心がザワザワする不穏な作品群。
だけど、生きている世界が愛おしく感じて泣けてくる。そんな短編集。
これは直木賞取っちゃうんじゃないか?
来年の本屋大賞も僕の中では今のところ最有力候補。
相当良い。とにかくみんなに読んでほしい。
ネオンテトラ 評価5
ネオンテトラとは、ネオンのようなメタリックブルーに光ってみえる観賞魚。
飼い主から愛着を抱かれず、部屋の息苦しさを打ち消すための存在でしかないネオンテトラだけが知る秘密…。
それにしても、笙一は、もてるなぁ…
魔王の帰還 評価5
真央が魔王って…笑ったけど相当な存在感。
相手が放送を見ることのできないケーブルテレビのインタビューで熱い愛を告白する魔王にほっこりする。
そして、哲二が菜々子を呼び捨てで呼ぶ瞬間がいい。
ピクニック 評価5
怖すぎ…。今年読んだ全ての作品の中で最も怖かったかもしれない。
花うた 評価4
往復書簡形式の、あまりに美しすぎる作品。
秋生はいっしょうけんめい答えを探し、ようやく辿り着く。
その答えが深雪に届いてほしい。
愛を適量 評価5
愛はいつも過剰であり、不足している。
適量の愛しかた、それはきっと生きている限り永遠の課題だ。
でもたまに、お互いの愛がちょうど良い時がある。そんな一瞬一瞬が人を成長させるし、明日を生きる活力源となる。
式日 評価3→4
人生初の葬式についての話。
後輩の空虚さはまるで、ノイズキャンセリングイヤホンにより生み出された音のない世界のよう。
そして、つながっていることに気づいて深みが増す。
- 感想投稿日 : 2021年6月24日
- 読了日 : 2021年6月24日
- 本棚登録日 : 2021年6月22日
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