舟を編む

著者 :
  • 光文社 (2011年9月17日発売)
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本棚登録 : 29789
感想 : 4344
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中学生ぶり、再読。
おもしろかった〜。
好き系の本です。
ここ数年、言葉について思慮を巡らすようになりました。
同じ言葉でも、発言のタイミングや抑揚、時代、言う人と聞く人の関係性等、多くの外的要因によって意味が変わることがあります。
これって世の中の多くの人が当たり前に行なっていることですが、実はかなり難易度が高いことです。
ここまで言語が発達している種族は人間だけとも言われています。
ただ、それだけ発達した言語を扱えているにも関わらず、いやむしろ、これだけ発達しているからこそ、それを正確に文章化することが非常に困難に思えます。
言葉の意味が外的要因に左右される、ということは言い換えれば、外的要因が意味を補填してくれている、とも言えるのではないでしょうか。
文章、特にこのブクログの感想のように、読み手と書き手に関係性がなく、共有していることもほぼない状況で、思いや意図を理解し合い疎通することは本当に難しいな〜と感想を書くたびに思います。
そこに対するトレーニングという意味で始めた本の感想を記すという習慣ですが、まだまだ精度が低いというのが自己評価です。
辞書に完成がないように、言葉や文章にも完成やゴールのようなものはないと思うので、これからも自分なりに舟を編んでいきたいと思います。

過去に何も考えずに読んだ本でしたが、今読み返すとそのときには気付かなかったことに気付くことができました。
辞書の編纂という題材に似合わず、非常に読みやすくわかりやすい内容になっているので、シンプルに楽しく読める本だと思いますが、ややこしく読もうと思うと、とてもややこしく読めるので、そういう読み方もオススメです。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2023年6月19日
読了日 : 2023年6月19日
本棚登録日 : 2023年6月19日

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コメント 2件

yyさんのコメント
2023/06/19

なおすさん

こんにちは

なおすさんのレビューの言葉
「読み手と書き手に関係性がなく、
共有していることもほぼない状況で、
思いや意図を理解し合い疎通することは本当に難しいな〜」
のところ、ハッとさせられました。
本当にそうですね。

こうやって「書くこと」って、
自分を俯瞰する良い機会なのかも。
なおすさんは、それをちゃんと意識してらっしゃる。
素敵だと思います☆彡
これからも楽しく船を編んでいかれますように。



なおすさんのコメント
2023/06/19

yyさん

こんにちは。
この度はコメントいただきありがとうございます。
自分の書いた文書に共感していだだけるのはとても嬉しいです。

無意識的に自分自身を俯瞰して、客観視することは中々に難しいことだと思うので、こうした習慣や意識は"書くこと"をきっかけに忘れないようにしたいと思います。

後ほど、yyさんの感想も拝見させていただきます。




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