聞くところによると2009年の再販の際にカバーにはかなりの色展開があったようだ。購入の際は皆、どの色を買おうか迷いに迷っていたんだろう。出版社もおもしろいことを考えるね。
先日、妻が実家から紺色のカバーの本書を我が家に持ち返ってきた。
海に囲まれた島。歌島。老若男女が海の生活をしている。外からやってきた一人の少女。青年の恋は始まる。
読んでいて悲劇を想像したり、ハッピーエンドを期待したり、最後にどんでん返しがある?とか色々考えながら読んだ。千代子という女は独特だった。彼女の存在は印象的。
「金閣寺」を読んで、かなり難解だと感じていたが、三島由紀夫はこんな小説も書くのだなぁと不思議な感心があった。
三島由紀夫が描く男女の恋愛小説であるが為に、本作自体が違和感ありありのものであるとも言える。
何か深いメッセージが隠されているようにも感じないし、派手な展開もない。男女とはこのようなものであるという爽やかで甘酸っぱい恋愛小説。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2020年6月26日
- 読了日 : 2020年6月26日
- 本棚登録日 : 2020年6月21日
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