カササギ殺人事件 下 〈カササギ殺人事件〉シリーズ (創元推理文庫) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 読み始めて、あれ??上巻とは違う本をよんでいるのかな?と勘違いするほど話がガラリと変わった。現代の話になって俄然読みやすくなる。想定していた流れじゃなくて驚く。
    この手の推理小説を読むにあたって英語力のなさや、文化の違いから完全に理解できていないことのもどかしさを感じる事が多い。アナグラムの解読は英語のボキャブラリーがもっとあれば推理を楽しめるだろうか。
    ここが外国文学を完全に楽しめない原因かもしれない。原文で読めるほどの英語力を身に付けたいものだ。

    何はともあれ、後半に至り合点のいく事が出てきてスッキリしてきた。前半の疲れを後半忘れる怒涛の回収劇だった。

  • 上巻の謎解きと下巻の謎解き、両方の謎解きが楽しめる。
    関係性が複雑で一挙に読まないと登場人物が渋滞してしまうが、小説とリアルが関連を持っているので、終盤にかけて面白みが増していく。

  • ミステリーの楽しみ方は人それぞれだと思いますが、私が重視するのは、トリックとその整合性、物語自体の面白さです。
    本書はミステリー7冠という金字塔を打ち立てた名作で、文庫本では上下2巻からなっており、上巻を読み終わった後では、なぜそれほど傑作と称賛されているのか正直ピンときませんでした。そして下巻を読み始めて、下巻の登場人物が上巻とは大きく違っているのにまず驚き、さらにこれはシンクロする劇中劇という趣向だというのに気づきました。時系列的には作者の次作となる「メインテーマは殺人」の書評でも指摘しましたが、作者の描写力と読者への誠実さはこの時点から健在で、この作品はさらに(15年をかけた)構想力という強力な武器まで備えていました。とはいえ、これは殺人トリック(例えば、島田荘司「占星術殺人事件」「奇想、天を動かす」など)を楽しむよりも、作品構想の妙味を楽しむべきミステリー(例えば、カルロス・ルイス・サフォン「風の影」のような)だと思います。もちろん、殺人もあり、しかるべく伏線回収もあり、その謎解きには納得できるものの、ミステリー自体の意外性に欠けてしまうきらいがあります。この点をどう評価するかで、本書のミステリーとしての好き嫌いは違ってきます。
    とはいえ、これだけの話題作ですので、読まない手はありません。ご自身の評価がどうなるにせよ、まずは一読をお勧めします。

  • (図書館)

    ミステリーは期待しない方が。

    上巻はよかったんだけれど・・・。
    上巻の内容はまるっと作中作で、この小説の出版社に勤めるスーザンが実は主人公である。これは主人公があほなのか、翻訳が力不足なのか、スーザンが少し頭がよくなくて不自然な点が多々あり・・・それが伏線なんだもん、なにをかいわんや。
    小説の続きがない!って言って、一番隠してそうな奴が隠してたってそんな結末ありかよ。文庫上巻の前書きのところ絶賛の嵐コメントがわざわざ付してあって、嫌な予感したけど、上巻はそれなりに面白く読めたので期待したのに・・・ミステリーとしてはよく出来てないです。
    五度見くらいしたんだけど、すみません、動機はアナグラムがひわいだったからなの???この辺は時代とかイギリスの文化のせいなんだろうか・・・。ヌーディスト村に行くことの何が問題なの?人のいない森の中で裸で歩くくらいだめなの???これもイギリスの文化的な・・・。
    よく、わからない!!
    ロバートがなんで池に飛び込んだかだって、こっちはなんで?翻訳のせい?何か読み飛ばしてるの?って変に思ってるのよ。こういう不自然を文章でうまくかわしてだますのがミステリーだと思う、少なくとも、日本のうまくできてるミステリーは、そうだ、ぞ。
    あとね、40すぎて彼氏(バツ1)の元カノがいたとか隠されてたとか「お古なのね!!」ってそんなんあるかーいっ!!いやこれもイギリスぶ・・・

    イギリス文化の勉強してきます・・・。

    すごいミステリー、ではありませんでしたが、翻訳は読みやすかったし、登場人物が多彩でそれなりに面白く読めました。連続ドラマにしたらそれなりに面白いんじゃないかな。

  • 上巻を読み終わった時点でカササギ殺人事件というのが、推理小説作品中の推理小説作品という二重構造になっていることを失念しており、下巻を読み始めた時は正直に言って戸惑ってしまった。
    しかし、読み進めるにしたがってその2つが交差し絡み合っている設定にグイグイ引き込まれ、一気に読了した。面白かった!

  • 場面というか次元が転換する。上巻の続きが気になるところで肩透かしになる。メタ的な展開は好きであるが、純粋に犯人探しが好きな読者を惹きつけられるかは著者の腕の見せ所になる。

    探偵ではない人物が私生活を抱えながら推理を進めるために進みが遅い。誰が怪しくて怪しくないかという思考の整理を途中に挟む。探偵の思考スピードについていけない読者にとって親切な説明である。一方で通常の推理小説のスピード感からするとじれったく感じる向きもあるだろう。

    ロック警視について「アランを殺した犯人の容疑者候補に挙げたいほどの怒り方だ」との感想を抱く(228頁)。推理小説では探偵側の人物や警察側の人物は容疑者候補から先天的に外れる前提になっていることが多い。探偵ではない人物が探偵役になることは、その種のお約束を無視するメリットがある。

  • 上巻はあまり面白いと思えず、なかなか読み進められなかったけど、後半になってからは面白かった。

  • 面白かったけど、読み終わるのに上巻を入れると1~2年かかった><。やっぱり翻訳物の小説は、なかなか読む気がおきなーい><。
    ヨルガオ殺人事件はどうしようかな? 続きは気になるけど、また1~2年かけて読むのは苦痛だから、ちょっと続きを読むかは考える!
    でも、読んでて、古典ミステリーを好き、という人の気持ちは分かった気がする。この作品も、読んでて、心地よかった! わたしの大好きなライト文芸だけを読んでたら分からない読書感覚だよね!
    個人的に、わたしは劇中作のピュントさんのお話の方が好きだった! 下巻の主人公さんには、あんまり感情移入、できなかったかなあ。

  • 現実と作中作の両方の真相を追う1冊で2度おいしい作品でした。上巻で作中作のうち、一つの事件の犯人が明かされ、もうひとつは?といった幕引きで下巻に入り、その作者が自殺してしまう。自殺にしては不審な点に気づいた私が、作中作の結末と作者の自殺の真相を追うといった作品。さり気なく開示された証拠を基に論理を組立て、現実でも作中作でも真相に迫ったのは素晴らしかった。殺された作者は想像以上にゲス野郎で、作中作を書いた人物とは思えないくらいであった。それぞれ分けても1つの作品になりえるのに、それを合わせた贅沢な作品だった

  • 上巻は普通のミステリーものでそんなに面白くないかなーと思っていたら、下巻に入ると「上巻は推理小説の中のお話で、結末の原稿がない!」という現代社会に場面が変わり、急に面白くなった。
    現実と小説の類似点、作者の不審死、原稿の行方、そして小説の真犯人…とリンクしていくのが新鮮。
    とは言え、肝心の推理小説の中身がイマイチだし、トリックや犯人もうっすら読めちゃったし…。
    シリーズもののようだけれど、他は読むか迷うところ。

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著者プロフィール

Anthony Horowitz
イギリスの作家。1979年、冒険小説『Enter Frederick K. Bower』でデビューし、YA(ヤングアダルト)作品「女王陛下の少年スパイ!アレックス」シリーズ(集英社)がベストセラーとなる。ドラマ『刑事フォイル』の脚本、コナン・ドイル財団公認の「シャーロック・ホームズ」シリーズの新作『シャーロック・ホームズ 絹の家』(KADOKAWA)なども手掛ける。アガサ・クリスティへのオマージュ作『カササギ殺人事件』は、日本でも「このミステリーがすごい!」「本屋大賞〈翻訳小説部門〉」の1位に選ばれるなど、史上初の7冠に輝く。続く『メインテーマは殺人』『その裁きは死』『ヨルガオ殺人事件』(以上、東京創元社)も主要ミステリランキングで首位を取り、4年連続制覇を達成した。


「2022年 『ホロヴィッツ ホラー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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