大地の子 三 (文春文庫 や 22-3)

著者 :
  • 文藝春秋 (1994年2月1日発売)
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日本人の戦争孤児・松本勝男こと陸一心。
日本人という出自故に、過酷な運命を辿ってきた。

日中プロジェクト『宝華製鉄』のメンバーとして、日本の地を踏む。

しなのふじ…
長野…
少しずつ記憶が…

政争に巻き込まれ、『宝華製鉄』建設プロジェクトは中止に…

夏国峰にババをひかせたという、鄧平化、恐るべし。その後、あっさり再開とは…

松本耕次は、『宝華製鉄』建設プロジェクトの上海事務所長として、多忙な日々を送りながら、残留孤児となった勝男とあつ子の行方を探していた。

巡回医療を続ける妻・江月梅から張玉花というあつ子に年齢が近い、残留孤児がいることを知り、張玉花に会いに行く陸一心…

そこには過労で病に倒れた張玉花が…

もう少し早ければ…

同じように探されることもなく、日本人として、日本に戻れなかった人はどれだけいたんだろう。

満洲開拓団とはなんだったのだろうか⁇

何の罪もない弱い人たちを置き去りにするなんて…

残留孤児の中には、あつ子のように極貧の生活で家族にも会えず、日本にも戻れないまま、中国で亡くなっていった人はどれだけいたのだろうか。

しかし、なんでも金、金という中国人には言葉がない…

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2022年10月16日
読了日 : 2022年10月16日
本棚登録日 : 2022年10月16日

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