辻真先の長篇ミステリ作品『アリスの国の殺人 日本推理作家協会賞受賞作全集 (42) 』を読みました。
『迷犬ルパンと「坊っちゃん」』に続き、ここのところ、辻真先の作品です。
-----story-------------
児童文学の編集を志しながら、はからずしも漫画誌編集に携わる綿畑克二。
夢のなかの『不思議の国のアリス』の世界でチェシャ猫殺害事件の容疑者にされて慌てていると、現実世界では上司の編集長が殺されて大騒ぎ。
交錯する夢の世界と現実に翻弄された克二は……。
-----------------------
1981年(昭和56年)に刊行され、翌年の第35回日本推理作家協会賞を受賞した傑作長篇ミステリです。
■第Ⅰ章 だれがアリスと結婚するの?
■ 第1章 鬼編集長の闘志
■第Ⅱ章 密室殺人ってなんのこと?
■ 第2章 女と男の歴史
■第Ⅲ章 アリスの花聟たすかるの?
■ 第3章 大型パーティの趣旨
■第Ⅳ章 なぜあの人が犯人かしら?
■ 第4章 追われる物の詩
■第Ⅴ章 ふしぎの国はめでたしめでたし
■解説 香山二三郎
コミック雑誌創刊に向けて鬼編集長にしごかれる編集者・綿畑克二は、童話の『不思議の国のアリス』の世界をこよなく愛す青年だった… ある日、スナック「蟻巣」で眠ってしまった綿畑は、夢の中で美少女アリスと出会った、、、
しかも克二はアリスの婚約者であり、彼女との結婚式のさなか、チェシャ猫を殺した殺猫犯人の容疑者として追われていた… やがて目が醒めた現実世界では克二は上司の鬼編集長・明野重治郎が殺害されたと知らされ、明野に最後に会った人物として刑事の追及を受けるが、再び睡魔に襲われ、アリスの待つワンダーランドに引き戻される。
克二は、二つの世界で無実を証すために事件の真相を追うことになった……。
ワンダーランドのチェシャ猫殺しの方は、言葉遊びが溢れていて『不思議の国のアリス』の雰囲気を辻真先流に調理した印象… アリスだけでなく、ニャロメからヒゲオヤジ、鉄人28号、サイボーグ009(島村ジョー)、デビルマンや『オズの魔法使い』のドロシーまで登場するワンダーランドは、克二が現実逃避した世界なんですかねー ファンタジー的な展開でしたね。
ただ、登場してくるキャラがわかるのは私の世代までかな… 若い世代には理解が難しいでしょうね。
リアルな世界の鬼編集長殺しの方は、トリッキーなアリバイトリックが印象的でした… まさか、クルマ(キャンピングカー)を使って、あんなトリックを作り出すとは、、、
決してハッピーエンドではないですが、こちらの方が個人的には好みでしたねー 手塚治虫、横山光輝、赤塚不二夫、永井豪、吾妻ひでお、高千穂遥、安彦良和、石ノ森章太郎、平井和正、豊田有恒 等々、登場する漫画家、作家も懐かしかったな… 愉しめました。
- #辻真先
- #香山二三郎
- #日本推理作家協会賞
- #鉄人28号
- #サイボーグ009
- #デビルマン
- #手塚治虫
- #横山光輝
- #赤塚不二夫
- #永井豪
- #吾妻ひでお
- #高千穂遥
- #安彦良和
- #石ノ森章太郎
- #平井和正
- #豊田有恒
- #このミステリーがすごい!
- #ミステリが読みたい!
- 感想投稿日 : 2022年12月25日
- 読了日 : 2022年12月25日
- 本棚登録日 : 2022年12月23日
みんなの感想をみる