世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?~経営における「アート」と「サイエンス」~ (光文社新書) [Kindle]

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  • 光文社
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感想・レビュー・書評

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  • 現代の意思決定はクラフト・サイエンスに偏っており、アートの重みが小さくなっている。また、枠組みに適合しすぎることはevilになる可能性を秘めており、自分の中の軸として"美意識"を持つことが大事だと結論付けられている。途中の論理的思考や最適解を出す技術は誰がやっても同じ状況になっているとあるが、実際のところそこまで突き詰められている人は多くないと思う。しかし、今後現れる課題には論理だけでは解決できない、”直観”が必要になる点には納得がいった。今後、美術作品などに触れ美の感性を磨いていきたい。

  • 夏の三冊目。

    美意識がどうして価値を高めているのか、これからにどう役に立つのか、すごくわかりやすく書かれている。アート、サイエンス、クラフトという観点で組織を見るといろんなものが見えてくる。

  • 山口周さんの本やっぱめっちゃいいな。読みやすいし内容が明快で引き込まれる。
    サイエンス重視の世界、美意識というものを最近までほとんど意識せずに生きてきたなと思う。自分の中に眠る美意識、価値観、倫理観みたいなもの叩き起こさないといけない。仕事の文脈だと論理が求められてその思考で固まってしまっている自分がいる。何かを見てもそれをパターン認識して、効率的に物事を捉えようとしている自分。
    こういうことしている時って心が動かないよね。ワクワクしないってか、心で考えていないかんじ。文字を使ってあやとりしている感じ。
    もっと人間らしい自分を大切に、理論武装だけではなくて、自分の価値観みたいなものをしっかり育んでいきたいと思う。

  • 著者の本にハズレはない。最近、著者の著書を精力的に読み進めているが、毎回、そう思う。本書も多面的な考察と鋭い指摘が論理的に展開され、その論理構成がしっかりしているため、何のモヤモヤ感もなくスッキリ読める。そんな著者が論理とは対極にある「美意識」を論じることが興味深いのだが、その理由は読後に納得できる。感性としての美意識を大事にし「論理と直感」「理性と感性」のバランスを大事にしたいと思った。それと同時に自己の内部規範としての美意識を持つことの重要性を再認識した。

  • P.2020/3/29

  • ロジカル思考が普及してエリート全員が同じ答えを出せる時代、アートの素養こそが突き抜けるための武器。
    個人的にはAI/IoTなどによって急激な変化を続ける現場において実定法と自然法の考えが響いた。

  • タイトルほど軽くない内容の本書。

    ざっくり要約すると、
    現在の外部の物差しを基準にした、論理的、理性的判断では、今後は立ち行かなくなる(もうなりつつある)。
    そのため、今後は、自分自身の内部の物差し(美意識)にし、真・善・美を直観的、感性的に判断するケースが出てきている。(今は、特に日本は、論理、理性に寄りすぎている)
    そして、その自分自身の物差し(美意識)を鍛えるべきである。
    という本。

    色々な角度から、様々な引用を用い、丁寧に書かれている。
    何度も読みたい本。

  • 現代版の 論語と算盤。美意識とは倫理観、哲学という表現の方がしっくりくるかも。言葉のミスリード印象と同著者の劣化するオッサンの、、、方が面白かったので星3つ。

  • エリートにもそうでない人にもサイエンスでビジネスをやっている人達は一度是非読んでもらいたい本です!

    筆者の考える美意識とは、論理的に考えても正解を選べる確率が50%か51%かという問題に対し、超論理的な直感で選択できるようになるための自己基準のことだと思う。このような美意識が必要なのは主に以下の3つの理由。

    1.論理的、分析的な情報処理をすることは究極的には他人と同じ判断をすることになり、その技術が普及した今差別化の消失をもたらす。
    2.自己実現的な消費社会になり、消費者にアピールする美意識や感性が重要になる。
    3.システムやテクノロジーの変化にルールが追いつかないため、美意識(自己基準)が必要になる。

    日本は戦前のサイエンスを忘れ、超論理的な精神論(神風的な)で戦争に突入し敗戦を経験し、そこからサイエンス重視の風潮になった。高度成長時代は人と同じ答えを早く、安く市場投入する事で戦ってきたが、この強みが失われつつある。論理的に考えられるものは考え、そうでないものは直感的に考えるバランスが肝要。

    今の会社は論理的に考え、あとでなぜその判断になったか説明可能な状態(アカウンタビリティー)を、重視するあまり、判断がこんじんまりしたものになったり、スピードが遅くなったりしている傾向は実感しています。

    今後、アカウンタビリティーに囚われすぎる事なく、想像力豊かな選択ができるビジネスマンになれるよう自分の美意識を鍛えて行こうと感じました。

    そのためには色んな人と話し、ビジネス書に限らず色んな本をもっと読んでいこうと思います!

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著者プロフィール

1970年、東京都生まれ。慶應義塾大学文学部哲学科美学美術史学専攻、同大学院文学研究科美学美術史学修士課程修了。電通、ボストン・コンサルティング・グループ、コーン・フェリー等で企業戦略策定、文化政策立案、組織開発等に従事した後に独立。現在は「人文科学と経営科学の交差点で知的成果を生み出す」をテーマに、独立研究者、著作家、パブリックスピーカーとして活動。現在、株式会社ライプニッツ代表、世界経済フォーラムGlobal Future Councilメンバーなどの他、複数企業の社外取締役、戦略・組織アドバイザーを務める。

「2023年 『新装版 外資系コンサルが教えるプロジェクトマネジメント』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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