私が陥った中国バブルの罠 レッド・ルーレット:中国の富・権力・腐敗・報復の内幕 [Kindle]
- 草思社 (2022年8月31日発売)
- Amazon.co.jp ・電子書籍 (333ページ)
感想・レビュー・書評
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kindleでまとめ買いしたので。英語版から興味はあったんですが、さすがい英語じゃなあ。。。とおもってたら翻訳が出たので。訳者のあとがきにもありますが、ジャンル的には「暴露本」の域を出ないものではあるものの、「やっぱりそうなのね」的な部分が多々あり、「これを中国で読んだら始末されるな。。。」って感じですね。政府要人などとの「関係」と人との「信頼」「面子」を重んじる(よく書けばですが。。。)ことはわかっていましたが、改めて読んでいくと、中国でのビジネスがどれほど難しいかわかりました。「政治は富を作るが、富で政治はできない」これだけ書くと名言っぽいですが、実際は、「要するに権力をいいように使ってるだけでしょ!!」って話と「共産党の考えってやっぱり脈々と流れてるのね。。。」っていうことがわかります。と同時に、習近平の独裁ぶりがわかるなあ。。。その根底には、中国の世界制覇があるのかなあ。。。とか思った次第です。
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「共産党が権力を独占している中国では、人が謎の失踪をするのは珍しくない」という冒頭に近いところの記述で本書が伝えようとしているリアリティに気付かされる。
習近平のことを中国人は「全面主席(万能の主席)」と呼ぶらしいが、毛沢東時代の個人水肺に逆行していることは事実のようだ。それも競争相手や後継者候補が出世コースから外されたり、投獄されたりすることで、彼の地位が強固なものになる。
中国資本主義を引っ張ってきたデズモンド・ジャム氏のような英国に逃げ出している今、本書を読んでも、中国はどちらに向かおうとしているのか、ますます疑問が増してくる。 -
【中国においては、政治が富を生み出す鍵であって、富が政治を動かす鍵なのではない】(文中より引用)
中国共産党と組んで巨万の富を得た著者と元妻のホイットニー・デュアン。栄華の極みに達していた2人であったが、ある日突然ホイットニーが失踪を遂げてしまう。いったい彼女の「消失」の背景には何があったのか──。著者は、現在はイギリスに在住しているデズモンド・シャム。役者派、ノンフィクション系の翻訳を多く手掛ける神月謙一。原題は、『Red Roulette: An Insider's Story of Wealth, Power, Corruption, and Vengeance in Today's China』。
中国における権力劇というのは、規模の面でも苛烈さの面においても日本のそれとは比にならないんだなと再確認。共産党と企業家たちとの関係性の一端を見事に切り取ることに成功した稀有なノンフィクションだったと思います。
映画のような内容を地で行くような話でした☆5つ