帝国以後 〔アメリカ・システムの崩壊〕

  • 藤原書店 (2003年4月30日発売)
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米国は実は脆弱で世界に依存しているという逆説的な書。米国は影響力を行使するために世界が混沌であることを望んでいるのだ。米国は軍事力•経済力(消費大国)も帝国となるには不足し、理念上の普遍主義もない。(黒人との混淆婚率や乳児死亡率)欧日露は地政学的戦略を踏まえない米国から独立し、新しい国際社会を形成していく。米国は普通の強国足らざるを得ないのだ。いずれにせよ世界に影響を与えたトッドの名著。米国は帝国になり得ないという予測は秀逸だったが、結果を見れば中国の覇権主義それ自体は予測できなかった。アジアの存在感を無視して欧米日で議論を進めたのはやや拙速。
黒人差別がアメリカの国体であるとトッドは言っているが、低混淆婚率が客観的な裏付け資料であることはもっと言ってもいい。 2021/6/25

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感想投稿日 : 2022年3月23日
読了日 : 2022年3月23日
本棚登録日 : 2022年3月23日

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