八日目の蝉 (中公文庫 か 61-3)

著者 :
  • 中央公論新社 (2011年1月22日発売)
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本棚登録 : 21603
感想 : 2379
4

不倫相手の子供を誘拐し、3年半逃亡し続けた女と、誘拐された子のその後の生き様、成長、気付きが描かれた作品。

悲しい、切ない、でも狂おしいほど愛おしい。
男の私が読んでも、そう感情が応答した。

そして、本作で描かれるどうしようもない男ども。
はしたない、みっともない、兎角情けない。
同じ男として、お詫び申し上げたいほどに不様で気持ち良い。

誘拐し、奪った他人の子に注ぐ愛情の在り方。
誘拐され、戻った我が子に注ぐ愛情の在り方。
そして、本書が描く親子の在り方。

それぞれに垣間見えるジレンマがとても生々しく描かれていて、魅了された作品であった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2021年4月28日
読了日 : 2021年4月28日
本棚登録日 : 2020年8月29日

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