黒死荘の殺人 (創元推理文庫)

  • 東京創元社 (2012年7月28日発売)
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本棚登録 : 339
感想 : 32
4

満を辞して、いつか読もうと思っていたカーについに手を出した。
怪奇趣味全開の前半は少し読みにくかったが、殺人が起こったあたりから徐々にハマっていき、これがカーの密室か〜という感じで、全体的にはとても面白かった。
今だとややもの珍しさは下がるが、トリックはとても独創的。ルイス・プレージの短剣が巧妙なミスディレクションとなっている。

そして意外だったのが、密室以外の部分も結構力が入っているところ。
ジョゼフの正体を見抜くのはさすがに難しいが、「これから見張りをさせる人物にモルヒネ注射を認めるなんて、こんな馬鹿げた話はないだろう?」というH.M卿の言葉にはやられた。これは気づけなかったのが悔しい。

探偵のH.M卿も好みだったし、カーの作品は引き続き読んでいきたい。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2022年3月17日
読了日 : 2022年3月17日
本棚登録日 : 2022年3月17日

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