アリスの国の殺人 日本推理作家協会賞受賞作全集 (42)

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  • 双葉社 (1997年11月1日発売)
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辻真先の長篇ミステリ作品『アリスの国の殺人 日本推理作家協会賞受賞作全集 (42) 』を読みました。
『迷犬ルパンと「坊っちゃん」』に続き、ここのところ、辻真先の作品です。

-----story-------------
児童文学の編集を志しながら、はからずしも漫画誌編集に携わる綿畑克二。
夢のなかの『不思議の国のアリス』の世界でチェシャ猫殺害事件の容疑者にされて慌てていると、現実世界では上司の編集長が殺されて大騒ぎ。
交錯する夢の世界と現実に翻弄された克二は……。
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1981年(昭和56年)に刊行され、翌年の第35回日本推理作家協会賞を受賞した傑作長篇ミステリです。

 ■第Ⅰ章 だれがアリスと結婚するの?
 ■ 第1章 鬼編集長の闘志
 ■第Ⅱ章 密室殺人ってなんのこと?
 ■ 第2章 女と男の歴史
 ■第Ⅲ章 アリスの花聟たすかるの?
 ■ 第3章 大型パーティの趣旨
 ■第Ⅳ章 なぜあの人が犯人かしら?
 ■ 第4章 追われる物の詩
 ■第Ⅴ章 ふしぎの国はめでたしめでたし
 ■解説 香山二三郎

コミック雑誌創刊に向けて鬼編集長にしごかれる編集者・綿畑克二は、童話の『不思議の国のアリス』の世界をこよなく愛す青年だった… ある日、スナック「蟻巣」で眠ってしまった綿畑は、夢の中で美少女アリスと出会った、、、

しかも克二はアリスの婚約者であり、彼女との結婚式のさなか、チェシャ猫を殺した殺猫犯人の容疑者として追われていた… やがて目が醒めた現実世界では克二は上司の鬼編集長・明野重治郎が殺害されたと知らされ、明野に最後に会った人物として刑事の追及を受けるが、再び睡魔に襲われ、アリスの待つワンダーランドに引き戻される。

克二は、二つの世界で無実を証すために事件の真相を追うことになった……。

ワンダーランドのチェシャ猫殺しの方は、言葉遊びが溢れていて『不思議の国のアリス』の雰囲気を辻真先流に調理した印象… アリスだけでなく、ニャロメからヒゲオヤジ、鉄人28号、サイボーグ009(島村ジョー)、デビルマンや『オズの魔法使い』のドロシーまで登場するワンダーランドは、克二が現実逃避した世界なんですかねー ファンタジー的な展開でしたね。

ただ、登場してくるキャラがわかるのは私の世代までかな… 若い世代には理解が難しいでしょうね。

リアルな世界の鬼編集長殺しの方は、トリッキーなアリバイトリックが印象的でした… まさか、クルマ(キャンピングカー)を使って、あんなトリックを作り出すとは、、、

決してハッピーエンドではないですが、こちらの方が個人的には好みでしたねー 手塚治虫、横山光輝、赤塚不二夫、永井豪、吾妻ひでお、高千穂遥、安彦良和、石ノ森章太郎、平井和正、豊田有恒 等々、登場する漫画家、作家も懐かしかったな… 愉しめました。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: <読む>ミステリ(国内)
感想投稿日 : 2022年12月25日
読了日 : 2022年12月25日
本棚登録日 : 2022年12月23日

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