ボヌール・デ・ダム百貨店

  • 論創社 (2002年12月1日発売)
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本棚登録 : 98
感想 : 8
5

フランスの作家、ゾラの作品
1850年ごろ書かれた、百貨店の誕生と、キャリアウーマンと、恋の話。
それまでのビジネスモデルだった古き良き小商店が、資本主義の化身である百貨店に次々と飲まれていき、新しい消費ファーストの時代が生まれていく。
また、主人公の女性は、そうした資本主義への世間の風というものを感じ取り、田舎っぺ娘から洗練されたビジネスウーマンへ成長を遂げる。
そして面白いのが、ここに絡んでくる恋の話だが、百貨店の社長であり、プレイボーイである彼の誘いを断り続けることで、彼の心を虜にしてしまう。恋の駆け引きの手引きまでやってくれるこの本、非常に面白く読めた。

実はフランス語バージョンを読んでいて、カンニング目的で図書館で借りたのだが、日本語のこちらは完全版で、フランス語の方は、半分以上省略してるバージョンだった。やはり、完全版を読む方が分かりやすいし、550ページほどあるのだが、あっという間に読了してしまった。

この百貨店の社長、ムーレの若き時の話が、「ごった煮」という本らしい。隣の区の図書館にあるようなので、借りて読んでみたい。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2023年2月8日
読了日 : 2023年2月8日
本棚登録日 : 2023年2月8日

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