君のクイズ [Kindle]

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  • 朝日新聞出版
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感想・レビュー・書評

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  • 夜、ベッドに入ってから少しずつ読み進めて読了。途中からミステリィのようななぞ解きを読んでいるような感覚がした。

  • ' 24年2月6日、読了。Kindleの電子書籍で。小川哲さんの作品、二作目。

    読み終えるのに、かなり時間がかかりました。集中を欠いて、だらだらと…およそ1ヶ月間。

    つまらなかったかと問われると…そうではない、面白かった!と答えます。でも、楽しめはしなかった、かな…。
    もう少し、サスペンスフルな展開を、期待していました。でも…結局、主人公の「自分探し」のようなಥ⁠‿⁠ಥ
    もちろん、それはそれで、読み応えはありました。でも、僕の期待とは違った、という事なのかな…僕の感想としては、それに尽きます。

  • 読み出しから、あっという間に掴まれて、そのまま物語に引きずりこまれてしまったという感じかな。いったいどのような展開で謎解きが待っているのか、ワクワクは半端なかった。最終着地点はあえて触れないが、終盤に登場した熊の場所は嬉しかったなぁ。

  • 久しぶりに集中して読めた。

    クイズ番組は子供の頃から好きだった。
    TV番組のジャンルの中ではドラマの次に好きなジャンル。
    と言っても何でも知ってるとか、得意分野があるわけじゃなくて、たまたま自分が出演してる人よりも先にTVの前で答えられたらヨシっ!って嬉しくなるっていう程度。

    最近は東大王とか難問ばっかりのクイズがあるけど、あれは超人的な頭脳の人たちを眺めるための番組ですよね。

    この小説はそんなクイズ番組で活躍する人たちの物語。
    クイズの問題をまったく読み始めてもいない状態で、どうして彼は正解できたのか?という謎を解いていく。
    一つ一つ謎を解き、彼がヤラセではなく、解答を得られた理由に辿り着く過程がとても良い。

    自分自身をも見つめることになり、自分の場合はピンポンという正解の音に自分が正しいと認めてもらえた喜びがあることに気づいていく。

  • クイズ番組は昔から好きなTV番組のジャンルの一つだった。今でも、TV番組表を見て、クイズ番組が放送されているとチャンネルを換えてしまうことがよくある。
    主人公はクイズ番組で勝つために懸命にクイズのための知識を増やすことにいそしんできた者である。クイズ番組を視聴する側にとっても、知らないことが出題され、解答を知ったときはなるほどと思う。何となく新たな知識を得て、得したような気持ちになれる。そのクイズに答える側ともなれば、常に新しい知識で更新することは必要なのだろう。作中でも、同じ問題でも時と共に答えが変わることがある、といった趣旨が述べられている。

    本作は、ジャンルとしてはミステリー小説ということらしい。クイズをテーマにした物語なので、殺人が起きるようなことはない。冒頭、主人公のライバルが、「問題」の掛け声と同時に回答ボタンを押す。まだ、問題は一文字も読まれていない状況でボタンが押され、ライバルはその問題に正解する。
    主人公の頭の中は、当然、疑問符で埋め尽くされている。問題が読まれる前に、どうして正解を導出できるのか? この不可解な疑問をいかに解き明かすか――これが本作のミステリー要素である。
    物語は主人公の独り語りが多くを占めている。クイズには一家言持つ主人公が、単にクイズの内容だけでなく、いわゆる早押しクイズへの答え方を含め、ライバルの「ゼロ秒回答」の可能性についてさまざまな考察を巡らす。独り語りが多いとはいえ、文体は重いものではないので、物語全体が比較的短い小説でもあり読みやすい。

    クイズ番組をミステリーに仕立てた小説は、これまで出会ったことがない。その意味で、本作はとても新鮮だった。
    時々挿入される実際のクイズ問題は、自分もクイズ番組に参加しているか、TVの前で一緒に問題を考えているような気になる。クイズ小説だからこそクイズが書かれているのだが、小説への没入感を促すことに寄与しているように思う。没入するうち、いつしか読み手も主人公が巡らすあれこれの仮説に、一緒に考えさせられる。ここが、この物語の秀逸な仕掛けだろう。
    いわゆるクイズをモチーフとした一般的なミステリー小説だと思って手に取ると、予想を裏切られるかもしれない。新たなミステリージャンルとして「クイズ」をテーマにするとは、どういうことだろう? この好奇心が、本作と向き合うには必要なのだと思う。好奇心の有無が、本作の主人公に共感できるか否かの分水嶺のような気がするのである。

    昨今、クイズ番組も東大生をはじめとする有名な高学歴クイズタレントが席巻している感がある(本作の登場人物も、多くは東大生だ)。ユーチューバーなど、ネット社会が発展したことで職業も多様化しており、高学歴な人たちもおおいに職業選択の自由を実践しているようである。
    かつてのように東大出身者=高級官僚といった図式もないし、もちろん政治の世界でも、東大をはじめ、高学歴を背景としなくても総理大臣になれる時代である。実は、永田町界隈にいるのは多様化した職業に追随できずに学歴を披歴することでおのがアイデンティティを守る者たちばかりになってしまっているのではないだろうか。案外、本当に優秀な人たちこそ、TV番組に出てボタンを押し、やがてはユーチューバーとして莫大なフォロワーを集めるのかもしれない。
    そういえば、先ごろ、ユーチューバーから政治家に転身したものの国会に出席しないかどで除名された者がいた。出席しなかったから除名されたのだろうし、除名自体は仕方のないことと受け止めるが、有権者から数十万票を集めた議員を、参議院議員だけの多数決で除名するというルールに非民主的なものを感じた。悪い意味で「保守的」な世界がまだここにだけ、澱のようにわだかまっている。
    そうであれば、本当に優秀な人は、霞ヶ関でそうした者たちに宮仕えするよりも、番組で人より早くボタンを押すことに人生の意味を見出しても不思議はない。
    職業に貴賎なしというが、現実には存在する。ましてや、かつては「貴」と思われていた職業が、むしろ「賎」として嫌われるものへと変貌する時代には、真に優秀な者こそ、人生のマニュアルとして本作を読んでおくことは、きっと価値がある。

  • 実際にクイズ番組を見ているような臨場感があり、一気読みしてしまいました!
    とても面白かったです!!

  • アメトークの読書芸人で紹介されてたのを見て、めっちゃ面白そうと思い購入、読了( ̄▽ ̄)

    うーーーん…まあまあかなぁ…何というか、またこの手のヤツ(帯と設定がめっちゃ面白そうだと思って買うけど尻すぼむやつ)に騙された気がするなぁ…(´∀`=)
    まああれですね、いわゆるイニシエーションラブ的なやつですね(笑)

    イマイチに感じちゃうのは、入りの圧倒的な面白設定に対して、その期待感を超える謎解きが展開されないこと…
    あと、あくまでも「謎」が主題になるので、キャラクターが立体感が無くて、どうしても薄っぺらく感じてしまうんですよね…m(_ _)m

    まあでも、クイズというゲーム性・思考の流れを上手くミステリーに落とし込めていて、しかもこの圧倒的な設定を生み出している時点で、作品として十分なのかもしれませんね。
    一気読みはさせられたわけだし(笑)

    まあ、そこらへん好みなのかもしれませんね…
    ミステリーっちゃ、そこらへんを割り切って読むものなのかなぁ…とも思ったりはしました。

    とりあえず、個人的にはAマッソ・加納さんが勧める作品はもう読まなくても良いかなぁ…(笑)


    <印象に残った言葉>
    ・ママ.クリーニング小野寺よ(P10、本庄絆)

    ・っていうのはどうですか?(P181、本庄絆)


    <内容(「BOOK」データベースより)>
    面白すぎる!! 驚くべき謎を解くミステリーとしても最高だし、こんなに興奮する小説に出会ったのも久しぶり。
    頼まれてもいないのに「推薦コメントを書かせて!」とお願いしてしまいました。
    小川哲さん、ほんとすごいな。
    ――伊坂幸太郎氏

    一度本を開いたらもう終わりだ。面白すぎてそのまま読み切ってしまった。
    熱くて、ワクワクして、予想もつかない感動が襲ってくる。
    ミステリーでも、バトルものでも、人生ドラマでもある。
    でもそれだけじゃない。ジャンルはたぶん「面白い小説」だ。
    ――佐久間宣行氏

       *    *     *     *
    『ゲームの王国』『嘘と正典』『地図と拳』。一作ごとに現代小説の到達点を更新し続ける著者の才気がほとばしる、唯一無二の<クイズ小説>が誕生しました。雑誌掲載時から共同通信や図書新聞の文芸時評等に取り上げられ、またSNSでも盛り上がりを見せる、話題沸騰の一冊です!

    ストーリー:生放送のTV番組『Q-1グランプリ』決勝戦に出場したクイズプレーヤーの三島玲央は、対戦相手・本庄絆が、まだ一文字も問題が読まれぬうちに回答し正解し、優勝を果たすという不可解な事態をいぶかしむ。いったい彼はなぜ、正答できたのか? 真相を解明しようと彼について調べ、決勝戦を1問ずつ振り返る三島はやがて、自らの記憶も掘り起こしていくことになり――。
    読めば、クイズプレーヤーの思考と世界がまるごと体験できる。人生のある瞬間が鮮やかによみがえる。そして読後、あなたの「知る」は更新される! 
    「不可能犯罪」を解く一気読み必至の卓抜したミステリーにして、エモーショナルなのに知的興奮に満ちた超エンターテインメント!

  • 賞金1000万円をかけたクイズ番組決勝戦に出場した主人公!最終問題を一文字も読まれてないのにボタンを押し正解し優勝した対戦相手にどういうこと??なぜ正解できたん?ヤラセなんじゃね??ってとこから始まるメチャクチャオモローなクイズエンターテイメントミステリー!!

    クイズプレイヤーの思考ルートがしっかり描かれていてクイズがただの知識量のみで答えるものではなく論理的に問題を読み進めていく様がめちゃんこ面白い!!

    クイズでこんだけ面白いミステリを書けるってことはミステリの幅は無限大やな
    小川哲さんの作品は「ゲームの王国」みたいなSF中心やと思ってたけどこんな感じの作品なんやな〜面白すぎやろ!

  • クイズ番組の決勝で三島は本庄に敗れる。
    本庄は出題者がまだ一文字も発していないのに正解して優勝した。
    ヤラセなのか?

    一気読みした。
    クイズ番組についての見方が変わった。

  • 2022年作品

    とてもストーリー展開よく、一気に読む終えた。
    もしやがそんなことがという感じで、予想通りの結末
    であったが、読みごたえがあった。

    よく羽生さんが強豪7人の将棋棋譜を研究すれば、
    1年間十分戦えるということが本に書いてあった。
    それを早押しクイズにも反映させているところが
    憎い。
    クイズと人生を上手くシンクロさせているところも
    よかった。
    フクロウ交番の地元ネタクイズにした所も
    数列がクイズにでるのか?とアクセントがあって
    いいところ。

    「地図と拳」は何時読めるかな。

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著者プロフィール

1986年千葉県生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程退学。2015年『ユートロニカのこちら側』で、「ハヤカワSFコンテスト大賞」を受賞し、デビュー。17年『ゲームの王国』で、「山本周五郎賞」「日本SF大賞」を受賞。22年『君のクイズ』で、「日本推理作家協会賞」長編および連作短編集部門を受賞。23年『地図と拳』で、「直木賞」を受賞する。

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