『罪と罰』を読まない (文春文庫) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 読書を趣味としている人なら避けては通れない名著中の名著『罪と罰』。んが、必ずしもみんながみんな読んでるわけでは無く、それは作家業を営む人でも例外ではない。まあ当たり前っちゃ、当たり前ですが。そんなわけで『罪と罰』を読んだことがない作家さんたち4人が集まってわいわい「中身の内容を想像していく」というのが本書の趣旨となる。ぜんぜん読まないわけではなく3回くらいページを適当に開いて読むことが出来る、というルールを設けているので、「こんな話なんじゃない?」という”予想”と”答え合わせ”をしていくのだが、これがまあ面白い。作家ならではの勘の良さとか考えすぎとかツッコミがありつつ、ドスト(ドストエフスキー)とラスコ(ラスコーリニコフ)のことをイジりまくるので笑える箇所多数。そして最後はちゃんと全員読了した後に集まって座談会を行っていく。見えてくるのは『罪と罰』の奥深さだったり、「読まない」という行為の”豊かさ”だったりして、まわりまわって「本への愛」みたいなものを感じる本だった。

  • 知り合いに教えてもらいました。
    面白いと聞いて半分の気持ちで読んだけどほんとに面白かったです。
    「罪と罰」誰でもタイトルくらいは知ってる本を読んでなかったりちょっと知っているくらいの人で話し合っててみたらどうなるのか。
    あらすじを話すが、始めは時代が江戸後半あたり。
    主人公が貧乏で強欲な金貸し婆さんを計画に殺すが、その時偶然に来た妹まで殺したことに怖くなってしまう。そのあと関わる女の人と一緒に罪を償っていくすごく簡単に言うとそういう話です。
    それに対して三浦しをん、岸本佐知子、吉田篤弘・浩美の四人で話すと、
    主人公はラスコと呼びニート。女の人はソーニャで教祖様になってる。
    お婆さんを殺すときはスプラッタ。他の登場人物にもそれぞれあだ名をつけたりしてまじめな物語をディスル。
    でも最後は読む面白さだったり大切だったりをおしえてくれています。

  • 三浦しをんさんのツッコミがツボ。
    黒山の人だかりって髪色が黒くないと使えない訳って気がつかなかったなぁ…。
    マメ父とか名前が長いから付けたあだ名が秀逸。

    読後の話も楽しい。

  • 再読。タイトルの通り『罪と罰』を読まずに、わずかな情報からその物語を妄想する真剣な遊びを本にしちゃいました。意外にもいいところまで迫るのがとても楽しくうらやましい。本って読んでも読まなくても楽しいんだな。

  • 最後にみんなで罪と罰を読んで話をするなら、読まずに進めるトークはもっと自由に暴走してほしかったです。ちょっとだけ内容を知っている人が軌道修正しないでほしかった。ただ、このメンバーで感じたことを文章で表現できる人は三浦氏以外はいないのかな?とも思いました。三浦氏の暴走をもっと読みたかったです。

  • 第65回アワヒニビブリオバトル「ミステリー」で紹介された本です。チャンプ本。オンライン開催。
    2020.06.07

  • しをんさんに惹かれて購入。私は『罪と罰』を読んだことがなく、前半の予想妄想の連続に読み方が迷子になりましたが、真ん中辺りから『罪と罰』のストーリーが気になって一気に読みました。後半はあらすじ付きで答え合わせもできてすっきり。メインが予想妄想だと分かりつつも、ドスコさんが故人だからか、めっちゃくちゃ好き勝手言う答え合わせがとても楽しかったです。本の感想のまとめ本は好きですが、ここまで言いたい放題しない(できない)もんなぁ。読まないシリーズ、他本でもやってくれたら買っちゃうんですが、でませんかね。
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    「しをんさんならどこでネタばらしする?」「私なら起承転結を考えて●章の最後あたりでばらしますね」みたいな会話が作家ならではと思いました。読まない読書会、おもしろいです。

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著者プロフィール

岸本 佐知子(きしもと・さちこ):上智大学文学部英文学科卒業。翻訳家。主な訳書にルシア・ベルリン『掃除婦のための手引き書』、ミランダ・ジュライ『最初の悪い男』、ニコルソン・ベイカー『中二階』、ジャネット・ウィンターソン『灯台守の話』、リディア・デイヴィス『話の終わり』、スティーヴン・ミルハウザー『エドウィン・マルハウス』、ジョージ・ソーンダーズ『十二月の十日』、ショーン・タン『セミ』、アリ・スミス『五月 その他の短篇』。編訳書に『変愛小説集』、『楽しい夜』、『コドモノセカイ』など。著書に『気になる部分』、『ねにもつタイプ』(講談社エッセイ賞)、『なんらかの事情』、『死ぬまでに行きたい海』など。

「2023年 『ひみつのしつもん』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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