熊を放つ

  • 中央公論新社 (1986年5月1日発売)
3.42
  • (3)
  • (8)
  • (22)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 89
感想 : 8
3

二人の青年が、一台のバイクを手に入れ、旅に出る。
うち一人は死んでしまうが、ノートを残す。
そして、もう一人が、故人の計画を引き継いで、動物園の動物を放ってしまう。

3部構成で、ジギーが死んでしまうまでが一章、ジギーのノート(回想録)
が二章、動物園開放が三章目。

二章まではとんでもなく読み辛くて、本当にページが進まなかった。
私は村上春樹を好きとか嫌いではなく「合わない」のだけれど、その理由に
・途中までとても面白いのにラストで肩透かしを食らう
・表現の好みが合わないのか、文章が脳内で像を結ばない
の2パターンがあります。
今回は完全に後者で、何度も読みながら「…今、どういう状況なの??」と
思いました。

動物園開放の件はいきなりスピード感が増して、めきめきと面白くなりました。
ハッピーエンドではないのですが、非常に湿気のない終わり方です。
ロードムービーは好きなので、このテの話に付き物の破天荒なジギーのキャラが
ツボに入りました。

村上春樹の文章が好きな方にはいいかも。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2010年4月13日
読了日 : 2010年4月12日
本棚登録日 : 2010年4月12日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする