未来は決まっており、自分の意志など存在しない。~心理学的決定論~ (光文社新書) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 過去の自分の選択に悩み、後悔してきた。あの時こうしていれば、なぜあの時ああしなかったのかと。そして再び同じ事態に直面し、苦しんでいた。そんな時、カーネギーの『道は開ける』を読んで、「そはかくのごとし。かくあらざるをえず」という言葉に出会った。その選択をした時は、人に相談したり、自分なりに悩み考えて、最善と思う選択をした、もしくはその選択をせざるをえなかった。あとになってああでもないこうでもないと言うけれど、その時の自分にはその選択しかできなかったのではないか。そう思っていた時に、書店で著者の『僕という心理実験』を見つけて興味をもち、先に出版されていたこの本を読んでみた。まさに考えていたことが書かれていた。人間に自由意志などなく、全てはあらかじめ決まっている。物理的な世界や他人の心が存在するかどうかは証明しようがなく、すべては自分の心の中で起きていることである。胡蝶の夢が腹落ちした。なるようになる、ケセラセラという言葉とも通じる考えではないかと思う。

  • 「未来は予測可能である」ということを真っ向否定する一冊。

    そのための根拠を色々上げており面白かった。
    そして自分は運命論に肯定的なので素直に読めた。

  • 心理学をベースに様々な視点から「決定論」について考えた本。

    決定論とは、人間の意志や行為はあらかじめ決定されているという考えのこと。

    自由意志とは幻のもので、私たちの行動はあらかじめ決められたものなのか。このことを深く考えさせる本です。

  • 脳科学や心理学の観点から決定論を説いた……とみせかけて、著者の実存や趣味の話が存分に語られる。

    理系の科学者が、本人の実存や人間性をからめながら、研究対象を記す本って、以前は寺田寅彦をはじめ、たくさん出ていたように思うのだが、最近は減っているように感じる。社会の専門主義、エビデンス信仰が背景にあるのだろう。実存についての語りにはなんのエビデンスもなく、科学的真理の前では無価値であると思われているからだ。ただ、そのことは科学についての語りの貧しさにつながる。

    その点、本著は、専門分野に関係ない部分にこそが豊かだ。なぜ著者が決定論を信奉するにいたったのかを語るくだりは、信仰告白のような壮絶ささえある。このような本が増えることが、科学を周知する上で重要なのではないだろうか。

  • 自分の意志があるなら、その意志を作ったのは誰で、そしてその意志を作ったのは誰で・・、と永遠に続く。行き着く先を神。そう考えることができる。そして、決まっているから何もしない、ではなく、自分には何かをして楽しむことが決まっていると考えて、日常を楽しむ、ということに向けて、やっていこう。

  • 人生はプロレスと同じって話し
    ある程度の台本と結果が決まってるからといって、じゃあそのもの自体に意味がなくなるかとというとそうではないし感動する人もいれば興奮して熱狂する人もいる。
    結果が分かっているからといって無価値になることはなく自分がどう思いどう感じるか
    大事なのは観る人がいないと存在としては認めなれないし、プレーヤーがいないと成り立たない
    人生そんなもんという話しでした

  • 個人的に本書の内容が私にハマったと言える。AIによって心は再現出来るのか?我々の知覚出来る世界はほんの一部でしか無く、万人が同じ様に感じているとは限らない。時間とは何か?本書で投げかけている疑問は未だに科学的に証明されていない部分が多く、また、そんな問いを考えているだけでとても不思議な気持ちになりとても楽しく感じる。

  • ちょっと難しかった

  • 「もう本当に未来は決まっているよなぁ」という、隠しきれないこの世の真実がいつも心の基盤にあって、でも本当に、だからと言って、人生が面白くないわけではないのよね。
    だから、この本に書いてあることは、すべて納得です。
    答えはいつだって出ている。自分の決めたことを確認していくだけ。でも、その確認がまた、意外だったりして面白いし、すべては変化の中で流動的に起こるから、先読みできないし、無数の縁が絡み合って、色んなことが順番に起こるだけ。だから感動も失望もある。失望しても、それが悪いことではなくて、おかげでかなり成長できたりする。
    未来は決まっているけど、それでも、人生ほど、楽しめることってないのよね。
    そして、本の中に出てきた、著者が参考にされた本にも、非常に興味を持ちました。読んでみます。ありがとうございます。

  • トンデモ本だと思って読んでみたけど、色々な哲学者の言葉だったり実際の実験が引用されていてまさ面白かった。

    全ては神によって決められている!とまで行かなくても、
    虐待をしている人の8割は虐待を経験している。だったり虚言癖の人の全島皮質は22%普通の人より発達してる。
    みたいな意見は面白かった。

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著者プロフィール

九州大学大学院芸術工学研究院准教授。心理学博士。オーストラリア、ウーロンゴン大学客員研究員、東京大学Intelligent Modelling Laboratory特任研究員を経て、現職。著書に『おどろきの心理学 人生を成功に導く「無意識を整える」技術』『未来は決まっており、自分の意志など存在しない。心理学的決定論』(共に光文社新書)

「2022年 『漫画 人間とは何か?』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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