紫式部と藤原道長 (講談社現代新書) [Kindle]

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  • 大河ドラマ「光る君へ」にぶつけて描かれた
    「史実ベース」の紫式部と藤原道長を中心に描いた評伝。
    主な書は「大鏡」「御堂関白日記」「小右記」「紫式部日記」など。
    貧乏貴族の娘に生まれ、歳の離れた夫との死別、道長の娘彰子に仕えたことから
    宮中のさまざまな面に触れ、道長、彰子らの援助を受けて
    大作「源氏物語」を執筆。
    いつしか記録に現れることも少なくなり(「小右記」に出てくる彰子の女房を式部であるという主張がされているが、これは裏付けのないものである)、
    その没年もはっきりとはわからない。

    これが式部とされた女性の実像であり、「源氏物語」が不巧の名作とされたのに比べると
    歴史の表舞台に立った人物ではないのでその人生、実像にはいまなお謎の部分が多い。
    ただまぁこのベースがあっての今回の大河なのでドラマ自体を楽しむにも役に立つ本。

  • とても有名な2人だけど、歴史の教科書にある記述以上のことは知らない。
    で、繙いてみた(毎年思うけど、大河ドラマの影響力はすごいな)。結局、史実的には何も分からないってこと。何せ紫式部の生没年は未詳だしね。「源氏」だって原本が残っているわけじゃないし、実際のところは、どこまでが著者本人の記述かは分からない。
    現状の歴史学の限界かな。

  • 大河ドラマの予習で読みました。(著者はドラマの時代考証の方だそうです)ざっくり紫式部の人生のトピックと源氏物語の背景。ほかに藤原実資、藤原行成、一条帝、三条帝、彰子中宮の人物像や人間関係のイメージができました。
    ただし紫式部は宮中出仕の前後は資料がなく生没年不詳、近代以前は和泉式部や赤染衛門ら歌人ほどには評価されていなかったと。。
    歴史に疎いので、巻末の略年表が参考になります。

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著者プロフィール

1958年、三重県津市生まれ。東京大学文学部国史学専修課程卒業、同大学大学院人文科学研究科国史学専門課程博士課程単位修得退学。博士(文学、東京大学)。国際日本文化研究センター教授。専門は日本古代政治史、古記録学。主著に『平安朝 皇位継承の闇』『皇子たちの悲劇』(角川選書)、『一条天皇』(吉川弘文館)、『蘇我氏』『藤原氏』『公家源氏』(中公新書)、『藤原道長「御堂関白記」全現代語訳』(講談社学術文庫)、『藤原道長の日常生活』(講談社現代新書)などがある。

「2023年 『小右記 ビギナーズ・クラシックス 日本の古典』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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