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感想・レビュー・書評
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工藤会総裁の死刑判決が出てはや1年だが、今さら映画「孤狼の血 Lv.2」を見て、ヤクザの世界ってどうなってるんだろうかと思い読んでいた。
どちらもヤクザに詳しいジャーナリストの溝口敦と鈴木智彦の対談本。
過去のヤクザが政治やビジネスに大きな影響力を持っていた状況や、それに対して暴力団対策法などの法規制がヤクザに与えたインパクトの大きさと今後ヤクザが衰退していかざるを得ない状況など、歴史を追ってヤクザの盛衰をざっくり理解できる。これに対して新たに「半グレ」が登場していることなども触れられている。
これを読んで、ヤクザが過去には良くも悪くも地域社会の中できちんと居場所があったし、その居場所を守るために法律は破っても「カタギに手を出さない」とか、「組織の中で仁義を守る」とかいった厳しいルールがあって、ある意味統治された社会なんだなあ、と思った。
「教養としての〜」というタイトルは、売れやすくするために適当につけたんじゃないかというような気がするが、内容は薄い。ざっくりヤクザについて語っている詳しい人の話を聞いた、というような感想で、へ〜こんな感じなんだ〜と知ることができる本である。
詳しく知りたい人やちゃんと理解したい人のための本ではないと思う。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
自分の足で情報取ってるライターたちの対談はオモロい。
多分今のジャーナリズムに足りない要素が、この人達にあるんだろうなと読んでて思った。
グレーとかアウトローな世界の人たちの生態が明らかになる事なんて今、全然無いもんね。自分から情報取りに行くような状況じゃ無いと。 -
ヤクザに詳しい2大巨頭による現代ヤクザを語った本。
3つに割れた山口組の再統合が高額な上納金により難しいことは分かった。恐らく今の山口組は山口弘道会ということなのだろう。任侠山口組の上納金が1~2万円というのは確かに安い!
それにしてもこの2人の情報量と人脈は凄いと思う。 -
ヤクザの事あまり知らなかったので面白かった。対談形式なのでサクサク読めた。
思っていたより色んな仕事に手を出していて、漁業の話は特に驚いた。タピオカ屋を営業している事は知っていたが……。原発にしろタピオカ屋にしろ知らない間に日常に溶け込んでいるんだろうなという印象。
フィクションでのヤクザものでは経済ヤクザとして描かれるものも多いので経済ヤクザという呼ばれ方を嫌うという事も意外だった。
また時代の変化も栄枯盛衰を感じて切ないものがあった。
著者の他の本も読んでみたい。 -
箸休め。事情通による、よもやま話。
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「暴力団との関係」って、結局のところ何だ?という疑問を解決するのに読んだ本。
ヤクザに詳しいジャーナリスト二人の対談と言うことで、必ずしも暴力団の実像を正確に描いたものではないかも知れないが、警察、暴力団、半グレの関係性が分かった。
暴力団員が、暴力団と関係の無い勤めで給与を得ても「暴力団の資金源」という扱いになるというのは、追い詰める方法としては有効でも正しいのだろうか?