コンビニ兄弟2―テンダネス門司港こがね村店―(新潮文庫nex) [Kindle]

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  • コンビニ小説シリーズ第二弾。前作に引き続き、同じコンビニを接点とした心温まる短編集。前作中の登場人物がそれぞれに主人公となり、既出の登場人物や新たな登場人物が絡んで展開していく。また、続編を示唆するような記載もあり、更なるシリーズ化が楽しみ。

  • 3巻への復習再読!性懲りも無く泣いてしまったよね…。志摩が美月に挨拶するところ。涙腺が…。゚( ゚ ◜ᵕ◝ ゚)゚。どうしてこんなに温かい気持ちになれるんだろう。1巻の登場人物たちの成長がうかがえたり、キャラの心情にグッときたり。ああ、良い。
    光莉さんのキャラも好きなんだけど、こういうコメディ寄りのお話ではツッコミ気質の脇役キャラ、大好きなんだよね。地味に廣瀬くん推しです。イチオシはツギですが。

  • 変わらず優しい空気感で構えず読める。
    美月さんが次のステップに進めて良かった。次が気になる終わり方だったから早く読みたい。

  • コンビニ兄弟シリーズ第2段

    テンダネス門司港こがね村店の
    フェロモンだだ漏れの名物店長や
    癖の強い常連客たちを中心に

    今日もテンダネスは優しさと愛がたくさん!

    前作の登場人物のその後の話もあって。
    3作目も楽しみ

  • 今回は店長のフェロモンの見せ場が少なめ。廣瀬くんと店長のやり取りにクスッとなった。 3編だけだったが、どれも良かった。美月のこれからが気になる。学校は違うが梓とまた友達に戻れる日が来そう。そして最後に出て来た悪女。期待してしまう。 うちの近所も出て来るし、出てくる場所の殆どに馴染みがあるのに、テンダネス門司港こがね村店に行ったことだけないのが残念。廣瀬くんがバイトのときに行きたい。

  • 2022ヨミゾメ。
    テンダネス門司港こがね村店を鎹に繰り広げられる人間模様の妙が前作に引き続きよかった。
    エピローグで強烈な伏線がはられてたので3も出ると思う。
    「恋の考察をグランマと」の祖母と孫の関係が不器用だけどすごく温かくて素敵だった。

  • また泣かされました。
    誰でも悩みを抱えて生きていて、他人を傷付けて生きているかもしれない。辛くて逃げ出したい時もある。
    それでも、救われる瞬間がある。大丈夫。みんな優しい。そう語りかけられているような感じ。
    特に「クィーンの失脚」に登場した志摩ちゃんが大好きになりました。3巻にも登場しているといいな。

  • 一作目はエンターテイメントに振り切って、作者が楽しんで書いていたような感じ。
    二作目は、もう少し個々のキャラクターの心の機微に踏み込んだ内容になっていた。
    自分としては二作目の方が好き。
    もちろん、一作目を読んでいればこそではあるが。
    3篇しかないのが残念だけど、次作に期待。

  • 九州だけに展開するコンビニチェーン”テンダネス”。
    魔性の男である志波三彦が店長の、門司港こがね村店で起こる少し変わった日常が描かれています。
    あくまで主人公はコンビニ!それを取り巻く人々の物語、というスタイルは今作も変わりません。

    ●プロローグ
    三彦にどうしても会いたい大石和歌と、彼女のことが好きな幼馴染のマキオ。数ページのお話ですが、フェロ店長の周りを惹きつける異常さがわかるには十分な物語となっています。

    ●第一話 恋の考察をグランマと
    「好きな子ができた」と彼氏から別れを告げられた詩乃、いきなりオシャレになった祖母満江の話。満江の変化は、もちろんテンダネスの店長によるもの。もともと佐賀でひとり暮らしをしていた満江が門司港に来たのは、田畑を売って住宅ローンに充てさせてくれと詩乃の両親に頼まれたから。
    コンビニを通し心の距離がぐっと近くなったことで、一番理解し合える存在となった二人。家族間の問題はあれど、これからは前向きに、ハッピーに乗り越えていけそうな予感満載の爽やかな読後感です。

    ●第二話 廣瀬太郎の憂鬱
    志波兄妹に振り回されるアルバイト・廣瀬くんの話。
    ツギや樹恵琉との交流が続きそうで、これからの活躍が楽しみです。あの兄妹に好かれていることを除けば、いたって普通の人物です…。

    ●第三話 クイーンの失脚
    1巻第三話「メランコリックないちごパフェ」で登場した自分勝手な正義感を振りかざしていた村井美月が主人公。
    幼馴染が去っていった後の話が描かれています。
    立場が逆転してから気がつく、自分の愚かな行動。孤立していく中寄り添ってくれたのは、同じクラスの”不思議ちゃん”栗原でした。
    梓のときもそうでしたが、今回もコンビニが縁となり、二人を結びつけてくれます。女子のねちねちとした描写が続いていたので、栗原が美月を守ったシーンには泣かされました。
    栗原美月に言った言葉がとても心に残っています。

    ”呆れるって、知ってるつもりだったひとが使う言葉なんだって”
    知っているつもりなだけで本質を分かっていないひとが、思い込みでそのひとを見ていた人が、その言葉を使うんだって。


    「呆れる」って、たしかに言われた側は突き刺さる言葉ですよね。でも呆れるほど、あなたは私の何を知っているの?と思います。
    そんな言葉でそのひとの行動を終わらせないものだと、考えさせてくれるエピソードでした。



    エピローグでは、テンダネス門司港こがね村店で新たなトラブルの風が吹き込んでくるようで。
    ドキドキしながら、続編を楽しみに待ちたいと思います。

  • 「コンビニ兄弟シリーズ」第二弾ということで、
    前作に続き門司港にある「テンダネス」を中心にして
    ここに集う人達の人間模様を描いた作品です。

    今回のテーマは「恋」となっていますが、
    三話しか無いですが主人公はどちらも高校生が主役となっている物語なので、
    話題や会話が学生らしいものが中心となっているので、
    悩みも学生生活から恋愛、友達などと思春期らしい悩みとなっていて
    甘酸っぱいような世界観が漂っていました。
    けれどその悩みを解決してくれるのは、
    仲の良い友達だったり、家族もありますが、
    一番理解してくれたのは同居して間もない祖母だったり、
    コンビニに集まる年配の人だったりと意外な人からの
    アドバイスが力となっている所が心温まりました。
    特に一話での祖母からの優しい言葉が心に響きました。

    文中にあった
    「大事な人の失敗や過ちは一緒に乗り越えなきゃならない。
     一緒に問題を向き合って、そして二度としないですむように見守る。」
    「優しさのペットボトルを繋げる相手を考えて・・・」
    という言葉が印象的でした。
    今の時代に合った人への思いやりのある言葉だと思うので、心に留めておきたいと思いました。

    前作のインパクトが強かったせいか、
    今回はページ数も少なかったこともあり
    少し物足りなさを感じてしまったところが残念です。
    けれどエピローグになると次回作への余韻があるので、
    またこのシリーズも続くのかと思うと楽しみです。

    まだまだ町田さんの作品で心温まる物語が沢山出てくると
    思うので、これからも引き続き読んでいきたいと思いました。

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著者プロフィール

町田そのこ
一九八〇年生まれ。福岡県在住。
「カメルーンの青い魚」で、第15回「女による女のためのR-18文学賞」大賞を受賞。二〇一七年に同作を含む『夜空に泳ぐチョコレートグラミー』でデビュー。他の著作に「コンビニ兄弟―テンダネス門司港こがね村店―」シリーズ(新潮社)、『うつくしが丘の不幸の家』(東京創元社)などがある。本作で二〇二一年本屋大賞を受賞。
近著に『星を掬う』(中央公論新社)、『宙ごはん』 (小学館)、『あなたはここにいなくとも』(新潮社)。

「2023年 『52ヘルツのクジラたち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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