イチニ先生はギャグっぽいお話しか読んだことがなかったため、どシリアスな話に最初はとっつきにくさがあったけれど、次第に惹き込まれた。常軌を逸しているほどの恋心で突っ走る人の話が好きで、イチニ先生の作品のヒーローもそういうキャラがおおいけど、これはむしろそういうキャラが結果として当て馬になる話。ラブストーリーというよりは、喪失感やトラウマ、孤独を抱えた人間同士がそれを丁寧に癒していく物語という感じで純文学みがあり、思った以上に大河ドラマだった。生まれつき不憫な境遇のヒロインが、受け身に自分を幸せにしてくれる誰かを望むのでなく、積極的に愛する人を幸せにしたいと望める人になる結末はすごくよかったな。

2023年8月29日

ネタバレ
読書状況 読み終わった [2023年8月29日]
カテゴリ 恋愛

265話をピッコマで購入。
冴えない生活を送る鈴木英雄の日常の丁寧な描写から始まった漫画が、ゾンビパニックを経て、文明社会が崩壊した東京で一人冴えない生活を送る鈴木英雄の日常の丁寧な描写で帰結していくのは、なんとなくもやもやするものはあれ構成として素晴らしいなあと思っていた。でも今回の新しい最終回でそのもやもやも無くなり、エンタメとして完璧にきれいに完結した感じ。
クルスは生き残った人間たちに、子孫を残し未来を繋ぐ可能性を与えるためにおばちゃんを若返らせたのだと思う。人類がほぼ滅亡した世界で、それでも人間は生き残ったからには生きようとはするだろうけれど、そこに先につながる希望が何もなければ生きる意味を見いだせなくなる。『王』である自身を見守る人類に生きていてもらうためには、未来に繋がる希望がなければいけない。そしてつまり、英雄にZQNの群体が赤ん坊を授けたのも、それと同じなのではないかなと。サンシャインの群体がひろみちゃんを核とするものなら、都庁の群体はクルスなんじゃないだろうか。
『ヒーロー』は自己犠牲をする人。つまり守るべき他者がいなければヒーローにはなれない。てっこも小田さんもひろみちゃんも英雄の手のひらからはこぼれ落ちていき、結局彼は守るべきものを持てずに、冴えなくて卑屈な鈴木英雄に戻ってしまった。けれど最後に、絶望の中にいたために幸福な群体の一部にはなれなかったクルスが、英雄に他者を与えた。逃げてばかりの英雄も、ひいろちゃんのためにはきっとヒーローになれる。つまり英雄はこれから『ヒーロー』として生きていくということ。アイアムアヒーロー、表題のダブルミーニングが最終話で回収されたのではないだろうか。

2021年12月16日

ネタバレ
読書状況 読み終わった [2021年12月16日]
カテゴリ サスペンス

人狼で日本の高校生であるアキラが、一族が忠誠を誓う吸血鬼姫ミナと再会し、日本国内に作られたヴァンパイアバンド(吸血鬼租界)でいろんな脅威に立ち向かいながら姫を守る話。
設定がかなり荒唐無稽だし、アキラも『ふつうの高校生』ではないので感情移入しにくいが、好きな人はすごく好きな世界観なのではと思う。成人誌でも描いている作家さんらしく、全裸女性とか露出の激しい女性多め(ピッコマだと全裸おっぱいは白塗りになるんですね)。
1巻はアキラがミナに真の忠誠を誓うまでの序章で、2巻から本番なのかも。

2020年12月26日

ネタバレ
読書状況 読み終わった [2020年12月24日]

人を不幸にするタイプの怪異が毎回誰かを陥れる一話完結のホラーというかダークファンタジーというか。謎の宿の主である『大将』との駆け引きにのったが最後、バッドエンドしか待っていない。というか駆け引きとかなく強引に引きずり込まれてバッドエンドを押し付けられる。笑うせえるすまんみたいな後味の悪さがあるけど、絵が美麗だし和風の世界観も良い。

2020年12月24日

ネタバレ
読書状況 読み終わった [2020年12月20日]
カテゴリ ホラー

なんだか魔法とか魔女とかが実在する世界で、実は『人蔵人間』だったふつうのサラリーマン篠崎くんのメンテを機械オタクの魔女ユーヤケさんがする話。篠崎くんの首が冒頭からポロポロとれる時点で大好きになってしまった。なぜ人造じゃなく人蔵なのか?とおもったら篠崎くんは体内に別空間を隠し持つマジの蔵だったり、めちゃくちゃファンシーなようでちょっと不気味でもある魔法の表現だったり、あと写実的ではないけどめちゃくちゃデッサン力高いざっくりした画風とか、全体的にとても好きです。

2020年12月22日

ネタバレ
読書状況 読み終わった [2020年12月20日]
カテゴリ ファンタジー

警察内部の不祥事に対応する部署に新しく配属された婦警と、教育係で敏腕だが性格に難がある野宮警部補のお仕事漫画。野宮警部補が本当にめちゃくちゃ敏腕なんだけど正義感のために仕事頑張ってるわけではなくて実は原動力が私怨だという、でもなんかすこーしくらいは高い志とかあるんじゃないかなとも感じさせる、とにかく癖が強くて魅力的なキャラ。実写化と相性良さそう、野宮警部補は高橋一生で。

2020年12月24日

ネタバレ
読書状況 読み終わった [2020年12月20日]
カテゴリ 仕事

『人外』に狩り尽くされ人間がほぼ滅んだ世界で、ひとりぼっちの人間の子ソマリと『森の神様』であるゴーレムが出会い、ソマリの親を探す旅をする話。世界観は中東のどこかのような中世ヨーロッパのような感じで、街の様子やキャラの容姿などめちゃくちゃ美麗に仔細に描き込まれている。人外たちは人間を食べたりするものもいるみたいなのでソマリたちの旅にはそこそこ緊張感があるのだけど、今のところ悪人は登場しておらず独特の世界観の中ほのぼの旅する描写がメイン。本来感情の希薄なゴーレムが『お父さん』としてソマリを守ろうとする姿は泣ける、途中でゴーレムの寿命は1000歳ぴったりであり、現在999歳だからもうすぐ死ぬことが明かされてさらに泣けたしそれまでに親が見つかるのか心配。

2020年12月19日

ネタバレ
読書状況 読み終わった [2020年12月19日]
カテゴリ ファンタジー

社畜のもとに特に親しくもなかった同級生の娘(JC)が転がり込んできた!しかも近頃めったに見ないくらいいい子で家事完璧にやってくれるし新聞配達のバイトもしてるし無駄遣いも全然しない。理想の嫁みたいな存在。あと仕事はしょっちゅうデスロードだけど会社の美人同期(人妻)はちょくちょく欲情して都合よくヤラせてくれる。突然家に押しかけてタカってくる年頃の姪(JK)がいたりもする。…これは変則的なハーレム系なのでは?
基本的にはほのぼの路線。主人公は大人として責任持ってJCと接しているのでいかがわしい雰囲気はなく、二人の関係の発展の様子が丁寧に描かれる。高校の同級生(美人)が娘を置いて消えた理由など、1巻ではまだ明かされていない事情も多いので続き気になる。

2020年12月18日

ネタバレ
読書状況 読み終わった [2020年12月18日]
カテゴリ ホームドラマ

幽霊、というか何なんだかよくわからない化け物が見えるようになってしまった女子高生の日常系漫画。幽霊のわけのわからなさの方向性は『さんかく窓の外側は夜』に近いかもしれない(気持ち悪いだけで今のところ実害はあまりないけど)。女子高生が見えている化け物に害を及ぼされないよう、ひたすら我慢して慎重に暮らしているだけの話なのに、なんか続けて読みたくなる面白さがある。1巻最後のお父さんのepはちょっとジーンとした、見える子になってしまったのと何か関係があるのだろうか。

2020年12月6日

ネタバレ
読書状況 読み終わった [2020年12月2日]
カテゴリ ホラー
ツイートする