悪女について (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (1983年3月29日発売)
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美貌の女実業家、富小路公子が、転落死。自殺か他殺か、富小路公子(鈴木君子)の死の真相を探るため、彼女を知る27人へのインタビューで構成された本書。じわじわと明らかになる公子の生き様…真偽も善悪も、読めば読むほどわからなくなる。男心を巧みに操り、土地を転がし金を生み、 事業を拡大していくその手腕は誠にあっぱれで、時に爽快ではあるが…ぞわぞわと怖いときも頻繁にあり。どの面下げてそんな嘘まみれの台詞を言ってるのかと、背筋が寒くなる。そして…この辺の関係、並行してたよね!?こういうことしてた裏で、こんなこと言ってたよね!?というところ、把握するため時系列で書き出したい!!
狐につままれるという言葉があるが、これまで読んだ本でも上位の「狐につままれる」感。これは確かに、映像で観たい。何度か映像化されるのも納得の名作だが、機会があれば、原作の昭和の香りを感じられる昭和の映像化作品で堪能してみたい。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 日本の作家
感想投稿日 : 2023年9月30日
読了日 : 2023年9月30日
本棚登録日 : 2023年9月25日

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