この作品は面白い!どこまでも異常で、常人には理解できない。貴志祐介さんはきっと普通であるのにサイコパス教師をリアルに創り出すのだから、表現力と取材力がすごいなと思った。
上巻の始まってすぐに蓮実聖司が毎朝ベランダに鳴きに来る2羽のカラスのうちの1羽を駆除するシーンがある。手の込んだ仕掛けで感電死させた。学校に頻繁に苦情を言いに来るモンスターペアレントの家の猫よけのペットボトルの中身を全て灯油に変えた、運に任せて太陽光で火災を発生させる為に…。度の過ぎたいたずらかと思ってたら火を放って確実に殺した。そこから色んな違和感が募るっていく。ただの人気英語教師ではない?!
全ての殺人に至る流れとその前後の無感情さ。日常の当たり前の事を当たり前にしたかのような言葉とユーモラスな表現。
下巻最後の三池崇史さんの「蓮実聖司を愛する者として」の解説ではこの作品の魅力が存分に語られている。ただの大量殺人、サイコパス教師でない、彼が彼らしく生きる場所を求めた結果だと。作品を誰よりも理解してるだろう映画監督の作品をすぐに観たいと思いました!
最後、蓮実が逮捕される時に下鶴刑事が感じた「こいつは、もう、次のゲームを始めている」が抜かりのない表現で好きです。
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- 感想投稿日 : 2024年3月16日
- 読了日 : 2024年3月16日
- 本棚登録日 : 2024年3月3日
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コメント 5件
yukimisakeさんのコメント
2024/03/16
アンシロさんのコメント
2024/03/16
アンシロさんのコメント
2024/03/16
yukimisakeさんのコメント
2024/03/17
アンシロさんのコメント
2024/03/18