を殺してはいけないか?
     --->自由の相互承認を土台とした社会で生きたいのであればという限りにおいては
       その前提条件(”ルール”)である他人の自由を奪わない(殺さない)

    ●哲学の思考方法
     ・一般化の罠:自分のN=1の経験のバイアス。安易な一般化を慎む。 
     ・安易な二項対立による議論の低次元化:絶対的な答えが無いものを無理に
      1つにせんたくさせること。
      例:教育は子供の為にあるか?国家の存続発展のためにあるか?の2択ではなく
        どの意味では子供のため、どの意味では国家のためか?理想のバランスは?
        という問いこそ意味がある。
      例:我々が生きる絶対的な理由・目的はあるか?
        → どんな時に人間は生きる目的・意義を感じるか?という問がbetter

     ・超ディベート法:A or Bではなく第3のアイデアに昇華
      ・対立する意見の根底にある欲望・関心を整理
      ・互いに納得できる”共通関心”を探る
      ・共通関心を満たしうる建設的な”第3のアイデア”を練る
       ※妥協=お互いが折れることで元の水準より低いところに収まること
        第3のアイデアは両者が納得できる”より共通了解”なものを目指すこと。

    ●不幸とは欲望と能力のギャップである(ルソー)
     --->能力を高める or 欲望のレベルを下げる or ”欲望を変える”
     --->人間の欲望は変わる。これはある意味で希望。Aさんを心の奥にしまいBさん 
       を求めることができる。

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著者プロフィール

哲学者・教育学者。1980年生まれ。熊本大学大学院教育学研究科准教授。博士(教育学)。早稲田大学教育学部卒業。同大学院教育学研究科博士課程修了。専攻は哲学・教育学。経済産業省「産業構造審議会」委員、熊本市教育委員のほか、全国の多くの自治体・学校等のアドバイザーを歴任。著書に『学問としての教育学』(日本評論社)、『「自由」はいかに可能か』(NHK出版)、『どのような教育が「よい」教育か』(講談社選書メチエ)、『勉強するのは何のため?』(日本評論社)、『はじめての哲学的思考』(ちくまプリマ―新書)、『「学校」をつくり直す』(河出新書)、『教育の力』(講談社現代新書)、『子どもの頃から哲学者』(大和書房)など多数。

「2022年 『子どもたちに民主主義を教えよう』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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