何度か読んだことがある太宰の『葉桜と魔笛』。
病床に臥している虚弱な妹のために、姉が文通相手のふりをして手紙を書いてあげる、しかしその文通相手がそもそも妹のつくりあげた架空の人物、という胸がギュッとなるような切なさを超えて、姉妹愛が麗しい。お庭の葉桜の奥からきこえてくる軍艦マアチの口笛は、どのような音色だったんだろう。新緑に目を細めたくなるような、眩くてやさしい短編です。
読書状況:読み終わった
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名著
- 感想投稿日 : 2023年4月9日
- 読了日 : 2023年4月8日
- 本棚登録日 : 2023年4月8日
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