限りある時間の使い方 [Kindle]

  • かんき出版
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感想・レビュー・書評

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    以下抜粋
    時間をコントロールしようとすればするほど、
    時間のコントロールは効かなくなる。
    限界を受け入れる=何もかもはできないと認める。
    選択肢を確保する誘惑に負けない →絞る。
    やるべきことはいつだって多すぎるしそれは変わらない
    全部できる幻想を捨てる。
    ‪✕‬すべてを効率的にこなす
    ○すべてをこなそうとする誘惑に打ち勝つ
    進行中の仕事を3つまでに絞る。
    人は後戻りできない方が選択肢があるより幸せ。
    注意を向けることが検診の始まり。
    気晴らしをする原因
    時間が限られてる、コントロールできない現実の逃避。
    不安から解放される秘訣、未来の不確実性を受け入れる。
    今を生きるとは、今ここから逃げられない事実を受け入れる。
    余暇はそれ自体以外に目的を持たない。

  • 限りある時間の使い方というタイトルであったため、効率化や自動化によって、タイムマネジメントをきっちり行い、限りある時間を有効的に使おう。という趣旨の内容の本であると思っていたら、真逆の内容が記載されていた。人生約80年生きるとするとたった4,000週間(52週間/年*80年)しかないのだ。そして、それは宇宙規模で見れば本当にゴミのようなわずかな時間である。そのため、その短い時間を効率化や自動化といったタイムマネジメントにこだわって、わずかに短縮するのではなく、未来が予測出来ないことや自分のちっぽけさを受け入れ、自由であることを認識すべき。というハッとさせられる内容が書いてあった。
    時間を支配・コントロールしようとすればするほど、上手くいかなかった時に苛立ち、失望感を覚え、時間に苦しめられる。未来を予測出来ないと最初から受け入れていれば、そのように時間に苦しめられることはない。(ただし、今私がやっているようなプロジェクトマネジメントのような仕事では、タイムマネジメントの重要性は理解すべき)
    それでも最後には、ツールとなる10個の考え方が載っているので、取り入れられるものから取り入れてみてはどうだろうか。
    特に良いなと思ったのは、相手に好奇心を持つこと。である。相手に何か期待したり、こうあって欲しいというのは自分のコントロール配下に置くことであり、期待通りに行かなかった場合に落胆や失望を覚える。そうではなく、相手に好奇心を持ち、どのような考え方を持っているとか興味を持って、知ることが大事である。

  • 著者であるオリバー・バークマンがとりまとめた時間についての一考察。若干表現(翻訳ではない)で鼻につくところはあるけれど,本論については納得するところが多い。ちょうど自分に対して「人生を味わい尽くす」なんていうキャッチコピーを考えていたんだけど,そんなことはできないと理解しそのコピーは引っ込めることにした(笑)。確かに人生を味わい尽くすには,どれだけの時間が必要なのだろうか。自分ですべきことを決められる現代だからこそ,時間との付き合い方がより重要になってきていると言える。
    本文中にあるタスクを上手に減らす3つの原則や人生の外側についての考え方などは特にそうだと感じた。みんなの時間に参加するなんていうのは,一見タイパ重視な人ほど避けていそうなトピックもあり興味深い。タイトルにある限りある時間の使い方とは何なのかについては,果たしてそこに希望はあるのだろうか,きちんと結論を出しているのでそこはぜひ読んでみていただきたい。
    ただもやもやしているのは,プライベートならともかく,仕事においてやらなくても良いことなどあるのか,ということ。そんなものはないと思うのは思考停止だけど,実際はどうなんだろうか。

  • 全てが完了することはない。
    全てがそろって、ようやく本番だ、ということはなく、常に今が本番。何かの準備時間として人生を使ってはいけない。
    できることは限られる。
    〇タスクを上手に減らす3つの原則
    ・まず自分の取り分を取っておく
    ・「進行中」のタスクは3つまでに制限する
    ・優先度「中」を捨てる(人生でやりたいこと25をあげたら、最上位の5つに時間を使い、それ以外は捨てる)

    〇人生を生き始めるための5つの質問
    ・生活や仕事の中でちょっとした不快に耐えるのがいやで、楽な方に逃げている部分はないか
    ・達成不可能なほど高い基準で自分の生産性やパフォーマンスを判断していないか?
    ・「あるべき自分」に縛られている部分は?
    ・まだ自信がないからと、尻込みしている分野は何か
    ・もしも行動の結果を気にしなくて良かったら、どんなふうに日々を過ごしたいか?

    〇有限性を受け入れるための10のツール
    ・「開放」リスト(タスク全て)と「固定」リスト作る(最大10個。上限増やさない)
    ・先延ばし状態に耐える
    ・失敗すべきことを決める
    ・できなかったことではなく、できたことを意識する
    ・配慮の対象を絞り込む
    ・退屈で、機能の少ないデバイスを使う(自分用:スマホをしまい、youtubeでなくspotify)
    ・ありふれたものに新しさを見いだす
    ・人間関係に好奇心を取り入れる
    ・親切の反射神経を身につける
    ・何もしない練習をする

  • 今までの生産性向上のための自己啓発本のアンチテーゼとなる本。筆者は、あらゆる生産性向上の本が人生における幸福度の向上、あるいは仕事時間を減らすことになぜつながらないかを説明したうえで、特に意識が高いビジネスパーソンに対し、そういった生産性向上中毒から脱却することを解いた本。まさに自分の状況が当てはまっており、非常に印象に残る本だった。そういった生産性中毒から脱却するためには、人生において本当に自分がやりたいことにフォーカスしなければならない。つまり、そこそこやりたいことを一切あきらめないといけない、ということであり、重い決断を迫られる。そういった重い決断から逃げずに、本当にやるべきことに集中して行動をしていくことで、よりよい人生を送ることができる。

  • 時間への考え方はめちゃくちゃ共感する。「余暇を無駄に過ごすことこそ、余暇を無駄にしないための唯一の方法」
    それに対するソリューションが提供されているかでいうと今一歩。つまり、簡単に解決するようにも思えない。あきらめることがソリューション?
    仏教的な考えに近い気もするね。
    悟りだ。
    ーーー
    P049 それにくらべて、僕たちは、常に不安と焦燥に駆られている。どうやっても終わらない量の仕事を抱え、途方に暮れている。
    調査によると、こういう感覚は、どんな経済的な階層にも等しくみられるらしい。
    成果主義の世の中では、たとえ勝ち組であっても、終わることのない杏れてうなプレッシャーにさらされ続けている。誰もがうらやむ地位を手に入れても、そのポジションを維持するために、さらに死ぬほど努力しなくてはならない。
    もう無理だと感じるのも当然だ。
    なぜなら、厳密に論理的にいって、無理なのだから。 自分ができるよりも多くのことをやらなければな んなの不可能に決まっている。

    P064 これは人生のあらゆることに当てはまる。 楽しいことをすべて体験したいという衝動に 打ち勝ち、すべてを体験するのは不可能だという現実を受け入れよう。 自分に体験できる のほほんのちっぽけな一部分だけだと理解していれば、まだ体験していないことがたくさ んあっても焦らなくてすむ。 自分に許された数少ない体験を、心から楽しめるようになる。 そして人生の限られた時間のなかで、やりたいことをもっと自由に選べるようになる。

    P132 
    別に修行僧になる必要はない。 日々の生活でも同じだ。
    難しいタスクを落ち着いてやり遂げるには、完璧に没頭できる状態を夢見るよりも、嫌 な気持ちをそのまま認めたほうがいい。 苦痛や退屈を否定せず、今起こっていることをそ のまま見つめたほうがいい。
    禅の教えによると、人の苦しみはすべて、現実を認めたくないという気持ちから生じる のだという。「こんなはずではなかった」「どうして思い通りにいかないんだ」という気持 ちこそが、苦しみの根源なのだ。
    自分は万能ではない。 ただの無力な人間で、 それはどうしようもない。

    P149 多くの人は、時間をそのような手段として捉えている。 自分がどこに向かっているのかを考えるあまり、 自分がどこにいるのかを忘れてしまうのだ。 人生の本当の価値は、どこか遠い未来に置かれる。そして、そこにたどり着くことは、おそらく一生できない。
    せっかく目の前に貴重な展示品があるというのに、みんな写真や動画を撮ることに夢中 でろくに実物を見ようともしない。 後で動画で振り返るために、現在の体験を犠牲にし ている(それにしても、実際にそんな動画を見返す人がどれだけいるだろう?)。

    そういう未来志向の態度は、 「いつか何かをしたら」という考え方にもつながりやすい。「いつか仕事が落ち着いたら」「いつか素敵な人に出会ったら」「いつか心理的な問題が解決したら」、 そのとき初めてリラックスして、 本当の人生を生きられるというわけだ。
    「いつか何かをしたら」というマインドの人は、まだ大事なことが達成されていないせいで現在の自分が満たされないのだと考える。 問題が解決しさえすれば、人生は思い通りに動きだし、時間に追われることなくゆっくり生きられると思っている。
    でもそんな考え方をしていたら、いつまでたっても満たされることなんてない。 なぜなそれは、現在を永遠に先延ばしする考え方だからだ。 たとえ仕事が落ち着いても、たと 素敵な人に出会っても、そのときはまた充実感を先延ばしにするための別の理由がいく らでも見つかることだろう。
    なぜ毎日毎日、プロジェクト完成のために、出世するために、あるいは早くリタイアす るために時間を犠牲にしなくてはならないのだろう。そんな生き方は、ちょっとおかしくないだろうか。

    P154 将来この子が最善の結果を得るために、今の時間を利用しようと考えたのだ。

    生まれたばかりの赤ちゃんと過ごすのに、そんな態度でいいのだろうか?
    もちろん、予防接種を受けさせたり、幼稚園に申し込んだりと、将来のことをいくらか 考えておくことは必要だと思う。 でも息子は今ここにいて、0歳である期間はたった1年 だけだ。この二度とは戻らない貴重な時間を、いつだかわからない未来のために犠牲にし たくはない。
    息子は、ただ純粋に、そこに存在していた。 わけもわからず投げ込まれた世界で、その 瞬間を懸命に生きていた。 僕もそこに参加したいと思った。 ちっぽけな手が僕の指をつか むのを感じ、不安定な頭が音に反応して振り返るのをしっかりと見ていたい。 発達が早い とか遅いとか、そんなことを気にしている場合じゃない。 時間を有効活用しようと考える のは、 この子を自分の道具として使うことだ。 将来に不安を感じなくてすむように、 息子 にあれこれやらせて心の平穏を得ようとしていただけなのだ。

    P167 「充分に急速をとったほうが生産的に働ける」 というものだったりする。 そこでメンバーたちは考える。 なぜ生産的に働くために休まなきゃならないんだ? 海辺でのんびりしたり、友達と食 事したり、ベッドでごろごろするのに、なぜ「仕事のため」という言い訳が必要なんだ?
    キャンペーンの推進役である映像作家ジョン・デ・グラーフは、こう語る。 「しっかり休んだほうが経済のためになるという話をよく耳にする。しかし、 なぜ経済のためという理由で人生を正当化しなければならないのか。まったく意味がわからない」

    余暇を無駄にしない勇逸の方法
    時間をできるだけ有効活用しようとすると、余暇まで生産的に使わなけらなくなる、ジョン・デ・グラーフは指摘する。
    何もせずにのんびりするのが目的だったはずなのに、それだけでは足りない気がしてるのだ。 休みの日も将来に備えて投資していないと、なんとなく気分が落ち着かな いそのものさえ、より生産的な労働者になるためのツールのように思えてくる (「生産性を上げるためにリラックスしよう!」と、ニューヨーク・タイムズ紙の人気記事 の見出しにも書いてある)。
    こういう考え方はあらゆるところに蔓延している。 たとえば、ただなんとなく走ること に後ろめたさを感じて、つねに10キロマラソンのためにトレーニングしている友人。何か 将来の目標がなければ、走ることさえできないのだ。あるいは僕が瞑想のクラスに通って いたのも、瞑想が楽しいからではなく、 いつの日か永久に心穏やかな状態になれることを めざしていたからだった。バックパックを背負って1年間世界中を旅するという一見遊び に満ちた体験さえも、「より豊かな経験をした自分」になるための手段だったりする。 余暇を有意義に過ごそうとすると、余暇が義務みたいになってくる。 それでは仕事とま るで変わらない。評論家のウォルター・カーも、1962年の著書 「楽しみの消滅 (The Decline of Pleasure)」 のなかでこの問題を指摘している。

    P172 生活のすべてが、そのうちの何かに役立つための手段となったのだ。 労働組合のリーダーや労働改革の推進者たちは余暇を増やすために奮闘し、やがて1日 8時間労働と週休2日制を実現したわけだが、これが皮肉にも余の道具をいっそう進 めることになった。休日は休むためだけにあるのではない、と彼らは休暇を勝ちとるため 主張した。 労働者には、教育や文化的な探求を通して自分自身を向上させるための時間 が必要なのだ、と。

    でも本当は、余暇を無駄に過ごすことこそ、余暇を無駄にしないための唯一の方法 ではないだろうか。

    P184 中年期には、多くの人が自分の死を意識しはじめる。死を意識すると、将来のためだけに生きることの不条理さを無視できなくなる。
    そのうち「将来」はなくなってしまうのに、将来に備えつづけることに何の意味があるのだろう?

    哲学者であり徹底した悲観主義者だったアルトゥール・ショーペンハウアーは、人の欲望の必然的な結果として、 このような人生の空虚さは避けられないと考えていた。
    こういう論理だ。 人はみんな、さまざまな目標を達成しようとして日々を過ごしてい る。ところで、それぞれの目標は、まだ達成されていないかすでに達成されたかのどちら かである。まだ達成されていなければ、欲望が満たされないので不満である。一方、すで に達成されてしまった場合も、追い求める目標がなくなってしまって不満である。した がって、いずれにせよ、人は不幸なのだ。

    P191 「現実を思い通りに動かしてやりたい」という傲慢な態度こそが、 苦しみを引き起こす。 中国では古くから、この中心にあった。


    P210 「問題がある」状態を楽しむ
    僕たちは何か問題があると、すぐに解決済みのチェックを入れたがる。急いで問題を解 決していけば、いつか「何の問題もない状態」に到達できるのではないかという幻想を抱いているからだ。

    P258 「人はある年齢になると、衝撃的なことに、自分がどんな生き方をしようと誰も気にして いないことに気づく。人の期待に応えることばかり考え、自分を後回しにしてきた人に とって、これは非常に恐ろしい発見だ。 自分のことを気にしているのは自分だけなのであ る」

  • 時間はいつまでもあると思いがちで、だからこそこれは明日すればいい。いつかはやると先延ばしにしてしまう。しかし、自分にある時間が4000週と限られていると知ると、仕事だけに囚われず、大切な人達と過ごす時間を有意義にしたいと思った。中世のようなゆったりとした時間の過ぎ方は体感できないかもしれないが、今やれること、やりたいことに向き合う、あれこれやろうと思わなくなると、時間に対する窮屈さが軽減するのかもしれないと思った。

  • 人は集中力を中断されることを望んでいる。
    今この瞬間を味わうことしかできない。

  • 人生はなんとなく長いようにも感じるが、
    原題にある通り約4000週間と聞くと
    自分に残された時間を考えてしまう。
    「タイパ重視」ではなく、時間を有意義に
    過ごすにはどのような心構えが必要かのヒントが
    書かれている本。

  • 時間と人生といったテーマで、現代の生産性や時間管理について考え直す書籍。

    時間とは共有してこそ幸福度、満足度が上がる。
    この情報過多の時代では、無限にやりたいことが産まれる、だからこそ重要な物を決めてそれ以外を捨てる。
    といった凄くハッとさせられた。

    ただ休息のところで、仕事のために休むのは良くない事と言ったニュアンスが書かれていた事にそこに楽しさを見出している身としてはイラッとしたので、同族の方は注意!
    ※ もしからしたら私の捉え方が間違ってたかもですが、、、

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著者プロフィール

イギリス全国紙ガーディアンの記者。外国人記者クラブ(FPA)の若 手ジャーナリスト賞を受賞。英国で最も権威ある報道賞・オーウェル賞ノミネート経験も持つ。著書にベストセラー『限りある時間の使い方』他。

「2023年 『HELP! 「人生をなんとかしたい」あなたのための現実的な提案』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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