幽霊塔 [青空文庫]

著者 :
  • 青空文庫
  • 新字新仮名
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  • 主人公丸部道九郎は、叔父が買い取った古い屋敷『幽霊塔』で、絶世の美女松谷秀子に出会う。長年止まったままだった時計塔の動かし方を知っていたり、屋敷について妙に訳知りな秀子に一目惚れする道九郎。叔父もまた秀子を気に入り、養女に迎えると言い出した。面白くないのが道九郎の許婚浦子で、何とかして秀子の正体を突き止めようとあらゆる手を講じてくる。だがことごとく失敗に終わり、挙句他殺体となって発見されるに至る。当然容疑は秀子にかかり、道九郎は彼女を救う為奔走するのであった。

    と大筋はこんな感じでいいと思うが、二転三転のトンデモ展開に彩られたストーリーは単純な一方で込み入っていて、やりたい放題でいいなあと羨ましくさえある。何しろ道九郎がバカ過ぎて大変なのだが、バカ過ぎる故に面白い。秀子が美人じゃなかったら絶対動かなかっただろうことも容易に想像がつくバカさ加減。だがそれがいいとは言えないし主人公としてどうかとは思うのだが、冒険活劇みたいな展開はスピーディで楽しい。
    この小説、登場人物が日本人の名前なので、読み始めは洋行している日本人の話かと思っていたのだが、純粋にイギリスを舞台としたイギリス人の話だった。読み終わったので調べてみたら、オリジナルではなく翻案小説だった。そういや『ハイジ』とかも最初の翻訳は日本名だったし、そういうものなのか。原作も翻訳されているので、こちらも読んでみたい。

  • ヒロイン以外の登場人物が筋肉脳っていうか思慮深くないところにあっけにとられつつ読み終えた感じ。主人公はアホか!と・・・(笑)それに、それだけ面相を変えられるのに何ゆえ。。。というところが突っ込みどころでした。

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著者プロフィール

1862-1920。翻案小説家、作家、ジャーナリスト。日本近代小説誕生の礎。翻案の代表作に、ボアゴベー原作の『鉄仮面』など。

「2018年 『死美人』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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