ペスト (中公文庫) [Kindle]

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  • カミュの『ペスト』が売れているようですが、敢えてのこちら。
    デフォーの『ペスト』です。『ロビンソン・クルーソー』作者のデフォー。
    1665年(日本でいうと江戸時代。4代将軍の頃)、ロンドンで蔓延したペストについて、資料を基にしながら書いた、かなりリアルな作品。
    350年も前の出来事とは思えないくらい現代と同じような状況、現代に通じる提言。
    付箋をつけ始めたら、止まらない。

    最初はほんの数人の病人が死んだだけだった。
    しかし明らかにペストであるその死人を見て、一瞬恐怖に陥った当時の人たちは、その後に続く死者がなかったので、いつの間にかペストの恐怖を忘れていたのだか…数カ月を経て再発したペスト禍は、あっという間にロンドンを席巻したのだった。

    目端がきく人で、疎開先をもつ人たちは早々にロンドンを離れていった。
    ロンドンを離れることができない人たちは、ひと月分くらいの食料を買い込んで、極力外出をしないようにした。
    ロンドンを離れた人たちは、残された人たちの福祉のために使うようにと、市当局にお金を預けてから出発した。
    ロンドン市長の対応は早い。

    『悪疫(ペスト)流行に関するロンドン市長並びに市参事会の布告。一六六五年』
    誰が何をするのか、何をしてはいけないのかを事細かく定めたこの布告の中に宴会禁止もあった。

    ”(宴会禁止)
    すべての饗宴、特に当ロンドン市の商業組合の宴会、料亭、居酒屋その他の飲食店における酒宴を、追って別命あるまでいっさい厳禁する。かようにして節約された金銭は、悪疫に見舞われた貧乏人の救済と福祉とのために貯蓄され使用されるべきものとする。”

    一人でも病人が出た家は、健康な家族も含めて30~40日間隔離される。
    見張り人を置いて、誰かがこっそり外出しないように厳重に見張られるのだ。
    それでも、ペストは拡大していく。

    ”全体的にいって家屋閉鎖ということが悪疫の伝染を食い止めるのに相当な効果があったかどうか、これは今日でも疑問視されている。(中略)つまり、感染は知らず知らずのあいだに、それも、見たところ病気にかかっている気配もない人たちを通じて蔓延していったということである。しかも、その人たちは、自分がだれから病気をうつされ、まただれにうつしたのかもまったく知らないのであった。”

    まるで現代のコロナのようである。
    そして、すごく長いがどうしても紹介したいのが、以下の文。

    ”さきに、急激な(死者の)現象が最初週報に報じられるとともに、もう大丈夫だ、という考えがいわば稲妻のように瞬時にロンドンじゅうに広まり、人々の頭はそれにとりつかれてしまった。その結果、その後二回分の週報に現れた死亡者数は割合からいって一向に減じてはいなかったのである。つまりその理由は、彼らが今までの用心も注意も慎重さもことごとくあげて捨てさって、もう病気にはかからぬ、かかっても死ぬことはない、と高をくくってみずから危ないところに飛び込んでいったことにあったようである。
     医者たちはもちろんこういうあさはかな考え方に対して全力をあげて警告した。そして心得書を印刷して、市民はもちろん、郊外にいたるまでくまなく配布し、志望者は減りつつはあるが、まだなお自粛生活をつづけてもらいたい。平生の日常生活においても極力用心を続けてもらいたいと勧告した。もしものことがあれば、全市にわたって疫病の再燃の恐れがあり、再燃したあかつきには、今まで蔓延してきた流行とは比較にならぬほどの惨禍と危険を及ぼすことになる、と警告も発した。(中略)
     しかし、そのような努力も全然効果はなかった。最初の朗報に有頂天になり、死亡者数の急激な減少を見て欣喜雀躍した連中は、もうすっかり大胆になっており、今さら何をいっても受けつけようとはしなかった。何と説得しようとしても、死の危険は去った、ということ以外には何も理解しようとはしなかった。まったくの話が、彼らに話をするのは無意味というほかはなく、これこそまさに馬耳東風であった。店は開く、街頭には出る、商売はする、やって来る人とはだれとでも話をする、という具合であった。”

    デフォーは、ロンドンの商業的な中産階級の人で、『ロビンソン・クルーソー』は経済小説として書かれたと言われている。
    その彼が、経済よりまず人命と言っているのだ。

    そして、これは彼が体験したことの備忘録だと思って読んでいたのだけれど、デフォーはこのとき5歳。
    当時の資料を調べ、もしかしたら生き残った人たちから話も聞き、臨場感あふれるこの作品を書いた。
    後世の人たちが、これよりましな対処をすることを信じて。

    今読むべき本だと思いました。

  • ノンフィクションかと勘違いさせる緻密な書き込み。今回のコロナ禍を見るにつけ400年経っても人間、世の中大して変わってない。

    もちろん科学は進歩したので、ベストのこともそれなりに解明されて、今の常識で判断するとおかしな所もあるのだが、人々の行動や考え方は今現在の人とそんなに変わらない。

    カミュのペストより現代的が売り文句だった気もするが、ある面ではそうだろう。ただ作品としてはカミュの方が遥かに優れていると思う。

  • 目に見えないということが、まるでこちらを試しているみたいだ。

    細菌もウィルスも、目に見えないということでは常に変わらず、常にそばにある、人類と共生している存在だのに、日常においては意識されないものたちが、一度その存在を露わにすると、たちまち平常というものが成り立たなくさせてしまう。いったい、当たり前とは何であるのか、そう捉えて、焦点を適応させるように振る舞ってもよさそうなものなのに、それはままならない。いま、世界中で影響しているパンデミックが招いた状況から導かれている現実が、それを示している。


    世界史に記録される大規模な疫病の発生が、歴史と文化の進展に大きな因果を齎した。

    14世紀から起こり17世紀に至るまで、ヨーロッパで猛威を奮ったペスト(黒死病)は人口の約3〜6割を死に至らせるという測り知れない打撃を与えた(疫病のはじまりは中国起源と言われており、中国においても人口を半減させた。貿易によってヨーロッパに運ばれ、まさにパンデミックとなる)。齧歯類の持っていた病気をノミが媒介してヒトに感染させる。リンパ腺を犯す線ペスト、さらに進展すると致命的な肺ペストとなり、飛沫等感染によってヒトからヒトへの伝播が繰り広がっていく。北里柴三郎たちによって発見されたペスト菌が原因であること、抗細菌薬も作られたことで、パンデミックとなるような感染症とはなり得なくなってこそ、それが齎す状況や必要となる対策が、正しく捉えられているいまだ。


    あたかも、突如として始まった。最初の感染者の死亡から、連続して継続して、そして、着実に拡がっていく。逆らうことのできない圧倒的な結果を齎す何かが、何故かを掴めないまま、ひたりひたりと存在を露わにしていく。止める事ができない状況が、世界に確かに影響し、これまであった日常を決定的に犯していく。目に見えないということが、人間が一体何を見ているのか、何を見ようとしているのか。そして、何が見えていないのかということを炙り出すように、目の前に迫った死という結果を持って、ヒトとその社会に覆い隠されているもうひとつの現実というものを見せてくる。


    デフォーが生まれてすぐにロンドンを襲ったペストの齎した状況を、残された確かな記録(数字や著述)を具に露わにして、状況に飲み込まれた1人のロンドン市民という存在を通して描ききることで、ヒトというものが対応し生きた現実を描き出した。


    死亡者という結果のプロットによって、ロンドンの中を遷移していくようにその被害が移動していく。流行の兆しから、爆発的に増加していく死者の数字。迫りくる脅威に対して、脱出を図る市民たち。経済的な状況から脱出を出来る人間と逃れられない人間。状況に対して、知り得る限りの推定を働かせ、最適と思われる対応を取る者。信仰というものに引き寄せられて、感情的な観念的な世界によってしか自分というものを振り向けられなく者。行政は、罹患した者をその住居ごと閉鎖し閉じ込め、監視者を立てて封じ込めを図る。道端で唐突に死に倒れた屍が重なり、それを片付けて歩く死体運搬車が行き交う。大きく開けられた墓穴に無造作に投げ込まれ、積み重なる死体たち。そんなものたちが繰り広げられることがそれも日常になって、その当たり前のなかで、また状況に適応した自分というものを作り出していく人間たち。事実というもので綴られる現実は、圧倒的でありながら淡々としていて、そして静かに繰り広げられる。

  • 挫折

  • あー、もう、ダニエルデフォーのおかしいくらいの几帳面さに脱帽する。コロナで混乱している現代を理解する方法を教えてくれる。

    しかもこれが400年くらい前の話だと言うから驚く。

    ペストの混乱の中、混乱・狂気が入り乱れる中で、
    神に祈り、家族を守ろうとした人たちの話。
    人々が紳士・真摯であり、誠実にその勤めを果たそうとした役人や医師の話、知恵を使って、テントを張ったり小屋を建てたりしながら、ロンドン郊外に逃れた3人の男の話、
    いずれもむちゃくちゃおもしろかった。

    どのような制度を使ってペストから市民を守ろうとしたか。
    (封じ込めとか、貧民を番人につけるとか、街の死体はすぐさま撤去され街は清潔を保たれるとか。)

    この執拗なまでに正確な表現にこだわる価値観を読むにつけ、イギリスすごいなと。

    しかも、これが400年以上前の話だというから驚く。

  • !死亡週報で死因を疫病以外のものにし、疫病の蔓延を市民が認知することが遅れたことが、パンデミックの要因となった。p12

    ・まだ病勢がそちらの方面で激しかった時でも、商用とあらばやむをえないので、時々私はその危険区域へも出かけていった。他の人もそうであろうが、特に私はこういったありさまが初めての経験だったのでいろいろ見て廻った。が、なかでも、いつもなら人込みでごった返している通りがほとんどみながらんとしていて、人影もまばらなのにはびっくりしてしまった。p34
    →おんなじ。

    ・しかし、それだけならまだしものことだが、市民の恐怖は、当時の謬見にたたられて、ますます途方もないものになっていった。いったいどういう考えからか、私にもさっぱり見当もつきかねるが、彼らは、ほとんど空前絶後といっていいくらい、予言を信じ、星占いを信じて、夢占いを信じ、巷間の俗説を信じていた。p42
    →これもおんなじ。SNSがあるかないかの違いなんだな。
     p44にも夢占いだったり、聖なる声を聞いた人たちも現れ出した。しかしそれらはちょうど疫病が流行り出す前のこと(疫病が出ていたセント・ジャイルズ教区以外の教区での話)であった。p46
    →目の前に本物の脅威が迫る前の方が、色々考えて怯えるんだろうな。
     みんなで共同幻想を見たりp47、牧師も市民の不安を煽ったりp52、そして終いに市民はたちの悪い占いに頼るようになった(街中に占いの広告や伝説的魔法使いのアイコンが見られた笑)p54。そして彼らは商売のために余計に人々の不安を煽ったp55

    ・一般大衆の狂気ぶりを遺憾なく発揮したのは、彼らがいかさま医師や香具師や怪しげな薬を売っている老婆の後を追っかけ回して、色々な薬品を手に入れようと奔走したあのざまであった。p61
    →こっちでもなんか薬が買い占められたり、納豆の買い占めとかは酷かったな。

    ・呪文の書いた紙切れを持ってさえいれば、絶対にペストにかからないと言われた、p67
     ←そしてもはや、この罪は主としてだまされる側の人々にあった。p66

    ・感染者が出た家屋を早期に閉鎖したことが、疫病を阻止するのに効果的だった。
     この家屋閉鎖というのは1603年の悪疫流行の際にも行われた方法で、今回はそれを参考にした。
     ロンドン全体で1週間の死亡者がほとんど1000人になろうかという時も、市内の死亡者を28人に抑え、感染期間の被害を軽微にしたのは、実にこの強行手段によるものだった。p75
    →人との接触を減らさないとな。

    ・市長の命令p76-87
     ペストが出た患者の隔離(最低1月)や家庭の閉鎖、消毒。移動のルール。
     監視人や医師などの割当、その役割の明示。
     埋葬のルール。
     街路清掃や家畜の処理。
     放蕩無類の徒(乞食など)の取り締まり、有害無益な集会(芝居や宴会)の禁止。飲食店は21時に閉店。
    →細かくルール決めてた。しかも今とあんまり変わらん。対応は同じなんだな。
    ←しかし、隔離のあまりの厳しさに、監視人の目を盗んで家から逃げ出すものや、家族に病気の兆候が出他とあれば、検査人が来る前にすかさず家を離れる家族がいて、それがかえってペストの蔓延に加担した。p102
    ←これらのために、かえって家屋閉鎖は有害だったと言えるp132

    ・著者の考えるペスト感染拡大の原因p137
     ①奉公人を通して広まった。
      奉公人は命ぜられるままに町中を駆け回り、生活必需品を買いあつめたからである。
     ②ペストハウス(避病院)がロンドンにひとつしかなかった。
      ひとつの病床に患者を2人寝かせるとか、同じ病室に病床を2つ置くなどせず、さらに収容人数の多い病院がいくつかあれば、ここまで感染拡大しなかった。
      病床がひっ迫しなければ、家屋閉鎖など極端な政策を施行する必要もなく、つまりは家屋閉鎖の恐怖に伴う家族の避難が原因の、感染の拡大は起こらなかったのだ。
    →感染拡大の原因は、接触機会の多さと病床のひっ迫。今とおんなじだ。コロナも、もし今後病床がさらにひっ迫したら、もっと感染が拡大する状況になるかもしれない。
    ←p144にも、買出しがロンドン市破滅の大きな原因だと強調されている。

    ・市民全体の怠慢ぶりも、感染拡大に拍車をかけた。
     ペスト流行の注意なり警告がずいぶん前から発せられていたにもかかわらず、日用品の買いだめをせず、だんだんと病気に慣れてくると平気でお互いに往来をするようになった。しかも相手が現に病気にかかっていると知っていて往来する始末。p140

    ・ロンドンがペストに不用意千万だったことに関して、貧民救済の為に何ひとつとして取るべき手段を考えていなかったことが当てはまる。
     貧民が生活を維持するために必要な食料が貯蔵されていれば、あんなにまで虐げられた、おびただしい悲惨な貧民を出さなくても済んだ。p171
    ←のちに多額の寄付や救血金があり、それを市長や市参事会員が分配することで市の壊滅は免れた。p174
    ←工業者や貿易商や商人が次々と解雇になったp175
     多額の救血金がなければ治安の維持はままならなかったであろう。
    →弱者を救済する宗教の思想があってギリギリ保ったようなものか。日本だとどうなんだろうか。

    ・また、監視人や付添婦に多大な人手を要したため雇用が確保され、また8月〜10月の中頃にかけてペストがおよそ3万〜4万の貧乏人の命を奪ったことで、ロンドン市は負担が軽くなり暴動が起きなかった。p180

  • 【デフォー『ペスト』:感性と常識】
    ダニエル・デフォーの『ペスト』を読んだ。デフォーって誰?『ロビンソン・クルーソー』の作者だよ!おお…そっか。
    デフォーの『ペスト』は、1665年のイギリスのペストの大流行を描いた、ルポルタージュ…と思いきや、フィクションなのね、これ!!

    ものすごく克明に、増えて行く死者の数とか、どのエリアからどのようにペストが広がっていったか、市民や政府はどのように振る舞ったか、医者は何を言ったか、などなど、微細に淡々と網羅するように描いているので、ノンフィクションかと思ったら、デフォーが5歳の時に体験したペストを、60代になって書いたもんだったわ。

    すげーーーーー

    とは言っても、小説としては面白くない。と思う、多分…。コロナ流行ってないなかで読んでも、「つまんねー」って思って読み飛ばしまくっちゃうと思う…

    今読むと面白いのは、伝染病ってどういうものか、まざまざと体験してるからよね。そして、時代を経ても人間って変わらんなぁ…と笑ったり嘆息したり。同時に、「医者も政治家も私たち市民も、みんな先にこれ読んでたらちょっとは賢く振る舞えたんじゃない!?」って思うよね。

    興味深かったのは、18世紀を生きる作家(であり商売人であり、スパイ?だった)デフォーのうちに存在する、「敬虔なクリスチャン」と「科学的であろうとする態度」の混在。

    イギリス国教会派の立場で描いたフィクション(実際のデフォーは非国教会派)ということもあるのかもしれないけど、いやいやそれを超えて、節度と良識ある振る舞いを褒め称え、悪意ある行いを憎み、神のご加護を口にする。一方で、疫病の原因を天体に求める説は荒唐無稽と退け、ペスト専用病院が一つしかなかったことを失策と非難し、飛び交う医師や学者の諸説を、自分の実体験からふるいにかける。
    (ちなみに、すでに未発症者からも感染することやその潜在期間は2週間程度であることをデフォーは見抜いている。)

    しかも、かわいい人だなと思うのは、ところどころに描かれる、愚かな振る舞いに対して「実は私もそうだったのである」との告白。
    …なんかこの人、むちゃくちゃ素直でいい人だったんだろうな…

    最近私は、大衆作家というか、広く大衆に受け入れられもてはやされる芸術家についてつぶさに分析する機会を持っているのだけど、この「類いまれなる空想力」と「まったく当たり前な、常識的なものの見方」、この二つが絶妙な、しかもその人ならではの感性を持ってバランスしている時に、素晴らしい作品が生まれ、一世を風靡するんだなぁと実感している。(いわゆるハイ・アートな、生活破綻型の芸術家は違うけれども、そういう人は大概生きている間は不遇だ。)

    5歳の時のおぼろげな記憶を、今そこで見てきたように生き生きと活写する想像力と、小市民と言って良いほどの良識。この人が、『ロビンソン・クルーソー』の作家として大成功する(書いたのなんと59歳!)のはとても納得がいく。

    ところで、デフォーの描く、「疫病終息後のロンドン」は。

    まず、疫病の力が弱まってきたとき、まだまだ新規感染者も死者もいるのに、「すこぶるせっかち」に「自分の身の安全のことも病毒そのものももはや眼中になくなってしまった」。で、「死んだ者も多かった」。

    9月に最初の噂を聞いてから、12月にはロンドンで流行が始まり、春、夏を越えた(エリアにもよるが8月がピーク)ペストは、クリスマスを越えて終息していく。

    「ロンドンが新しい相貌を呈するようになったのだから、市民の態度も一変した、と本来ならばいいたいところである。(略)しかし、(略)市民の一般的な生活態度は昔通りであって、ほとんど何の変化も見られなかったのである」。

    あらー。残念。
    「死を目前に控えた場合、立派だがそれぞれ違った立場を持っている人も互に融和し合う可能性がある」と、夢見ていたのにね。

    ほんと、デフォーはそのことを生涯夢見ていたんだなぁと思うよ。


    …コロナが終息したあとの私たちがどのように振る舞うか、学びを生かせるか生かせないか。私たち次第ですな。

    夢を見つつ、現実を生きる。私らしいバランスを持って。
    それは芸術家の昇華とは違うかもしれないけれど、充足した生を全うするうえではとても大切なことだと思う。

  • 初版1973年:香港かぜ(50万人)の5年後。
    改版2009年:A(H1N1)pmd09(28万人)の年。
    改版2刷2020年:COVID-19(24万人以上)の年。

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著者プロフィール

1660‐1731。イギリス、ロンドンの商人の子として生まれる。著作家、ジャーナリスト。代表作『ペスト』、『ロビンソン・クルーソー』。

「2020年 『新訳ペスト』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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