スモールワールズ

著者 :
  • 講談社 (2021年4月22日発売)
3.87
  • (788)
  • (1403)
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  • (25)
本棚登録 : 12278
感想 : 1127
5

心がザワザワする不穏な作品群。
だけど、生きている世界が愛おしく感じて泣けてくる。そんな短編集。

これは直木賞取っちゃうんじゃないか?
来年の本屋大賞も僕の中では今のところ最有力候補。
相当良い。とにかくみんなに読んでほしい。

ネオンテトラ 評価5
ネオンテトラとは、ネオンのようなメタリックブルーに光ってみえる観賞魚。
飼い主から愛着を抱かれず、部屋の息苦しさを打ち消すための存在でしかないネオンテトラだけが知る秘密…。
それにしても、笙一は、もてるなぁ…

魔王の帰還 評価5
真央が魔王って…笑ったけど相当な存在感。
相手が放送を見ることのできないケーブルテレビのインタビューで熱い愛を告白する魔王にほっこりする。
そして、哲二が菜々子を呼び捨てで呼ぶ瞬間がいい。

ピクニック 評価5
怖すぎ…。今年読んだ全ての作品の中で最も怖かったかもしれない。

花うた 評価4
往復書簡形式の、あまりに美しすぎる作品。
秋生はいっしょうけんめい答えを探し、ようやく辿り着く。
その答えが深雪に届いてほしい。

愛を適量 評価5
愛はいつも過剰であり、不足している。
適量の愛しかた、それはきっと生きている限り永遠の課題だ。
でもたまに、お互いの愛がちょうど良い時がある。そんな一瞬一瞬が人を成長させるし、明日を生きる活力源となる。

式日 評価3→4
人生初の葬式についての話。
後輩の空虚さはまるで、ノイズキャンセリングイヤホンにより生み出された音のない世界のよう。

そして、つながっていることに気づいて深みが増す。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2021年6月24日
読了日 : 2021年6月24日
本棚登録日 : 2021年6月22日

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コメント 4件

アールグレイさんのコメント
2021/07/11

初めまして
夜遅くに大変失礼致します。
ゆうママと申します!
先程、本棚にお邪魔させて頂きました。タイムラインで有名な方だなと、以前より思っていました。
私はレビューを書く方の方が良と思っています。その点たけさんは、例えば「琥珀の夏」など私にとって魅力いっぱいの本、この本・・・・凄いな~の一言です。
コメント好きの私、遅い時間に失礼致しました。
m(._.)m good night☆

たけさんのコメント
2021/07/11

ゆうママさん、はじめまして!
コメントありがとうございます。とてもうれしいです。

読んだ本の感想は、拙くても短くてもなるべく残そうと思っていますが、ある程度の時間と根気が必要ですね。

ゆうママさんのことフォローさせていただきますね。よろしくお願いします!

アールグレイさんのコメント
2021/07/11

こんにちは!たけさん!
昨夜は失礼致しました。
まずはフォローを頂きありがとうございます!こちらこそどうぞよろしくお願い致します!
私はブクログ歴4か月程です。おまけに読むのが遅いのです。その本によりますが、今読んでいる「ドキュメント」は苦労しています。展開が少ないのです。
図書館利用で、今も次の本の連絡が来ています。「雨夜の星たち」だったと思います。
焦ります。(~_~;)
たけさん、何か引き込まれていくような本はありませんか?もし、思いついたらその時にはm(._.)mよろしくです!
今日は日曜日なので、ゆったりと読書してみます。
(^〇^∃)

たけさんのコメント
2021/07/11

ゆうママさん!
東京地方は雨と雷スゴイですが、読書堪能できてますか?

引きこまれていく本…
そうですね。僕にとって「スモールワールズ」はまさしくそんな本でしたね。
あと、池井戸潤さんとか伊坂幸太郎さんの作品は総じて引きこまれ感強いと思います。
最近は金原ひとみさんにはまりつつあります。

ゆうママさんのお好きな「風が強く吹いている」僕も大好きです。あの作品にはメチャクチャ引きこまれましたよ!

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