潜入ルポ amazon帝国 [Kindle]

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  • 小学館
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  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (377ページ)

感想・レビュー・書評

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  • ユニクロ潜入など潜入取材を得意とする横田さんの著書。
    今回は2回目のアマゾンへの潜入です。

    アマゾンの倉庫で働く社員・アルバイトの労働環境の劣悪さ、翌日配達を達成する宅配ドライバーの低賃金・重労働の職場環境が先ず書かれています。

    続いて横田さんは海外取材をし職場環境の劣悪さからヨーロッパなどで度重なるストを起こされているアマゾンの現状を伝えます。
    また、アマゾンのトップに君臨する悪名高きジェフ・ベゾスの果てなき野望と、脱税まがいの租税回避の実情を語ります。

    私は通販は基本的にヨドバシを使ってるのでアマゾンはたまにしか使いませんが、本書を読んで「自社だけが良ければそれでいい」ともとれるアマゾンの態度・行動には眉をひそめざるをえませんでした。
    アマゾンでの買い物が日常化している実情を再考する良いきっかけになる本なのでお薦めです。

  • アマゾン・エフェクトの正体を見たい。
    世界最大の小売企業アマゾンによって今や日本市場は制圧されつつある果たしてその現場で何が起きているのかその実態に迫る作品です。

  • 先に、"潜入ルポ"とありますが、潜入は2週間でページ数の1/3もありません。著者は15年ぶりの潜入で、基本は分かっているため2週間としたと前置きされてますが、15年前ってガラケーの時代だからな!記者が15年の年月をなめんなよ!と言いたい。当のamazonのあらすじにも2週間の記載はなく、amazonを利益主義だとこきおろしているわりに著者の売り方にも疑問があります。内容は、amazonすっごいなぁと。人を人とも思わぬやり口には辟易です。読み応えがあり、タイトルに"潜入ルポ"がなければ素直に高評価でした。

  •  今や押しも押されもせぬ小売業界のトップになったアマゾンだが、その経営姿勢に対しては数々の批判がある。本書を読んだ感想は率直に言うと「アマゾンはひどい」と「アマゾンはすごい」の両方だ。もちろん、ひどいとすごいは両立する。

     労働者と取引先の扱いや税金の逃れっぷりなどはとんでもなくひどくて怒りすら覚えるが、いくら違法スレスレの手口を使ったとしても、顧客に提供するサービスに魅力がなければここまでの成長は不可能だろう。消費者にとって非常に便利なのはまぎれもなく事実だ。

     一消費者として、アマゾンとどう付き合っていくべきか。企業姿勢に問題があることを理由に利用しないのもひとつの答だが、別に違法でないなら気にせず便利に使えばいいというのも間違いではない。私自身、アマゾンにはすっかり世話になっており、この本もKindleで読んだ。本書の著者も、アマゾンとベゾスを批判しつつも利用することはやめていない。

     ただ本書で指摘されているように、誠実さはかけらもない企業であることは間違いない。自分が優位に立てば容赦なく身勝手な要求を突きつけてくる。今でこそその対象は労働者と取引先だが、消費者とて、「アマゾンが無くなったら困る」となった途端に食い物にされる可能性は十分あるだろう。

     常に警戒しながら使うことが大事だ。便利に利用しながら、依存はしない。いつでも離れられるようにしておこうと思う。

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著者プロフィール

横田増生

一九六五年、福岡県生まれ。関西学院大学を卒業後、予備校講師を経て、アメリカ・アイオワ大学ジャーナリズム学部で修士号を取得。九三年に帰国後、物流業界紙『輸送経済』の記者、編集長を務める。九九年よりフリーランスとして活躍。二〇二〇年、『潜入ルポ amazon帝国』で第一九回新潮ドキュメント賞を受賞。著書に『ユニクロ潜入一年』『「トランプ信者」潜入一年』など。

「2022年 『評伝 ナンシー関』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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