八日目の蝉 (中公文庫 か 61-3)

著者 :
  • 中央公論新社 (2011年1月22日発売)
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本棚登録 : 21603
感想 : 2379
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地上の蝉は一週間の命…
はかないけど、もし八日目の命を与えられたら、果たしてそれは幸せなのか?

「八日目の命」が何をさしているのか?
終盤にその意味が解き明かされていく。

「母性」がテーマだという。
不倫相手の娘を誘拐した女の逃亡生活(一章)と、逮捕された後(二章)を描く。

一章は、僕が男だからなのだろうか、誘拐犯に感情移入できなくて、気持ちの持って行き場のない展開で、読み進めるのがとてもきつかった。

誘拐された娘の視点で書かれた二章になってから、ぐいぐい引き込まれた。

最終的には、母(育ての?)と娘のストーリーに収斂していく。
ほかの蝉が見ることができなかったものを見られる八日目の蝉。救いはあった、と考えるべきなのか…

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2022年11月6日
読了日 : 2022年10月11日
本棚登録日 : 2022年10月11日

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