環境問題の噓 令和版 [Kindle]

著者 :
  • エムディエヌコーポレーション(MdN)
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感想・レビュー・書評

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  • 環境問題の胡散臭さ、各種利権が環境問題を大きく歪めていることを、歯切れよく過激に解説した書。頷けることが多くて、読んでいて小気味良かった。2020年10月発行。

    著者は "人為的地球温暖化説" を、「確かに、ここ一〇〇年で地球の平均気温は約摂氏〇・七℃上昇したが、二一世紀に入り平均気温は全く上昇していないのだ。CO2の排出量は二一世紀になっても増え続けているのだから、CO2が温暖化の主たる原因だという説がおかしいのは素人でも分かる」とバッサリ切り捨て、むしろ、「ここのところ、太陽の黒点数は少なく、特に二〇一八年頃からは一〇個以下で、この一年間はゼロかゼロに近い日々が続いており、地球温暖化より地球寒冷化を心配したほうがよさそうだ」と書いている。

    個人的には、CO2等に多少なりとも温室効果が認められるのであれば、その効果で寒冷化が相殺されればいいなあと思っているんだけどな。

    また著者は、「環境問題のほとんどはグローバル・キャピタリズムの副産物」であり、「人口が右肩上がりで、エネルギー供給力も右肩上がりを前提条件とするグローバル・キャピタリズムは、キャリング・キャパシティ(環境収容力)が有限な世界では、いずれ破綻せざるをえない」と書いている。その根本的な解決策は増えすぎた人口を減らすことなのだが、「今の資本主義のシステムでは、人口を減らすと、グローバル・キャピタリズムが瓦解してしまうので」受け入れらず、先進国はむしろ人口減少をいかに食い止めるかに血道を上げていてる。

    人口減少を食い止めるのではなく、人口が減少しても維持できる社会にしていくべきなんだよな。問題設定が間違っていると思う。

    環境問題について著者は、資本主義に反旗を翻し、「農村に移り住んで、ダンバー数以下の物々交換コミュニティを作って、なるべく貨幣に頼らずに生活すること」を提案している。興味はあるけれど、田舎に移り住んで物々交換の自給自足生活を始めるなんて、都会暮らしのサラリーマンに果たしてできるのかな?? 濃い近所付き合いの煩わしさを考えるとなあ。もうちょっとハードル下げられないかな。

    SDGsにしても脱炭素社会にしても、もはや大きな潮流になってしまっていて、生き残るにはもはやこの流れに乗るしかない(抗ってもしょうがない)。ただ、化石燃料もいずれは枯渇するのだから、(著者のお怒りはごもっともなんだけど)利権絡みでカーボンニュートラルやグリーントランスフォーメーションが推進されること自体は、まあ悪いことでもないのかなあ。

  • SDGsを筆頭にある現代の環境問題等について、その背景にあるものを掘り下げて論じられています。なぜ地球温暖化が問題視されているのか、ニュースに取り上げられているのか、過去にあった環境問題とそこから生まれたものを調べることで、今の世の中で起こっていることが見えてきます。ペットボトルの分別や、遺伝子操作で作られた大豆、福島の原発のことなど、ちょっと冷静になって調べれば、ほんとうに危ないことが分かり、そこを避けるだけのことだということ。ニュースに踊らされて冷静さを失い、短絡的に全部だめという思考に陥ることの意味の無さと危険に気付かされます。ただちょっと著者の主張にも素直に首を振ることも躊躇われる部分があって、結局は自分自身でよく考えるということかと思います。

  • 納得の一冊。温暖化は自然現象。

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著者プロフィール

池田清彦(いけだ・きよひこ) 1947年生まれ。生物学者。

「2020年 『ポストコロナ期を生きるきみたちへ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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